指揮者の本格 小泉和裕/神奈川フィルのブラームス
横浜みなとみらいホールで神奈川フィル定期を聴いてきた。
ベートーヴェン:交響曲第8番
ブラームス:交響曲第4番
指揮:小泉和裕(特別客演指揮者)
今日の愚痴言うぞう
愚痴が苦手な方はスルーしてね😅
感想の前に…
みらとみらいホールは2回目で前回はP席を取ったが、今回はステージのサイド席。
そしたら手すりの下に何本もワイヤーが張られてるではありませんか😵
焼肉の網みたいな落下防止柵はブーイングで撤去したのに、そんなに「落下防止」したいんか?😂
海外のホールもこんな感じ??
ワイヤー越しにステージ見るってどういうこと?
演劇ならありえないよね。
コンサートだから視覚的な要素は関係ないと思ってるのかな。
興醒め感が半端ない。
今回も隣の爺様が開演時間ギリギリにやってきてでかい荷物持ってたからやな予感がしたけど、案の定プログラムを握りしめて演奏が始まると同時にめくり始める。
それが爺様のウエストポーチと擦れてうるさいのよ。
それに右の方でも靴なのか鞄なのかが擦れる音が頻繁に聞こえるサラウンド攻撃。
もう無料プログラム廃止してよ。
印刷代が浮けばチケット500円くらい安くなるんじゃないの?
プログラムが「鑑賞のお供」みたいになっとるやんけ!
演奏中にプログラム読む行為に市民権与えていいんですか!
飴玉やフラブラはダメなのに、なんでプログラム読むのはOKなのか私には理解不能😓
爺様だけなら自ら注意してもよかったが、両側からなので事務局の方と相談して席を変えてもらいました。
後半はストレスなく聴けました。
演奏中の客によるノイズの話をすると「大勢来てるんだから当たり前」と言ったりする人もいるが、聴覚(と視覚)を喜ばせたくてお金払って来てるわけでしょ?
その聴覚のご馳走の上にノイズ被せるって、ご飯食べに行って隣の客が料理にタバコの灰をかけてくるようなもんじゃないの?
味覚を損なう行為と聴覚を損なう行為はどちらも罪深いと思うけど。
最近はステージと客席が一体になるコンサートが減りましたね。
美しい音を聴きに来てるのに自分が出してる音に無頓着な客が多すぎる!😡
気を取り直して、感想
小泉和裕は2回目。前回の名古屋フィルとの「エロイカ」は凄かった。
生涯忘れえないような超名演だった。
小泉和裕ゆかりのオーケストラで2回聴いてみて、彼の芸風や個性が少しわかってきた。
まず、誰もが認める衒いのない芸風。
これほど「王道」を行く指揮者も珍しい。
両腕を伸ばして上下させる指揮はカラヤンスタイルなのか?
ただ、インテンポが好きなのだろうか?
音楽の緩急に欠けるきらいがあり、その辺は大植英次の方が断然好みである。
小泉和裕は一本調子に聴こえるのだ。あ、今日はこのスタイルで行くのねと思うと、実際に最後までそのまま突っ走ってしまう。
緩急があった方が聴き手はハッとさせられる。
あまりに恣意的なのは作品を損なうが、次どうなるか予測できない世界の方が私は好きだ。
あと、ブラ4の冒頭や第2楽章の第2主題再現部などはドイツのオケ(昔のバンベルク響やベルリン響)かと思うほど渋い音色がホールに広がったのに(朝比奈のブラームスを思い出して涙ぐんだ🥲)、他の箇所では研ぎ澄まされた響きの重心が軽い。
ブラームスが書いた有数の優美なメロディをたっぷり歌ったあの感じで全曲やってほしかった。
テンポが早く、テンションが高い。ベートーヴェンでもそうだった。
チャーミングな要素もある8番だが、まるで「エロイカ」のようにスケールの大きな演奏だった。
出だしからハイテンション。小泉和裕が一音たりとも手を抜かない指揮者だというのがよくわかった。
指揮台に立つだけでオケの音が変わりそう。
今どき珍しい往年の巨匠の面影がある。
クラシック初心者の人におすすめかもしれない。
「マエストロ」という名にふさわしい本格の貫禄がある。
楽団員の「先生の前で下手な演奏はできない」という緊張感も伝わってくる。
指揮者の凄さが見てわかる。
背筋をピンと伸ばして両腕を大きく使う指揮はカラヤン流なのだろうか。
命を削って指揮している、毎回これが最後のステージと思って振っているような凄味を感じる。
地味な名匠では全然なかったですね😅 汗かきまくってる印象だ(そう見えないのが不思議)。
カーテンコールの去り方も颯爽としている。
ダラダラ拍手が続きがちだが、頃合いでオケを向いてお辞儀して、もう引っ込むからねと合図する。
そしてオケが全員お辞儀をして終わり。かっこいい……😳
奇を衒わなすぎるので、なんか味つけの同じコース料理を食べてる感じがしてしまうのだが、決して引き出しが少ない指揮者ではあるまい。
今さら芸風変わらないだろうけど、緩急の表現が多少あった方がもっと聴き手を自身の世界に引きずりこめると思うのだが、大きなお世話?😅
10月には終身名誉指揮者を務める都響とのブルックナーの2番を聴く予定。
名古屋フィル、神奈川フィルと来て、再び指揮者と関係の深いオーケストラでドイツものを聴けるのが今から楽しみでならない。
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