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こはだが選ぶ今週のよさげなクラシックコンサート(12/4〜12/8)

以前、「ぶらあぼONLINE」の「コンサート検索」機能がとても便利という話を書きました。

今回、その「コンサート検索」機能を使って、今週の東京・神奈川・埼玉・千葉のコンサートすべてをチェックし、その中からよさげなコンサートをピックアップしてみました。

クラシック初心者の人の悩みは「どのコンサートに行けばいいのかわからない」です。

「まずは手当たり次第行け!」というのは暴論です。誰でも限られた予算の中で一番美味しいものを食べたいのです。芸術鑑賞も同じです。

食べる店なら食べログやGoogle mapがありますが、コンサートは口コミのない世界です。それも「敷居が高い」原因でしょうか。

でも言い方を変えれば、知識や経験が増えてくると「コンサートを選ぶ楽しみ」ができるのです。
これはクラオタの楽しみの中で大きなものではないかと私は思っています。

CDを買う楽しみも似たようなものです。J-POPはもっとわかりやすいのです。推しのアーティストの新譜を買い続けたりとか。
クラシックは推しのアーティストがいたとしても全部揃えるとなると大変です(正規盤の少ないクライバーですら海賊盤がたくさん出ています)。
皆さん、当たりをつけているのです。ここで、クラオタとしての眼力が問われるわけです。

行くコンサートすべてが当たりということはありえません。コンサートは生ものですから、演奏者の体調にも大きく左右されます。
しかし、「あらかじめダメそう」というのは長年コンサート通いしているとわかってきます。そういうのは経験を積まないとなかなかわかりません。

古美術鑑定に近い世界かもしれません。私は将棋や囲碁の観戦も好きですが、スポーツ観戦のわかりやすさと比べて、藤井聡太さんや一力遼さんの一手の凄さは少なくともルールを知らない人にはわかりません。
その手を“鑑賞”するためには、一定の知識や経験が必要になってくるのです。
クラシックも最初から何もかもわかるというのはありえません。徐々にいろいろわかってくるのが楽しいのです。

さて、本題ですが、チケット価格も考慮して以下の4つのコンサートを選びました。

これは行こうか迷ったのですが、予算的に厳しそうで見送ることにしました(12/8にニコニコ生放送で無料ライブ配信があります)。

ジョナサン・ノットは私の推しの指揮者です。インテリジェンスのある指揮者だと思います。
情熱を持ち合わせながらも、その音楽は情熱に溺れることがなく、常に深い知性に支えられている。ノットの作る音楽が好きなのは、そうしたバランス感覚がよいからです。

かつて現代音楽専門の室内オーケストラ、アンサンブル・アンテルコンタンポタンの音楽監督を務めていたこともあるノット。レパートリーはバロックから現代まで幅広く、そんなノットが超のつく名曲「運命」をどう聴かせるのか、大変興味深いです。

「運命」を生のオーケストラで聴きたい!と思ってる方にはイチオシのコンサートです(前半はややつらいかもですが…)。
後半に超名曲を据える代わりに、あまり演奏されないシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲を前半に持ってくるあたりはプログラミングにも長けたノットならでは。前半の曲はYouTube等で一度通して聴いて行かれるとよいかもしれません。
(なお、東京交響楽団の主催公演は障害者手帳をお持ちの方は半額になります。詳しくは東響事務局にお問い合わせください)

こちらも以前なら行っていた公演です。去年の青木尚佳さんのイザイの無伴奏が素晴らしく、いっぺんにファンになってしまいました。

前回はヴァイオリン一挺でしたが、今回はハープやピアノとの室内楽です。
「幻想曲」で揃えるあたり、玄人好みなプログラムではありますが、おすすめのアーティストなので挙げてみました。

こちらは明日のコンサートです。さっき調べてて発見しました。
辻彩奈さんもまた贔屓のヴァイオリニストです。以前、俊英シーヨン・ソンの指揮で演奏したコルンゴルトが絶美でした。

今回は伊福部昭のヴァイオリン協奏曲第2番というユニークな選曲です。最近だと神尾真由子さんが弾いていたと思います。
東京音大で教鞭をとっている広上淳一さんの指導はBSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」でときどき紹介されますが、熱血そのもの。ユーモアも交えてあって面白いです。
ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲とプロコフィエフの交響曲第5番はどちらも名曲の部類ですが、私自身はあまり馴染みがありません😅
オーケストラをドライブすることに長けた広上さんの個性が活きそうなプログラムが1500円で聴けるのはお買い得でしょう。

最後はこちらです。スティーヴン・イッサーリスはまだ聴いたことがありません。古楽器とモダン楽器両方に通じている印象があります。
チェロの巨匠の中でも独特のポジションにいる感じを受けます。ひたすら自分のやりたい音楽を追求して生きているアーティストだと(勝手に)思ってます😅

これも予算の関係で見送りましたが、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番は数あるチェロ・ソナタの中でも屈指の名曲ですから、王道曲に趣向的なマルティヌーなどを加えたプログラムはバランスが取れていて面白いと思います。

以上、4つのコンサートを挙げてみました。他にも都響のショスタコーヴィチ8番やルイージ/N響の「展覧会の絵」、コパチンスカヤ、HIMARI、小林愛実など、いろいろありましたが、あくまで自分が行きたいコンサートに絞って紹介しました。コンサート選びのご参考になれば幸いです。

気が向いたらシリーズ化するかも⁉︎😅
巷でどんなコンサートをやってるかわかって勉強になりますが、たまに行きたい欲にかられるのが悩みどころですね😂

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