甲府駅から5分でフランスに行けます
こんにちは、甲府市地域おこし企業人の鈴木です。
今回はちょっと早めの夏休みを利用してフランスに旅行に行ってきたので、そのことを記事にしようと思います。
・・・嘘です。でもでも、どことなくフランスっぽいというか異国情緒たっぷりの場所じゃないですか?実はここ、「SADOYAワイナリー」という甲府市にあるワイナリーなんです!こんな素敵な場所が甲府市にあったんですね~(失礼)。
県外の方、
「山梨行ってみたいしワイナリー行きたいけど車運転できないし~そもそも車だったらワイン飲めないし~」
とか、そんな言い訳はもう通用しませんよ!
SADOYAさんは甲府駅から徒歩5分なので電車で来れます!車不要!ワインが苦手な方には絶品ぶどうジュースもあります!というわけで車運転できない方もワイン飲めない方もウダウダ言わずにぜひ来ましょう。
まず冒頭の写真でもお分かりいただけるように敷地の雰囲気がめっちゃ素敵。それもそのはず、なんと敷地内にはワイナリーだけでなく、レストランと結婚式場まであるんです。
・・・え、待ってワイナリーでの結婚式とかめっちゃおしゃれじゃない?フラワーシャワーならぬワインシャワーとか浴びれちゃったりして…(浴びれない)
というわけで今回はSADOYAの波多野さんに、普段案内されているワイナリーだけでなく、レストランや結婚式場も案内していただきました!それではSADOYAワイナリー潜入レポートのはじまりはじまり。
時間のかかるシビアな世界
まずはワイナリーから。と、待ってください!入り口のドアが樽風!!
いいですね~、こういう遊び心ある仕掛けをみるとテンション上がりますね。
樽(入口)の写真を撮り終えたとこで、中へ。最初に見せていただいたのは、50~60年ほど前の古~いワインが眠る保管室でした。
2枚目の写真右上の棚にはよ~く見ると1955と書かれたラベルが。ということは60年以上前!
(これだけの古いワインが眠っているなんて相当な資産価値なのでは…??)
と思っていると、「いくら出せば買える?と聞いてくださるお客様もいらっしゃいますが、残念ながらお金をお支払いいただけばお渡しできる、というものではないんですよね~」と波多野さん。
そりゃそうだ。長い年月をかけてSADOYAさんが大事にしてきたワイン、プライスレス。カネのことを考えてしまった自分が恥ずかしい…
ここに眠っているワインももちろん飲むことができるのですが、ワインはモノによっては寝かせずに早く飲んだほうが良い種類もあるそうです。
一般に欧州系のワインは寝かせて時間を置いた方が味わいが深くなって美味しく飲め、逆に山梨の代表的な日本ワインである「甲州」「マスカットベーリーA」などは早めに飲んでしまったほうが良いとのこと。種類によって味のピークを迎える時期が違うんですね~。
私は「じっくり寝かせる」とか「我慢」が割とできない方で「早く飲みたい!」って多分なってしまうので、欧州系ワインの味のピークに出会うのは難しそうです(笑)。
さらに進んでいくと、大量の一升瓶が!
日本酒や焼酎も造っているのか・・・???と思いきや、これもワイン。樽で熟成させた後にさらに一升瓶で追熟させているんだそう。
波多野さん曰く、「一升瓶は通常瓶よりも、ワインの容量に対しても空気に触れる面積が小さくゆるやかな熟成になり、香り高く奥行きのある上品なワインに仕上がるんです」とのこと。
なるほどなるほど…ほんのちょっと空気に触れる面積が変わるだけでも味が変わってしまうんですね…ワイン造り、シビアな世界だ…。
赤と白はどう違うの?
次に赤ワインと白ワインの造り方の違いを教えていただきました!
赤ワイン…茎を取り除いてから粒ごと発酵→圧搾してワインを絞る
白ワイン…まず房ごと圧搾して果汁を搾る→果汁を発酵させる
という感じで、発酵と圧搾の順番と、圧搾時に茎を取り除くか否か、という違いがありました。なるほど、粒ごと発酵させるため、赤ワインのあの色はぶどうの皮の色が抽出されて残ってるということなんですね~。
道理でなんとなく赤のほうが渋い感じがするわけだ。
ワインのプールに溺れたい
続いて、いくつか小部屋が続くところに案内いただきました。
お風呂のタイルのような壁と床、壁に貼られたワインの品種案内。中央には人型のパネルがぶどうを砕いて果汁を搾り取る風の道具とともに立っています。ここは…?
コンクリートタンク室…??
「昔はここにワインを蓄えていたんです」
・・・え?そうなの?樽じゃなくてこの部屋に??
「あそこがワインを地上から注ぐときの注ぎ口です」と言われ、波多野さんが指をさす方を見てみると…
あれか!あの角か!まじか!
昔はこの部屋になみなみとワインを溜めて熟成させていたんですね…!さながらワインのプール。ワイン風呂。ワイン好きにはたまらない夢の空間の誕生です。
ところで、本当にワインのプールがあった場合人間は浮くんでしょうか?気になって少し調べてみましたが、ワインの比重はほぼ水と同じだそうなので、もしかしたら普通に浮くかもしれません。でもワインにはアルコールはじめいろんな成分が入っているので、それらが何らかの影響を及ぼしそうな気も…。
と思っていろいろと、本当にめちゃめちゃ計算したのですが、残念ながらこれ以降の考察を書くにはこのnoteは余白が少なすぎますし、そもそもSADOYAさんの紹介記事ですし・・・。
どこぞの偉い方に任せるとしましょう(汗)。
そして部屋の角、足元の方にも穴というか小さなドアがありました。
ここはなんと作業員の方の出入り口!
