6-注目記事2

【注目記事】わくわくエンジン=ライフスタイルを探す/大学の授業を100分に拡張するとどうなる

土曜日は「注目記事とヒント」を書いています。

今回取り上げるのは次の2つの記事です。

11 わくわくエンジン=ライフスタイルを探す
12 大学の授業を100分に拡張するとどうなる

11 わくわくエンジン=ライフスタイルを探す

>>以下、記事からの引用

 たとえば、野球にわくわくする子が3人いたとします。大人はすぐに「野球選手になれば?」などと言う。でもそう簡単になれない。そうすると、小学生の頃は野球選手にあこがれていた子が、中高生になって「やっぱりダメかも」って思って自信をなくしてしまう。
 でもそれぞれによく理由を聞けば、Aくんは作戦や戦略を立てることがめちゃくちゃ楽しい。Bくんはチームで達成するために自分が役立っていることが楽しい。Cくんは、素振りとか筋トレ、自分の小さな成長を感じるのが面白い、と言う。
 私たち大人や先生は、野球選手というたった一つの職業につなげるのではなく、その子の内面にある理由をキャッチする観点をもつことが大切なんです。

<<以上、記事からの引用
https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20170426-00069685/

これがアドラー心理学でいうところの「ライフスタイル」です。それぞれの人が自分の個性と強み(わくわくすること)を使って、野球チームという共同体に所属することを追求しています。所属がうまくいかないと共同体での居場所がなくなり、「なんでこんなことやっているんだろう」という鬱々とした気持ちになります。

それを解消するためには、ここで提案されているようなワークショップをするのもいいでしょうし、またサビカス流のインタビューを受けるのもいいでしょう。アドラーの考え方を受け継いでいるサビカスは、小さい頃(小学生時代)にどんな仕事につきたかったか、憧れのヒーローは誰だったかということとその理由から、ここでいう「わくわくエンジン」を探していきます。

12 大学の授業を100分に拡張するとどうなる

>>以下、記事からの引用

 1コマの授業を90分から100分にする大学が全国的に増えている。明治大と芝浦工業大が今春にスタートし、法政大も来年度に始める。一つの科目の授業数を減らし、学生に不評な「休日授業」をなくしたり、夏休みを長くして留学を後押ししたりするのが狙いだ。討論や発表が中心の「アクティブ・ラーニング」を取り入れやすくなる一方、学生の集中力が持続するのかとの懸念もある。

<<以上、記事からの引用
https://mainichi.jp/articles/20170426/k00/00e/040/253000c

記事をよく読むと、15回が基準となっている授業回数を減らすことが主眼であり、100分に拡張することで得られる授業実施上のメリットは考えられていないようです。むしろ「1コマの時間が長くなれば、学生の発言の機会が増える。だが、集中力が続かない学生もいる。いかに学生をひきつける授業ができるか、ますます教員の手腕が問われる」ということになりますから、簡単に授業の質を上げることは難しそうです。

そもそも、ロバート・パイクの「90/20/8の法則」で言われる「研修や授業の1セッションは90分以内で終わるようにする」に反していますので、いかに面白い授業をやったとしても受講者の注意は続かないでしょうね。

それよりは、「90分授業(レクチャー中心)/15分休憩/90分授業(ワーク中心)」でワンセットにすればいいと思います。そうすれば授業日数は半分になります。また、既存の時間割を壊さずに適用できます。

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