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ちはるのファーストコンタクト(2017年)

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2017年に書かれたマガジン「ちはるのファーストコンタクト」の記事をすべて収録しました。300本以上あります。
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#研究すること

研究の最初のステップは「素人」のように考え、そのあとは「玄人」として実行する。

火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています。 4月に入ると卒業研究のゼミや大学院のゼミが始まります。こうしたゼミで最初にやることは、研究のトピックを決めるということです。何を研究するのかが決まらなければ、研究はスタートしません。ですから当然やらなければならないステップです。しかし、研究トピックを決めるという最初のステップが意外に難航するのです。 「何を研究したいですか」と尋ねると、たとえば「動機づけ」とか「メタ認知」といったキーワードを挙げる人がいます。

¥100

アドラー心理学公開研究会を開催しました。「またもっと良い本を書いていこう」という気持ちになりました。

2017年3月20日 早稲田大学アドラー心理学研究会主催で公開研究会を開きました。この研究会の公開の催しには夏の「アドラーフェスト」があります。今回は、こうした公開研究会を増やしていきたいという意図も込めて企画しました。 同時に私の近著である『幸せな劣等感』(小学館新書, 2017)の出版記念会の意味合いも込めてみました。これまでに何冊も本を出版してきましたけれども、よく考えたら出版記念パーティーのようなものは一度もやってきませんでした(書店でのトークライブはありましたが

【お題拝借】きちんと学ぶには大学院へ行くしか勉強方法はないでしょうか?

2017年3月18日 土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いていますが、質問が来ていますのでお答えしたいと思います。 コメント欄からの質問です。このときの記事は「【本】市川尚・根本淳子編著『インストラクショナルデザインの道具箱101』」でしたので、「インストラクショナルデザインを学ぶには大学院か?」という文脈での質問と思います。 ここでは「どんな専門であっても何かをきちんと学ぶにはどんな方法があるか」について答えたいと思います。これは特に社会人となっている人が、何かを専

「深める/広げる/育てる」の3つの層で活動していく。

2017年3月7日 (火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています) 自分の勉強や研究を考えるときに次の3つの層を考えるとよいのかなと思っています。 1. 深める   自分の専門を深めていく。その専門に特化する。   専門と自分の興味のベクトルを合わせる。 2. 広げる   自分の専門とそれ以外の領域やトピックを組み合わせる。   意味のあるニッチ(隙間)、ニーズのあるニッチを見つける。 3. 育てる   自分の専門とニッチの仲間を見つけ、協力する。

卒業論文と修士論文の本当の意味

2017年2月4日 (土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いています) 卒論発表会と修論発表会がぶじ終わると、論文投稿モードに移行する。もちろんすべての卒論・修論が論文投稿のレベルにあるわけではないけれども、修士論文はすべて投稿を目指したいし、卒業論文の中からは良いものは投稿したい。 現状では、卒業論文は非公開であるし、修士論文は公開されるとはいえ、引用はしにくい。したがって、ジャーナルの論文として公刊されるのが一番いい。そうすれば、誰もが引用できる文献になる。そこまで

2年間にわたって取り組んできた自分の研究を10分間で伝えることで期待できる3つのこと。

2017年1月17日 (火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています) 卒業論文や修士論文を仕上げる季節となりました。私のゼミでも全員が首尾よく論文を仕上げることができました。 このあとは研究発表会で自分の研究をプレゼンする仕事が残っています。これが大切なのですね。 2年間にわたって取り組んできた自分の研究を10分間で伝えること。そのことで期待できることは、次の3つです。 1. 自分が取り組んできたアイデアが整理できる。 2. そのことによってこれか