石巻広域医療圏を立ち直らせる方法
仙台以外の宮城県の地域医療は政策判断で石巻日赤、大崎市民、県南中核に集約されています。分散したら持たないからです。仙塩地区は坂総合病院。あれは民医連だから行政は介入出来ないが、あの地域は坂病院が一手に引き受けています。宮城県の地域医療を維持するには、これしか無い。石巻市東部に産科を、小児科をと言われても、現代医学が要求する水準で、かつ司法を含む社会が要求する水準で地域医療を提供するためには、集中しか選択肢がありません。
ところが今、この砦であるはずの三病院が揃って限界に達しています。坂総合病院も内実は逼迫しているはずです。
先日石巻日赤に救急搬入された体験記を書きましたが、あれは明らかに限界超えてます。地域医療を集約するのであれば、あの三病院を更に拡充することが絶対に必要です。現在の体制、規模ではあの三病院そのものが崩壊する可能性が高いのです。
先日の投稿では敢えて名前を伏せましたが、はっきり言えば石巻市立病院なんか、要らない。消化器疾患以外救急を受けない市立病院なんてものは、存在する価値がない。石巻圏(周辺自治体を含む広域石巻圏)の医療を維持したければ、いっそ市立病院なんか無くして、石巻広域医療圏の自治体の税金は全部日赤につぎ込むべきです。
何故市立病院みたいな事実上地域の中核病院として機能していない病院が、復興資金をつぎ込んであんなに箱だけ立派に再建されたかと言えば、石巻市に「病院局」という組織があるからです。市の組織は、他は全部「部」です。局というのは病院局だけ。病院局長は市立病院長が兼務しています。局の方が部より偉そうじゃないですか。そして市立病院である限り、市の役人は市立病院に対して威張れる。石巻市病院局の下の市立病院ですからね。俺たち役人の方が偉いんだぞと言える。でも日赤に対して石巻市の役人は口出し出来ない。別組織だから。そんなくだらない役所の面子のために、あのどーにもならない市立病院が再建され、それで相も変わらずまともに石巻市の医療の砦の役割を果たしていないわけだ。
日赤があれだけ逼迫しているのは、要するに市立病院が話にならんからです。あんなもん、要らん。いっそ石巻市から分離して、石巻赤十字病院分院にするか、でなければもっとちゃんと地域医療をやる民間医療団体にまるごと売れば良い。
看護師不足だって解決策はあるんです。医師会の看護学校が定員割れで、医師会は頭を痛めている。あそこを出ても准看護師にしかなれない。今時准看護師で良いという若者はいない。だから定員割れ。
看護大学は昔は東北大学の医療短大がそうだったように短大でした。しかし短大卒は学士じゃ無い。だからその先を目指したい人にとっては、学士じゃ無いから大学院にストレートに進学出来ない。だから東北大は医療短大も4年生にして、ちゃんと卒業したら学士になれるようにした。それで随分看護師のレベルが上がった。
つまり、専修大学に看護学部を作ればいいんです。そのための金は行政がどんどん出したら良い。4年制の看護学部にして、卒業したら大卒の正看護師。附属病院は日赤。日赤の部長クラスは専修大の教授を兼務する。無論看護というのは日赤のような救急病院だけでは学べないものもあるから、石巻市内の開業医もみんな臨床研修医療機関になって、地域医療のなんたるかを実地で教える。教えるというのは学ぶためにもっとも良い手段だから、開業医のレベル向上にも寄与する。
出来ない出来ないじゃ無い。策はあるんですよ。