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(067) ビジネス系YouTuberは最先端の自己啓発メディア

2020年8月17日(月)

私にとって、YouTubeは、BGMからニュース、お笑い、テニスのトレーニング動画にいたるまで、いつも開きっぱなしで利用しています。登録チャンネルも100を超えているはず。それほど定着しています。

YouTubeの動画にはこのように多種多様なジャンルがあります。その中で、ビジネス系YouTuberというニッチがあることに気づきました。

たとえば次のようなチャンネルです。

マナブ

イケハヤ大学

勝間和代が徹底的にマニアックな話をするYouTube

こうしたチャンネルが多くの登録者を呼び、動画もたくさん視聴されているのです。ファンの年齢層も幅広く、特に(コメントから推測されるように)若い世代の人たちが多いことが注目されます。

こうしたビジネス系YouTuberの動画に私もハマり、かなりたくさん視聴してきました(実際、面白かったのです)。そして、ああ、これは最先端の自己啓発メディアなんだなと理解しました。そのことについて書いてみたいと思います。

・ビジネス系YouTuberの語り口の特徴

もう、累積100本以上は見ているので、だんだんと特徴がつかめてきました。その特徴としくみは以下のようにまとめられるでしょう。

(1) 行動を起こすこと、それを続けること、努力とフルコミットを奨励する

このままずるずると生きていくだけでは何も変わらない。小さな行動を起こすことを奨励する。そしてそれをコツコツと(by イケハヤ)続けること。努力し、そしてそれにフルコミットすることを決心させようとする。その具体的なモデルとして「私はこうやっている/こうやってきた」を動画の中で提示する。

(2) 話の元ネタは、自分の体験談、苦労話、成功譚、そして本からのインプット

話題は、まずそれが多くの人の興味を引くことを第一に選ばれる。それは、成功するための条件だったり、こうすると貧乏になる、どうやったら魅力的になれるか、豊かな生活をするためにはどうすればいいか、など誰でも気になることが中心。それを独自の切り口で話していく。

そこでの元ネタは突き詰めれば自分の体験であり、苦労話であり、そして最後には成功したということである。また、要所で本からのインプットが挟まれる(本をとにかくたくさん読めと奨励する)。要点は明確だけれども、背景としての体系や理論がないところが特徴といえる。

(3) よく聞いてみると、ありふれた自慢話が半分

このような話は、よく聞いてみると、ありふれた自慢話が半分である。しかし、それが説得力を持つのは彼ら自身が成功者のモデル(たとえば「年収一億」)だからである。しかし、それを鼻にかけることはなく、むしろ彼らの生活スタイルのストイックさには驚かされるくらい。

ともあれ、彼らの動画は、成功した自分自身(とその資産)とその体験を材料として作られている。さらに、自由になる時間を使って、いろいろなことをやってみて、自分で実験していること(ライフハックから投資など)そのものがネタになる。

(4) 彼らは善意として活動しているし、ビジネスのインキュベーターの場でもある

彼らはただ自分が儲けるのではなく、それを共有して「皆さんが成長してくれれば」という思いで、YouTuberをやっている。しかも、その内容は「学校で教えてくれないこと」であり、それで自分自身が苦労したということが視聴者と共有する下敷きになっている。それが彼ら自身が語ることの動機にもなっている。

ビジネス系YouTuberとして活動するのは、それは多分そうすることが彼らにとって「楽しい」ことであるし、彼らの若い時の「何かの穴を埋める」ものだからかもしれない。もちろん、そこでタネをまき、次の自分のビジネスを展開するための情報収集でもあるし、アイデア出しの場でもある(だから最近になって有料のメンバーシップ制度によってファンを囲い込む傾向も出てきている)。

・ビジネス系YouTuberチャンネルでの自分探し

最初に掲げたビジネス系YouTuberの動画を1つでもみてみれば、それが面白く、魅力的で、しかも何らかの形で自分の役に立ちそうであることがわかるでしょう。だから私もハマったのですね。そのポイントは、

わかりやすい語り:とにかくわかりやすく、親しみやすく語る
わかりやすい実績:ときどき自分の年収やビジネスを紹介して、自分の後ろ盾となる実績を見せる
わかりやすい実物モデル:私の生活は具体的にはこうですよというモデルを明確に示す

ということにあるでしょう。このことによって、こうしたビジネス系YouTuberが、若い人たちのロールモデルとなりうるのです。その意味で、ビジネス系YouTuberは最先端の自己啓発メディアだろうと思います。

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