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ちはるのファーストコンタクト(2018年)

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2018年に書かれたマガジン「ちはるのファーストコンタクト」の記事をすべて収録しました。300本以上あります。
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#アンケート調査

【研究】アンケート調査とインタビュー調査の切り口の違い

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は良い質問群をどのようにして作るかということを書きました。測ろうとする概念を決めたら、それについての意見や見方をできるだけ多様なものとして出していきます。そのためには複数の人たちが集まってブレーンストーミングという手法を使います。また、もし大勢の人にアンケートができるのであれば、自由記述で書いてもらうと質問項目を作るための良い材料になります。 そうすると1人の人にインタビューをするというのも特定の概念についての意見や

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【研究】良い質問項目を作る方法

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 ここまで、態度や信念をどのように測るかということを見てきました。多くの態度や信念は一次元のものではなく多次元のものであると考えられます。そうすると、それを測るためには多数の質問項目を用意しておくことが必要です。そうした質問群の構造を見出すために因子分析という統計手法があります。 しかし、因子分析も魔法ではありませんので、最終的には良い質問項目群をどのように取り揃えるかということにかかってきます。良い質問群からは明確な構造

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【研究】良い質問項目群の条件

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、因子分析という手法の目的と意味について書きました。態度や信念を調べるために多数の質問項目によるデータをとったあとに、その中で働いている軸(次元)を重要な順番に取り出していく方法が因子分析です。 このように書くと、因子分析という手法がまるで魔法のように自分が知らなかった未知の軸を見つけてくれるような印象を持つかもしれません。しかし、実際にはそんなことはありません。因子分析でやっていることは、もともと多数の質問項目か

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【連載】アンケート調査の基礎(第15回/最終回)まとめ

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。 今回で最終回です。アンケート調査を設計するときにどのように考えて、調査項目を決めていけばいいのか、そして得られたデータをどのように分析していけばいいのかについて説明してきました。 アンケート調査を設計するときに大切なことは、まず第一に、何を知りたいかということを明確にすることです。実態が知りたいのか、特定の仮説を検証したいのか、改善した証拠を明らかにしたいのか、など何を知りたいのかとい

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【連載】アンケート調査の基礎(第13回)質的なデータの分析

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。 頻度(回数)や度数(人数)、また「1=そう思わない」から「5=そう思う」のような尺度では、データは数字で得られます。このようなデータを量的データと呼びます。一方、自由記述で得られた文章やインタビューで得られた語りは数字では表せません。このようなデータを質的データと呼びます。 これまで量的なデータの分析について見てきました。今回から質的なデータの分析方法について説明します。 アンケート

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【連載】アンケート調査の基礎(第12回)量的データの分析手法のまとめ

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。 ここまで量的なデータの分析方法についてみてきました。 上にまとめたように、量的なデータの分析方法は、比較するということと関係(相関)をみるということです。 比較するための手法は、t検定と分散分析を知っておけばいいでしょう。度数の比較の場合は、直接確率検定とχ(カイ)二乗検定を使います。 一方、相関をみるための手法は、相関係数と回帰分析(単回帰分析、重回帰分析)を知っておけばいいでし

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【連載】アンケート調査の基礎(第11回)回帰分析によって複雑な現象を切り取る

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。定期購読者が増えるたびに、感謝を込めてその日の記事を全文公開にしています。 前回は2つの変数の関係を見るために、散布図を作りました。散布図の全体的なプロットを見ると、2つの変数の関係が読み取れます。もしプロットが右上がりになっていれば、1つの変数が大きくなるにつれてもう1つの変数も大きくなります。これを正の相関と呼びました。もしプロットが右下がりであれば負の相関です。 この相関の強さを数

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【連載】アンケート調査の基礎(第10回)量的なデータ分析:相関

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。定期購読者が増えるたびに、感謝を込めてその日の記事を全文公開にしています。 前回は、量的なデータを分析する最初のステップとして「比較する」ということを説明しました。平均や値は、比較することによってさまざまな推理や考察をすることができます。そのときに出てきた平均の違いについて、それが属性によるものなのか、それとも誤差なのかを判定することを「検定」と呼びます。 今回は「関係を見る」ということ

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【連載】アンケート調査の基礎(第9回)量的なデータ分析:比較する

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。定期購読者が増えるたびに、感謝を込めてその日の記事を全文公開にしています。 量的なデータ分析の第一歩として、ヒストグラムを描いて分布を確認します。そしてそれを端的に表す数値として平均(=average)と標準偏差(=stdevp)を表計算の関数で計算します。それが終わったらより詳しい分析に進みます。分析の方向には大きく分けて2つあります。それは「比較する」ことと「関係を見る」ことです。今回

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