あめ食い競争。
運動会の種目の中で
パン食い競争とあめ食い競争だけは
私にとって特別な種目だった。
出ればパンか飴が食べられる。
当時小学生から見れば
かけっこの10倍…
綱引きの20倍…
玉入れの30倍…以上もの
参加価値がある競技だった。
もちろんじゃんけんで
参加権を勝ち取る方が
競技で1位を取るより難しく。
粉の中に
「隠されてるあめ」
ただこれだけで
「幻のあめ」でも食べれるかのように
ワクワクしたあの頃。
探し当てて口をもふもふしながら
走ってゴールする姿を見ながら
結局一度も食べることなく
大人になった今。
そんな、こんな、思い出したのは
鶏肉のトマト煮込みを作りながら。
鶏モモ肉が、1枚しかない。
きのこ、玉ねぎ、
ミックスビーンズでかさましして
鶏肉の量を誤魔化す作戦。
トマトで隠れてると思わせればと
分からないようにトマトで隠す。
こんな気持ちだったのかな、
「あめを粉の中に隠す担当の人」
これが思い出回想の始まり。