埼玉県の学力・学習状況調査報告書が面白い
埼玉県が新しい切り口の学力調査を行っています。
この調査の面白い点は以下2点です。
・生徒の伸びを評価していること
・結果を学級経営に活かしている
1.生徒の伸びを評価している
一般的な学力テストは、集団の中での順番を明らかにすることが多いです。例えば、中学3年生100人中50位!というようなものです。これだと、その子の集団の中での相対順位は分かりますが、その子の経年変化は分かりません。
そこで、埼玉県では、経年で結果を追えるような結果票に変えました(下記図)。
これだと、経年での成績変化が分かります。そして、結果コメントも前年と比較しての内容になります(下記表)。
伸びに着目したコメント欄なので、子どもも伸びを実感でき自信を持つことができます。
2.結果を学級経営に活かしている
学力テストとは別に、以下のような「学習方略」、「非認知能力」、「主体的・対話的で深い学び」についての質問紙を用意してあります。
それらの結果を題材にして、結果を出せているクラスの担任がどのような試みをしたかを抽出し、組織全体で共有することで、先生一人ひとりの学級経営力の向上につなげる仕組みです。
学力調査の多くは、相対評価でかつ、次に活かしづらいものが多い中、この埼玉県の試みは非常に面白いものです。ダイヤモンドオンラインの記事によると、OECDの調査官も興味を持っているのだとか(^^)。この試みが広く広がると良いですね。