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#非婚差別 を学ぶ ~二宮先生の本
共同親権訴訟の活動費用を集めるクラウドファンディングプロジェクトが最終日を迎えた
オープン初日に最初の目標金額達成、その後も、支援が続き、集まった金額は300万円以上、220人を超えている。
11月22日に提訴する予定であることも明らかになった。
朝日新聞での報道は、海外向けにも発信されている。
子育ての権利を問うことを第一としているが、実は、非婚差別にも切り込んでいる。
非婚差別とは、「子どもがかわいそう」といった意識を生む制度の問題だ。
以前から二宮先生から学びを得ている。先日の学会でもご挨拶できた。
最新の下記書籍も販売していたが、サインをもらっておけばよかったと後悔する。
薄く読みやすく、現代における家族にまつわる法の課題を学ぶことができる。
二宮先生は、若者や多くの人に知って考えてもらうためにやわらく発信している工夫をされている。
個人の尊重から考えると題し、夫婦別姓、同性婚、生殖補助医療、不貞慰謝料、相続における法律婚の保護といったあらゆるテーマが盛り込まれている。
2章にあたる 「子どもがかわいそう」と親の生き方 を取り上げたい。
夫婦別姓に関する議論の提起に続く章である。
「子どもがかわいそう」は親の生き方、婚姻外で子どもをもうけるという選択を事実上抑制している。そればかりか、大切な子どもの生命をないがしろにする言辞でさえある。
穏やかな怒りを込めて、厳しい指摘をしているように感じられる。
憤っている。しかし、その背景にあるものを冷静に暴いていく。
人々は子どもは結婚してから産むもの、夫婦と子どもが標準家族、標準からはずれる家族は変であり、だから子どもがかわいそうと思う背景には、それを支えている法制度がある。
まず、婚外子に対する差別としてかつて存在したものを挙げている。
1.相続分
2.戸籍の父母との続柄記載
3.住民票の世帯主との続柄記載
4.児童扶養手当の支給要件
5.日本人父と外国人母の間に生まれた婚外子は、父が認知しても日本国籍を取得できない
こうした差別が、これらの場面にとどまらず、差別意識として根付き、人格的尊重をも揺らがせてきた。
相続分規定があっても、愛情は拘束されないし、遺言で対応できただろう、続柄記載など、日常生活で頻繁に気にするものでもなく、親子は親子として生活するならば支障がないだろう、いろいろな言い回しで長く温存されていただろう。
たかが記載、されど記載、である。
やはり区別があるということは、ぬっぽりとした差別意識が染み込んでいく。
訴訟等を通して、法改正が実現し、上記の差別は、いずれも過去のものとなったという。それでも、まだ、差別が残っているという。
6.婚外子の法律上の父子関係の脆弱性
7.法律上の父が確定しない場合があること。
8.出生届の「嫡出子」「嫡出出ない子」の記載欄
9.税の控除の有無
そして10番目として、
婚内子は父母の共同親権であるが、婚外子は、たとえ父母が事実婚で子育てをしていても、どちらかの単独親権である。
非婚であれば単独親権しかないということ、これは差別なのである。
共同親権ではないことの不都合の詳述は別にしたい。
二宮先生は、こうした、差別の温床について、厳しく意見している。
婚外子の相続分差別を違憲とした最高裁・・・決定は、・・・(規定の)存在自体が「その出生時から嫡出でない子に対する差別意識を生じさせかねない」と指摘していた。それにもかかわらず、・・・差別が温存されている。相続分は平等になっても、婚内子と婚外子は違うということを明示するかのように。
しかし、権利や地位に差別を受けていて、どうして子どもが自らの出生に誇りを持つことができるだろうか。母が自己の出生に誇りを持つことができるだろうか。婚外子差別は、当事者から人としての尊厳を奪う仕組みにほかならない。
差別とは闘わねばならない。
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