いやせっま。ちょっとでも太っちゃったらもう出入りできないやん。でもワイン造りを仕事にしてたらお酒や美味しいもの食べる機会もたくさんありそうで、食べすぎないよう自制するのが大変そうだ…とか勝手に思ってました。
部屋の中にはこんな写真も。
SADOYAさんは自社で農園をもっており、1936(昭和11)年に開墾したそうです。これはその開墾当時の写真で、その後試行錯誤を重ね、日本で初めての本格辛口ワインの醸造に成功します。それが今のSADOYAさんの代表商品にもなっている「シャトーブリヤン」。赤と白の両方がありますが、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、白はセミヨンというぶどうから作られるみたいですよ~。
この小部屋は大きさの違うものがいくつかありますが、ぶどうの収穫量や品種に応じて使い分けていたそうです。
2枚目完全にバイオハザードやん。この小さいドアが各小部屋との出入り口です。今回は波多野さんのご厚意でこの小ドアに身をくぐらせていただきましたが、175センチ65キロ、中肉猫背を自負している私でも結構キツキツでございまして、上半身をつっこんだ段階で疲れてしまったので諦めました。部屋の中はじっくり、ねっとり観察させていただいたのでよしとしましょう。(普段のワイナリー見学ではできませんので悪しからず…)
人生も振り返れちゃうワイナリー
見渡す限りの樽!ついにザ・ワイナリーな景色の部屋にやってきました。
ところでワインの醸造になぜ樽を使うか、ご存知ですか?
…考え中…考え中…考え中…オワリ!
また世代がばれそうなネタをぶっこんでしまった。
答えは、「ワインが樽と接触することにより木のタンニン(渋い成分)や香りがうつって深みを出せる」からでした!
また、先ほど紹介したコンクリートタンクの部屋と比べると密閉性が低く、空気に触れることで酸化が促されて味わいが濃くなるのも理由の一つだそう。
狙いたい味に応じて酸化のスピードも調整しないといけないとなるとめっちゃ大変…!ワイン造りに従事されている方々のたゆまぬ努力や研究で美味しいワインが出来上がっていくのだ…ということをひしひしと感じます。
大体この樽1つでビン300本分のワインができるとのこと。そして樽には醸造を開始した日付が書かれていました。
この2つは平成26年に醸造を開始したもの…ということは、今から約7年前!おお~なんだかロマンチックですね…。
こう、星を眺めているときに、「ぼくらが今見ているあの星は○○年前の姿なんだよ」的な。夏の天体観測!エモい。午前2時、踏切に、望遠鏡をかついでった♪・・・・・・また脱線してしまいました、失礼。
それでも、中々これだけの年月をかけて作られるものの過程を目にすることは普段あまりなく、じっくり7年かけて美味しくなっていくワインに対して、私はこの7年で何か成長したかなあ…(吐血)と自分を見つめなおす機会にもなりました。
もちろんワイナリー見学の最後にはワインの試飲もさせてもらえますが、ワインだけでなくこれまでの人生のテイスティング(?)もさせてくれるSADOYAさんに感謝カンゲキ雨嵐。
豪華絢爛な式場とレストラン
他にも戦時中に海軍の関連施設として使われていた話など、興味深い話をたくさんしていただきました!(気になる方はロッシェル塩で調べてみてください)
さて、ワイナリーを後にして、レストラン、そして結婚式場も見せていただきました。
どこを撮ってもステキステキのオンパレード。シャッターを切りながら卒倒したのはいうまでもありません。
レストラン「レアル・ドール」では地元食材を使った優雅でリッチなランチが楽しめます。山梨県のグリーン・ゾーン認証を受けているので、衛生面も安心安全です。
そして結婚式場。
はえ~~~…ドラマで見たことある場所(みたい)だ…。
僭越ながら私、結婚式というものにこれまで参加したことがなく、人生で初めて式場に足を踏み入れてしまいました。
鈴木「テレビや写真でしか見たことなかったんですが本当にこんな感じなんですね…」
波多野さん「そうですよ~、ちなみに鈴木さんはいつここで挙げていただけそうですか?」
鈴木「・・・」
こうかは ばつぐんだ!! すずきは たおれた
那須川天心もびっくりの超光速左ストレートが炸裂、人生初のリング(式場)は1stラウンドKO負けですありがとうございました。
披露宴のコースや待合の時間でもSADOYAさんのワインが飲めるそうで、これはワイナリーならではのおもてなしですね!
ワイン造りのおもしろさ
「最近は暑い年が多く、これまでのように美味しいワインを作るのもなかなか難しくなってきました」と話す波多野さん。
それでも、年ごとの天候や気温は1つの個性であり、その個性をいかに引き出してその年ならではのワインを作るか、を常に考えていらっしゃるそうです。
毎年毎年絶妙に味が変わり、同じものは二つとない「ワイン」を追及していくのはたしかにとっても面白そう。
「昔よりは敷居が下がったとは思いますが、もっともっと多くの人に気軽にワインを楽しんでほしいです」とのこと。
出張帰りにでも旅行帰りにでも、甲府駅の改札をくぐる前に、家へのハンドルを握る前に、ふらっと立ち寄ってみてくださいね。