室堂ー上高地 縦走装備リスト
2024年7月に室堂から上高地110㎞を縦走したので装備を記録します。
山行記録は以下のヤマレコを参照してください。これまでロングトレイル等を歩いたことはなく、最長は2泊3日のテン泊、同じく2泊3日のスキー縦走での避難小屋泊でした。行く前は1週間程度となると大学山岳部や、自由業っぽい(?)社会人しかやっていないイメージがありハードルを感じていました。特に装備面ではULハイカーでもない限り20kgオーバーとなりかなり大変そうなイメージでしたが、やってみると案外難しいものではなく、長期縦走の参考になればと思います。
普段夏山のテン泊はあまりしないため、沢登り、クライミング、トレラン、山スキーで使う装備の流用が多いです。また装備の軽量化はある程度重要視しつつも、選定の際に必要なものや機能を削ったりはせず、安全側にすることで重量が増えることは許容するといったスタンスです。
ベースウェイト(身に付けるもの、水、食料、ガスを除いて)+食料で15kg弱、水3Lを携行して約18kg。食料が1日300gずつ減っていく感じです。
ザック・テント類
ザック:ミレー サースフェー50+15
テント:Sea to summit アルトTR2(専用グランドシート含む)
ショルダーポーチ左:Paagoworks SNAP Lefty
ショルダーポーチ右:GRANITEGEAR ADD ON POCKET
マット:サーマレスト Zライトソル(カット無し)
ここは特に軽量化していないものばかり。マットは同じくサーマレストのネオエアーXライトも持っていますが、連泊だと空気漏れの恐れからもっぱらZライトソルを選んでいます。3日目くらいから寝ている時、尾てい骨のアタリが気になるようになり、マットを厚くするために半分に折って上半身のみにマットを当てるようにしていました。ザックの腰パッドが同じ場所に当たることもあり、帰宅後にクライミットのイナーシャXライトをぽちりました。2日目以降はマットもザック内に収納。
Sea to summitのアルト・テロスシリーズは1〜3人、自立or半自立、メッシュorファブリックが選べ、アルトTR2は2人用、半自立、メッシュインナーのモデルです。かなり広めかつ風通しのいいモデルなので天候がいいときはかなり快適です。今回は槍ヶ岳山荘テン場で夜から朝にかけて荒れたため雨の吹込みがありました。また設営に必要な面積が大きいのでテン場によっては張るのに苦労することがあります。高所山岳用ではないので使い所は見極める必要があります。
行動着
シューズ:ASICS Trabuco Max 2
ソックス:インナーファクト ラミーソックス
Tシャツ:キャプリーンクール・メリノ・グラフィック・シャツ
パンツ:Arc'teryx ガンマ クイックドライ パンツ
保温着:TNF エクスペディションドライドットジップハイ
ウィンドシェル:Patagonia フーディニジャケット
レイン上:BlackDiamond ストームラインストレッチアノラック
レイン下:finetrack エバーグレスレグン
帽子:Patagonia ダックビル・ショーティ・トラッカー・ハット
アームカバー:OLENO アームスリーブUL
ネックゲイター:inov8 テイネトレイル参加賞
手ぬぐい:白雲岳避難小屋
手袋:AXESQUIN UV メッシュ グローブ
レイン手袋:テムレス カフ付き裏起毛(裏起毛は切除)
登山靴はスポルティバのトランゴテックレザーと迷ってトラブーコに。長期山行で完全に濡れる可能性があったので登山靴が乾かないのは嫌だなと思い。完全水没の翌日には濡れ感がなくなっておりトレランシューズで正解でした。捻挫リスクは上がるもののテン泊ザックではほぼ走れないのでヒヤリハットもほぼありませんでした。山行中に見かけた登山者の9割以上は登山靴でトレランシューズが少ないのは意外でした。またそのうち半分以上はスポルティバで人気ぶりが伺えました。
