5a-オトナの研究

【連載】アンケート調査の基礎(第10回)量的なデータ分析:相関

金曜日は「オトナの研究」のサブテーマとして「アンケート調査の基礎」の連載をしています。定期購読者が増えるたびに、感謝を込めてその日の記事を全文公開にしています。

前回は、量的なデータを分析する最初のステップとして「比較する」ということを説明しました。平均や値は、比較することによってさまざまな推理や考察をすることができます。そのときに出てきた平均の違いについて、それが属性によるものなのか、それとも誤差なのかを判定することを「検定」と呼びます。

今回は「関係を見る」ということを説明します。

関係を見るための最初のステップは、2つの変数の間の関係を調べることです。たとえば、2つの変数として、サークル満足度と大学満足度を取り上げるとすると、これら2つがどのように関係しているかを調べます。

比較する場合は、最初のステップとして分布の形をヒストグラムで見るということをしました。これに対して2つの変数の関係を調べるためには「散布図」というものを作ります。たとえば、横軸にサークル満足度を取り、縦軸に大学満足度を取ります。それぞれ10点満点だとすると、Aさんのサークル満足度が9で、大学満足度が8だとするとそれぞれの交わったところに点をプロットします。これが一人分のデータで、これをデータの人数分だけ繰り返していくと散布図が作成できます。

2つの変数の関係を見て、どちらかが大きくなるともう一方も大きくなるという関係を正の相関と呼びます。散布図でいうと、全体としてプロットが右上がりになっています。逆に、どちらかが大きくなるともう一方は小さくなるという関係を負の相関と呼びます。散布図でいうと、全体としてプロットが右下がりになっています。どちらの特徴も見られない場合は、全体にバラバラのプロットになります。これを相関なし、無相関と呼びます。

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