小木曽研究室の紹介
ここでは、小木曽研究室への進学を希望する方に向けて、主に大学院ゼミについて紹介したいと思います。小木曽の研究に興味がある方はホームページのWORKSやこのnoteの別の記事を参照ください。
小木曽研究室では「スポーツ・遊び・身体と人間の関係をテーマにした人類学/社会学」について研究指導を行っています。現在も、伝統(民族)スポーツや武術の文化変容、ドミニカ共和国の野球文化、学校体育のハビトゥス、美容(化粧)と身体など幅広いテーマで研究を行っています。また、各々が対象としている地域も台湾、中国、沖縄、ドミニカ共和国、広島など様々です。スポーツの語源とされるdeporatareというラテン語が「気晴らし」を意味していたのはよく広く知られていることですが、私たちの研究室でも「スポーツ」という言葉を緩く-それこそ”遊び”を残して-捉え、人間と種々の”楽しみごと”との関係について探究しています。
このように幅広い関心を持ったメンバーが集まる研究室ですが、全体を特徴づけるものを一つ挙げるとすれば、それはスポーツや遊びを通して、人間や社会について考えるという点です。スポーツそれ自体(これもまた重要なテーマではあるのですが)ではなく、スポーツ(遊び)をする人間(身体)を問うというのがこの研究室を貫くテーマであり、プロジェクトになります。
このようなsport (play) to thinkというべき視点は私自身のスポーツ経験に基づいていると思います。見た目からよく勘違いされはするのですが、私は別にスポーツが得意というわけではありません。むしろ、かなり凡庸だと言えます。スポーツは子どもの頃から身近にありましたが、その関わり方は人並みのものだったと思います。ただ、ある時からスポーツを通じて何か考え事をするのが好きになりました(というか自然とそうしていた)。高校時代は特にサッカーに魅せられました。今思えば、サッカーというある種のドラマを通して、人間の心や身体の深層に触れられそうな気がしていたのだと思います。というわけで、いつしかスポーツをするのではなく、スポーツを言葉で思考するということに惹かれていきました。
スポーツ人類学あるいはスポーツ社会学は、このようにスポーツを通じて人間や社会を考える学問です。その歴史はまだまだ浅く、発展途上にあります。小木曽研究室では、このような学問に相応しく遊び心を持って研究に取り組むことを大切にしています。