そして驚いたのがウールTシャツ。6日目でも汗臭い感じは全くありませんでした。ヒップベルトのバックル、ショルダーストラップでボロボロになったのでICEBREAKERのTシャツでも買おうかと画策中です。寒いときはTシャツ→アームカバー→ネックゲイター→ウインドシェルの順で足していきました。
キャップは今回用に新調したのですが、暑いときはメッシュで換気され、雨のときはレインの下でツバが視界を確保してくれ、完全に狙い通りでした。メッシュ+硬い長めのツバ+乾きやすいを兼ね備えたキャップは意外と少ないのです。ヘルメットには不適なのでネックゲイターor手ぬぐいを巻きました。
ガンマクイックドライパンツは2本目の買い足しですが、足さばきの良さ、乾きの早さ、ポケットレイアウト(5ポケット)、生地のハリ感、劣化のしにくさなどどれをとっても不満が全くなくかなり完成されていると感じます。唯一の欠点は今年から値段が爆上りしたことです。
ドライドットのハーフジップは今回のような夏場のちょい足し保温着、冬場のランニング、山スキーの行動着(ミレーのアミと重ね着)など年中使えるるのが魅力的。テクニカルっぽくなりすぎないクルーネックも買い足しを狙っています。
タオルは持っていかず手ぬぐいだけで高天原温泉、下山後の小梨平の風呂もこなしましたが全く問題なしでした。暑いときに沢水で濡らしたりするにも手ぬぐいくらいの厚みがちょうどよかったです。夜は乾かすようにしたので匂いも気にならず。
サブザック、シュラフ、その他衣類
サブザック:BlackDiamond distance15
ヘルメット:BlackDiamond ビジョン
保温着:salomon ダウンジャケット
(モデル不明 700FP、総重量323g)シュラフ:Sea to summit スパーク-1(コンプレッションバッグは付属品)
サンダル:mont-bel ソックオンサンダル
サングラス:kohla、rockbros 各1
ファーストエイドポーチ:飲み薬、消毒液、絆創膏、テーピング、予備手ぬぐい、ダニピッカー、ティッシュ、ステロイド軟膏他
その他衣類:短パン1、化繊半袖T1、化繊ノースリ1、靴下(化繊短丈1、ウールミッドクルー2)、パンツ2、Sea to summit ウルトラシルドライサック20Lに入れて枕代わり
シュラフは夏用(mont-bell #5)と冬用(NANGA UDD630)しかなかったので3シーズン用を購入。Sea to summitは欧米人向けの作りだからか身幅にかなり余裕があるので座ってあぐらをかいたりしやすい反面、寒さは感じやすいです。寒がりの人はウィメンズモデルを選ぶと同じ価格でダウン量が増えるのでオススメ。ただし重量は100g程度増えます。
サングラスは破損に備えて予備を持っていきましたが不要でした。帽子のおかげ+ド快晴は少なかったのでサングラス自体あまり使いませんでした。
ファーストエイドは4月に派手な捻挫(3週間運動できず)をしたので同じところの捻挫が最大の懸念でした。伸びないニチバンのテーピングと足首用のキネシオを多めに持っていきましたが出番は無しでした。キネシオは予め貼っておくのも選択肢のひとつでしたがすぐに臭くなりそうでやめました笑。以前ニューハレの講習で海外トレッキングで4日くらい貼りっぱなしだったという話を聞いたので心配な人は貼っておいた方が無難かもしれません。(かぶれ等が出ないことは事前に確認した上で、ですが)
また虫刺されでイライラしたくなかったので事前に皮膚科でステロイドを処方してもらって持っていきました。塗って寝て起きたらかゆくないが理想ですがさすがのステロイド(ストロンゲスト)でもそこまでは行かないですね。
その他衣類はノースリ、ソックス1は使わなかったたので今後は削れそうです。Tシャツは2枚ともウールのがいいかもですね。下着のパンツはインナーファクトのシームレスインナーパンツしか履きませんがこれはまじでオススメなので今持ってるのを全部捨てて買い替えた方がいいです。履き心地と乾きやすさが素晴らしいです。
その他小物類
水タンク:EVERNEW ウォーターキャリー 2L,1.5L
水ボトル:Hydrapak Flux1L
