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【第6回】 私立古賀裕人文学祭:募集要項


開会の言葉

 
 ご来場の皆様、本日は誇り高きそよ風のようにそよそよとお集りをいただき誠にありがとうございます、実行委員長の古賀裕人でございます、ざす。珈琲を飲んだ時の覚醒作用というのは人生最初の数杯でもう効果が出なくなるそうで、ままならない世界に心をバキバキに折られながら今日も元気に大会を始めていきましょう!

 それで本題ですが、皆さまの心には怒り、ございますでしょうか。

 わたくしはなんと言ってもこの怒りというやつが好きで、できれば純金のロケットに詰め込んで月まで飛ばしたいなんて、爆美女とベロチューするたびにそんなことを思ったりするんですが、歳を重ねるごとに怒りというのは気配を感じにくくなっちゃって、あれ、もういなくなっちゃったんじゃないの?どっか行っちゃったんじゃないの?なんて思ったりもするんですけれど、地味なカップに注がれた謙虚で美味い珈琲を飲んだ時とか、心を打つような良い絵を見た時とかね、あるいは道すがら金木犀の香りが鼻を撫ぜた時なんかには、ぐわっと!それはもう猛烈で強烈でとりとめのない怒りがね、湧いてくるんですよねえ!

 それでちょっと気になって母に電話をかけてみたんです、わたくしって、子どもの頃、怒ってた?怒ってたタイプ?って。

 そうしたらですね、駅を通過する全ての快速電車に「うるせえーーー!!!!」とブチ切れ、すれ違う歩行者の起こす小さな風圧が顔に当たるたびに「もう嫌だーーー!!!!」と言って泣いていたと言うのですよね。

 あまりにもままならない。

 あまりにもままならないわたくしを見て、母は、もしかしたらこいつあかんかもしれないと、何度も思ったというか、こいつを生かしておくことが世界にとっては損失になるのではないか、なんて考えたりもしたようですが、ギリギリセーフ!わたくしは今日も元気に生きております。

 人生振り返ってみれば、と言ってもまだ折り返し地点にも来てはおりませんが、それでもこれまでの旅路を思い返してみれば、忘れられない特別な怒りというものは確かにございます、ございました。

 確かに中学3年次だったと記憶しております。

 その時わたくしには特に仲の良い友人が二人おりまして、その内の一人、雄平という名前でしたが、わたくしは雄平が無性に好きでした。主に顔が。顔が好きでねえ。主に顔が好きだから特に仲良くしているという、世間一般でいうところの「親友」、というやつです。

 雄平にはそのとき彼女がいて、桃香という名前でしたが、桃香はわたくしにとっては親友の彼女、つまり邪険にはできないパスタの連れみたいなもんでした。

 桃香とわたくしは小学校が一緒で、わたくしが6年生の頃に付き合っていた顔の良い女、そいつは麻央里という名前でしたが、麻央里と桃香が親友同士であったため全く知らん女という訳でもありませんでしたし。

 わたくしは幼稚園の頃からとにかく静かで体格の良い理性的な女が好きで、声がデカい女、暴力的な女、同級生をいじめるような女、噂を流すのが好きな女はあまり好きではありませんでした。

 そこへ来て桃香はといえば、昔から声がデカく、暴力的で、気に入らない女はいじめるし、噂好きで、お洒落で顔が良く、奔放で乳もでかいという最悪の女でした。悪魔のようなゴリラですよ。

 とはいえ美ゴリラなのでわたくしとしても顔は好きですが、性根が腐っているのであまり積極的に仲良くしたいタイプではないというのが正直なところ。

 わたくしは当時雄平の顔が何よりも好きだったので、というか雄平の顔のために学校に通っていたので、二人の仲をそれはもう応援しました。雄平が桃香にメロメロのメロだったからです。骨抜きです。ほぼ歩くチキンナゲットですよ。その顔のかわいいこと!

 ケチャップ塗って食べちゃいたいくらいでしたねえ。

 わたくしは雄平の真顔も笑顔も照れ顔も正面も横も斜めも好きだったので、個人的に桃香のことをどう評価しているかは脇に置いておいて、彼女を褒め、相談にも乗ってやり、自分にとっても桃香が大事な人であるかのように接しました。人生ではじめてした努力かもしれません。

 三人で出掛けることもありましたし、半年くらいは仲良しグループ的なニュアンスの人間関係で彼らと過ごしていたわけです。

 ところがある日突然、本当に予見なくでしたが、突然桃香に呼び出され、「あんた私のこと好きでしょ?悪いんだけど迷惑だからもう付き纏わないで!」と、言われてしまったんです。

 青天の霹靂とはまさにこのこと。

 わたくしが?桃香のことを好き?

