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新R25副編集長・天野俊吉「POPEYEのリニューアルについて、いつか聞いてみたい」

かくしごと代表の編集者・黄孟志が業界を超えて様々なクリエイターと対談する本シリーズ。第3回目は、『新R25』副編集長の天野俊吉さんをゲストにお迎えし、「影響を受けた雑誌・Webメディア」をテーマに話しました。

天野俊吉
『新R25』副編集長。フリーペーパー時代の『R25』唯一の生き残り。好きなスポーツチームは、野球が横浜DeNAベイスターズ、サッカーが横浜F・マリノス。早稲田大学教育学部卒業。
Twitter:@amanop

学生時代に衝撃を受けた『Quick Japan』と『野球小僧』の企画力

 ぴょん吉(天野さん)はフリーペーパーの『R25』時代からお仕事させてもらってる同い年の編集者で飲み友達。10年以上同じ業界で一緒にいるけど、お互いがどんな雑誌やWEBメディアに影響を受けてきたのかとか、話したことないよね。

天野 去年はトークイベントもやったけど…そういう話はしたことないね。男子校育ちで大学も一緒だし、見てきたものはけっこう共通するはず?

黄 高校時代でいうと『MENʼS NON-NO』『CHOKiCHOKi』『MEN'S KNUCKLE』…メンズファッション誌はジャンル問わず読んでたな〜。でもそれ以上に『Seventeen』の田中美保とかえみちぃが可愛すぎた思い出が強い。

天野 『non-no』も教室で回し読みしてた。男子しかいない環境で女子がリアルに読むものを欲してた…。

黄 回し読みって紙ならではの行為だよね。『Seventeen』も月刊誌じゃなくなりWEBメイン…今の高校生ってもう回し読みしてないのかな。。ぴょん吉は俺よりカルチャー人だから、いろんなジャンルの雑誌読んで青春過ごしてきてそう。

天野 カルチャー誌でいうと『Quick Japan』は好きだったな〜。ミュージシャンに心理テストする企画とか、深掘り方が他の雑誌とは違ってて。

スポーツ誌なら『野球小僧』。その人が苦手なことをあえて聞く「オレに訊くな!」ってコーナーがあって。「そんなこと聞いていいの?」っていう下世話な気持ちで読ませるとか、予想外に真理に辿り着く感じとか、「これが企画なんだな〜」って学んだ。今でも企画するとき意識してることかも。

黄 学生時代から企画性で見てるのはぴょん吉っぽいね。

東京出身者を救った!? 2012年の『POPEYE』リニューアル

天野 あとは定番だけど『POPEYE』。2012年のリニューアルは衝撃的だった。それまでファッション要素が強かったけど、カルチャーっぽい要素が増えて、昔っぽい文体にしたり、「シティボーイ」って言葉を流行らせたり。

黄 麻布中高に通ってた生粋のシティボーイからするとどうなの?

天野 それまで東京出身者って「面白くない」「特徴ない」みたいな感じだったのが、『POPEYE』のおかげで「シティボーイだね」って言われるようになって、話のネタになるし、肯定された気がした(笑)。雑誌の力で東京出身者のコミュニケーションが変わったからすごいなと思うな。

黄 「ニューヨーカー」とか「パリジャン」とか、都市で生活する人の呼称はあるのに東京の生活者って「江戸っ子」以降なくて、ブランディングされてない感じはあったかも。「シティボーイ」は、東京だけに絞らずニューヨークとかロンドンとか世界中の「シティ」の生活者を一緒にくくったのが受け入れられたポイントだったのではとか…いろいろ語りたくなるね。

天野 相当強い意志とディレクションがないとあれをやり続けられないと思うし、今ではブランドになってるから、学ぶこと多い…。どこまで考えてリニューアルしたのかいつか聞いてみたいよね。

「リアル」を絡める企画に注目

黄 逆に、ここ数年で「この企画は面白いな」って思ったのって?

天野 WEBでバズる記事をたくさんつくってきたせいか、最近は逆にリアルな場所を絡めた企画が面白いと感じてる。たとえば『UOMO』藤原ヒロシさんとやってる「FRAGMENT UNIVERSITY」とか。1995年から2006年まで『MENʼS NON-NO』で連載されてた「藤原ヒロシのア・リトル・ノーレッジ」を書籍にまとめて、その内容を講義にしようという取り組み。

黄 "僕が「教えること」は何もないと思うんですが、皆さんが「学べること」はあるのかもしれません。" …この時点でセンスしか感じないです。

天野 他にも、Bar bossa・林伸次さんのnoteもいいなと思った。実際にバーをやってる人が、マナーとか恋愛とか世の中のことを、お客さんを眺めた実体験から書いてるのが説得力すごくて読んでしまう。

「編集力」を未来のために使いたい

黄 俺が最近いいと思ったのは子供向け新聞『NewsPicks for Kids』。定期購読してるんだけど、「家族でもっと話そう、世界のこと。」ってスローガンで、毎号大人も一緒に考えたいテーマが特集になってる。難しい話を子供でも分かるように、でも深く、デザインは素敵に。優れた編集力を教育に使ってるってこと自体が素晴らしいなと。

天野 たしかに今日振り返って思ったけど、自分も昔から読んでたものをつくった人の編集力に影響受けてるわけだから…子ども向けの新聞って素晴らしい仕事だな〜。

そういう意味で、『新R25』もだし、最近手掛けた自民党青年局によるフリーペーパー『じみんとーまがじん』も、若い世代に何かを届けるってことにはやりがいを感じるかも。

天野さんが編集を手掛けた自民党青年局
『じみんとーまがじん』

黄 報道寄りのことをするにしてもエンタメ寄りのことをするにしても、編集に携わりながら育てたスキルや知見を未来のためにもっとうまく活用していけたらいいなぁ。


構成:鎌田あゆみ(かくしごと広報)


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