浄水器:SAWYER ソーヤーミニ
バーナー:PRIMS ウルトラ・スパイダーストーブ Ⅲ、ライター
ガス缶:PRIMS パワーガスIP250
クッカー:EVERNEW Ti Mug Pot 900
衛生用品:目薬、爪切り、地図用のペン、マーカー、シーブリーズ(
humangear ゴートゥーブLに移し替え)携帯トイレ:mont-bel O.D.トイレキット3個+ティッシュ
アルコールウェットティッシュ
充電器類:10000mAh×2、5000mAh、ACアダプタ、USBケーブル(A-C、Coros用、microA変換アダプタ)、osmo action用バッテリ、単四電池3本、予備ヘッデン MS-G1
カメラ:DJI osmo action4、GoPro ショーティー
時計:Coros Apex 2 pro
ヘッデン:Petzl アクティック コア
熊鈴:東京ベル トレイルランベル
クイックドロー:BlackDiamond
ロープ:Φ5mm×3m
ペグ、ガイロープ、ライター、ポール補修材、ゴリラテープ
ココヘリ
ナイフ:VICTORINOX クラシック、ホイッスル:molten ドルフィンプロ
地図:山と高原地図(劔・立山、槍ヶ岳・穂高岳)、必要箇所のA3コピー計3枚、A3コピー版を別ジップロックに入れてポケットへ
食料(写真無し):尾西アルファ米 14食分、フリーズドライカレー、味噌汁、豚汁、卵スープ 12食分、鮭とば、ホタテ貝ひも、カルパス、柿ピー、ビスコフ、グミ、黒っこ、塩、ほうじ茶など
朝夕はアルファ米、昼は行動食
水は1Lのボトルをザックの横ポケットに差して日中用、2Lのウォーターキャリーは満タンでザック最上部に入れて夜〜朝用としました。今回、行動食がやや少なめだった(昼+行動食で約500kcal)ので小屋で1本/日くらいコーラを飲んでました。雲ノ平〜槍ヶ岳山荘の移動日は西鎌尾根がやばいらしいという噂を聞いたのでウォーターキャリーは1L削って軽量化しました。が、どこのテン場or小屋でも給水できたためウォーターキャリーは実質不要でした。このあたりは北海道と違い北アルプスはかなり楽ができるところでした。
バーナーは冬季用の分離式を持っていきましたがやはりクッカーを乗せたときの安定感が抜群です。バーナーは分離式にせよ。これは遺言に書きます。冬も使うならプレヒート機構もマストです。クッカーは250gのガス缶とフィットするように作られており、カタカタ音がせずストレスフリーでした。クッカーではお湯を沸かすだけで調理しないのでもう少し小さいサイズでもいいのですが、ガス缶とのフィットを考えると現状はこれが最適かと。
充電器はスマホが4500mAh、時計が500mAhくらいとして、時計は充電1回、スマホは5回分で1日足りない計算でした。 今回くらいしか使わないモバイルバッテリー20000mAhを買うのはケチりました。笑 幸いなことに雲ノ平2泊の間はほぼ圏外だったので行動中は機内モード、テン場についてからは電源を落として節約しました。バッテリーを1番消費しているアプリはカメラでその他のヤマレコ等は数%でした。行動中のルート確認は山と高原地図のコピーで行ったのでそこも節約に繋がったと思います。
osmo action4とスマホの使い分けは、action4は動画、スマホは写真としています。こちらは予備バッテリー1個で6日間持ちました。ちなみにaction4を右ショルダーのSNAP Leftyに入れ、スマホは左ショルダーのadd on pocketに入れています。
まとめ
装備リストは以上です。何かしら参考になるところがあれば嬉しいです。個人的には(北アルプスで小屋が充実していることを除いても)5泊6日がそれほど難しいものではなかったというのが最も大きな収穫といえます。今回の装備プラス2-3kgなら恐らくそれほど問題ではないので、アルパインを含む長期山行や海外トレイルなど幅を広げていきたいと思います。
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