 まさか!

 その逆ですよ!

 わたくしは彼氏がいるのに自分の兄の友人と自宅でエロいことをする女は嫌いですよ!はっきり言って!軽蔑さえしているというのに!

 それがなぜこんなことに?

 上手く状況を飲み込めないままに次の日登校すると、教室で待っていた雄平に「人の女に手を出そうとするなんてお前最低だな」と言われ、それ以降クラスメイトは誰もわたくしと口をきいてくれなくなりました。その時付き合っていた顔の良い彼女にもフラれました。

 あの時の雄平の目。

 軽蔑と忌避を含んでわたくしを見据えたあの目!

 めちゃくちゃイケメンでしたねえ。

 思い出すだけでご飯三杯いけちゃいますよ。

 でも、惚れた女の話とはいえ、ちょっとはわたくしの意見も聞いてほしかったでござる。

 それから五年後、成人式のあとの同窓会で会った時、まだ怒ってましたねえ、雄平。話しかけてもひと言も返事してくれませんでした!

 15歳の頃はあんなにも美しかった雄平。

 まるで作りものみたいでした。

 お肌つるつるで、まつ毛が長くて、眉がキリっとしてて、眼光鋭かった雄平。

 お母さんと妹も同じ顔をしていて、冬はいつも軍手つけて登校してた雄平。

 頑張って勉強して入った高校は一年持たずに中退して、なんだか半グレみたいになっちゃってたね。

 5年ぶりにお前が視界に入ってきた時、あ~、なんかこいつ、行く店行く店のGoogleマップに☆1レビューつけて回ってそうな男になっちまったなって、そう思って、そう思ったらなんか泣けてきて、てか泣いて。

 同窓会解散してすぐ、当時顔が好きで付き合ってた松嶋菜々子にそっくりの彼女に電話して家まで来てもらって、朝まで良い子良い子してもらいました。

 そんな同窓会から早17年。

 なんの節目でもないですし、普段は当時のことなんてすっかり忘れて、毎日面白おかしくごろごろと暮らしております埼玉最高。

 でもね、Googleマップで、食べログで、FANZAで、☆1レビューを見かけるたび、ふと、あの眼差しを思い出すんです。

 憎しみの瞳、高鳴る鼓動。

 傷つくたびに若返る、それがわたくしのアラウンドフォーティー。

 後悔だけが、老いた身体で唯一接種できる心の栄養なんですよ!

 60分食べ放題で、ひとつよろしくお願いいたします。

 以上を開会の言葉に代えさせて頂きまして、#古賀コン6 、スタートでございます。


👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻 <ワーッ !


本文学祭のコンセプト

私立古賀裕人文学祭は「時給1万円の文学祭」をコンセプトに掲げております🐸

「1時間で書き上げた文章、優勝したら1万円」

テーマに沿って1時間で書いて出す!
それだけの企画です。

この古賀コンは何と言っても「体験型のイベント」

出す出さないは一旦置いておいて、ぜひ書いてみてください。

書いてみると、色んな発見があって、絶対に無駄な時間にはなりません。

無意識に出る手癖や、気づいてなかった嗜好、思いもよらない展開、そんな驚きが得られる1時間を、ぜひ楽しんでいただけたら幸いです。

それでもし具合が良ければエントリーしてみてください。

ラフにフランクに、どうぞ気軽に☺︎


応募方法

作品のご応募はTwitter(X)にDMいただくかメールでもお受付しています。

応募作品をご自身のnoteやブログ、あるいはTwitter(X)などに投稿して頂いて、そのURLを私まで提出下さい。
作品のどこかに「#古賀コン」「#古賀コン6」をつけてもらえたら嬉しいです!(もちろんつけなくても審査には影響しないのでご安心を☺︎)

提出先はTwitter(X)のDMか下記メールアドレス好きな方をお選び下さい。
※Twitter(X)は相互フォローじゃないとDM送れないのでぜひフォローして下さい~☺︎

応募時に教えて頂きたい情報

① 筆者名(ふりがなも!)
② 作品のタイトル(タイトル大事です!)
③ 作品のURL(掲載先に指定はありません、ご自由に!)

応募先 1:Twitter(X)

https://twitter.com/koga_hiroto_13

応募先 2:メールアドレス

kogabungaku@gmail.com

※メールかDMでの参加表明をもって「エントリー完了」となります。お気をつけください。


優勝作品の選定と各賞概要

ご応募頂いた作品は古賀が責任もって拝読し、優勝作品および各種優秀賞を選定致します。

前回の結果発表記事はこんな感じ↓

「最優秀古賀賞」とは
・最優秀作品に与えられる賞で、今回の優勝作品です。
・嘘偽りなく真っ直ぐに私の胸を打った作品に授与します。
・魂が震える作品、お待ちしております。
☆賞品:アマギフ1万円分

「裕人賞」とは
・優秀作品に与えられる賞です。
・私の文学的琴線に触れた作品の中から、
・特に言葉や文章の魅力を重視して選出します。
☆賞品:何かわたしっぽい粗品

🐸賞」とは
・優秀作品に与えられる賞です。
・私の文学的琴線に触れた作品の中から、
・特に構成や着眼点の面白さを重視して選出します。
☆賞品:何か🐸っぽい粗品

「🍁賞」とは
・優秀作品に与えられる賞です。
・観覧者による人気投票で最多得票であった作品に授与します。
・最優秀古賀賞/裕人賞/🐸賞とのダブル受賞も有り得ます。
☆賞品:何か🍁っぽい粗品


本文学祭に関する注意点

※本件は古賀裕人による私設文学祭であり、最優秀古賀賞を受賞されてもキャリアに箔はつきません。
※審査は古賀裕人単独で実施いたします。
※それでも良いよと面白がってくださる方のみご応募頂けましたら嬉しいです。
※エントリー頂く作品数に制限はありませんが、持ち時間は1人1時間です。1時間以内に複数ご執筆頂いた場合には、全てまとめてご提出ください。ただし作品数自体は選考に影響しません。
※提出頂いた作品の著作権は100%著者にあります。が、もしこの企画が長続きして、作品集作ろうよってなったらその時はまた相談させて下さい!
※古賀コンは募集要項も応募作品も結果発表も誤字脱字だらけで毎回お送りしております。もし見つけたら優しく教えてね☺


応募いただける素敵な作品

ジャンルは不問です。
小説、エッセイ、短歌、官能、殺生、なんでもOK。
NG項目はありません。
セリフ有なら漫画も可!

ただし募集期間内に1時間で書き上げた新作に限ります。(字数制限なし)
また後述する課題テーマが作品に盛り込まれていることが条件です。
テーマは開催回によって変わるので、毎度チェックよろしくお願い致しますね。

また規定の「1時間」をどう捉えるか、テーマをどう扱うかなどは、全て執筆者の方の自己判断にお任せ致します。自分が1時間だと思ったらそれが1時間なのだ!

※「持ち時間」が1人1時間です。1時間以内に複数の作品をご執筆頂いた場合には全てまとめてご提出ください。


応募いただける素敵なあなた

年齢性別国籍問わず、どなたでもご参加頂けます。
ただし、過去に支払いを受けた原稿料を時給換算した時にその時給が1万円を超えたことがある方は参加ご遠慮下さい。


募集期間

2024年9月26日(木)21時 
  ~ 同年9月30日(月)21時 迄

※募集期間は毎回あえて短めに設定しますのでご注意下さいませ!

◎それ以降のスケジュール
・9月30日(月)22時頃~10月4日(金)13時迄:人気投票受付期間
・10月4日(金)19時頃:結果発表
・10月9日(水)21時〜:古賀コン6後夜祭@Xスペース


第6回私立古賀裕人文学祭テーマ

今回のテーマは、、、

「 架空 “☆1” レビュー 」


とします。
このテーマをどう解釈するかはあなたの自由!
架空とは何かとかも全部お任せします!
好きなものありったけ詰め込んだ作品、ぜひ読ませてください。

ご応募お待ちしておりまーーーす!(/・ω・)/


ご観覧の皆さまへアンケート投票のお願い

今回も人気投票、実施いたします。
「ええな〜これ!これええな~!」と思ったものに一票ご投票を頂けましたら幸いでございます。
もちろん全ての作品をご覧になる必要はありません。
気になって覗いたものの中から、「あなたの一番」を教えてください。
ご協力のほどよろしくお願い申し上げます☺

以上

主催者プロフィール

古賀 裕人(こがひろと)
博士(芸術学)、演出家、ビジネスコンサルタント

東京生まれ東京育ち現埼玉住み孤高の36歳。
専門は演技論、社会心理学、対人コミュニケーション、食べ歩き。
Xで仲良くなるとすぐ飲みに行っちゃいます。
最近は娘がクラスメイトの男子のダル絡みちょっかいにマジギレした話を聞かされ自身の幼少期を反省しきりの毎日。
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」というドラマが好きすぎてもしかしたら一番好きかもしれない好き好き好き好き好き好き好き好きすぎるかもしれない。
最近面白い漫画に出会えていないのでオススメあれば教えてください。

ぴゅん!


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