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ことば

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言葉に関係する記事を集めました。
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#本

【校閲ダヨリ】 vol.76 言葉の力

みなさまおつかれさまです。 とうとう、年一回の更新になりつつありますが、それが現在の私の身の丈に合ったペースかなと思っています。 初頭五餅校閲事務所を起こしてから、全て一人でやっておりますので、目の健康やワークライフバランスを考えると、 「釣りに行きたい」気持ちはないがしろにできないのです。(笑ってください) 幸い、言葉が廃れたり、言語事項の潮目が変わるまでには多くの時間を要しますので、いままでの記事もしばらくは問題なく使えるでしょう。 たくさんあるので、字引き感覚で都

【校閲ダヨリ】 vol.74 フィルターバブルとエコーチェンバー

みなさまおつかれさまです。 今回は、最近私が「意識しつつ回避しようとしている」2つの状態を示す言葉、「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」についてお話しします。 私の認識では、どちらも近年聞かれるようになった単語です。 そして、恥ずかしながらいままでどちらかというと「どうでも良い」と感じていた言葉でもあります。 しかし、Twitterをはじめた昨年12月以降「もしかしてこれのことか?」と思うことが増え、「この状態が常になってしまうのはどうなのだろう?」と考えるようになっ

【校閲ダヨリ】 vol.73 「栗」はなんと発音するか(アクセント)

みなさまおつかれさまです。 ようやくひと段落つきまして、気がつけばゴールデンウイークも中盤でございます。 あまり天気がパッとしませんが、みなさまは連休いかがお過ごしでしょうか。 今回は、東京時代、私がよく部下から指摘された「発音(アクセント)」に関するお話です。 少し恥ずかしいですが、まずはその背景をご説明いたします。 東京は世田谷の会社で働いていた当時、部下と話しているときに、何かの流れで「栗」という単語が出たんです。 たとえばこんな感じです。 このあと、その人

【校閲ダヨリ】 vol.70 「怒ったりしてごめん」に指摘を入れるのですか? 接続助詞「たり」

みなさまおつかれさまです。 慌ただしく毎日が過ぎ、いつの間にかもう3月です。 笑ったり泣いたりできる日常がいかに尊いものかを意識せずにはいられない今日この頃。 言葉の仕事をしている私はどうしようもない無力感を覚えているのですが、孔子の「近き者は説(よろこ)び、遠き者は来たる」に立ち返り、自分の周りからあらためて「言葉の大切さ」や「言葉で生きやすさが変わること」を伝えていきたいなと考えています。 相手に伝えたり、相手から伝えられたことを理解して未来(近くても遠くても)の

【校閲ダヨリ】 vol.69 残したい日本語 その1 「魔法瓶」

みなさまおつかれさまです。 立春は過ぎましたが、暖かさと出合えるのはまだ先かなと思わせる寒さですね。 私は花粉症なので、暖かくなればそれはそれでつらく、だいたい一年中、なにかしらストイックな環境に身を置いている気持ちなのですが、よく考えればみなさまと同じでございました(笑)。 言葉で、自分にご褒美をあげながら生きています。 ともあれ、例年に比べ雪がかなり降っているようですので、該当地域のみなさまは、雪下ろし、雪かき、スリップなど、お怪我なくご安全に過ごされますよう、心

【校閲ダヨリ】 vol.68 「〜たち」を「〜達」と書いてはいけないのか。

みなさまおつかれさまです。 早くもSNS疲れを催している伊藤です。(本当に早い) なんというか、「人それぞれの意思」が流れ込んでくる感覚で、MARVEL作品ヒーローたちが最初に経験する「苦しみ」にオーバーラップしているようです。 なるほど。 超えたら強くなれるのですね。(そんなに上手くいくか) 多様性に触れられるのはありがたいので、今後もマイペースでSNSと付き合っていこうと思います。 さて、Twitterは多くの「言葉の話」に出合える場として私にとってとても有益

【校閲ダヨリ】 vol.67 国語の「習熟」について考えてみる

みなさまおつかれさまです。 またこうして記事を書けることが、とてもうれしいです。 さて、12月29日の記事でお知らせいたしましたが このたびTwitterとInstagramにアカウントを開設したのです。 Instagramはプライベートでもそこそこ稼働していたので自分にとって目新しい出合いはほとんどなかったのですが、異次元だったのがTwitterです。 情報量のなんと多いことか! 更新するたびに流れてゆくタイムラインは、言葉の川のようです。 職業柄、また私の興味・関

【校閲ダヨリ】 vol.66 お買徳な話

みなさまおつかれさまです。 少しハードなテーマが続いたので、しばらくはゆったりとした回にしたいと思います。 今回は、まずみなさんに一枚の写真をご覧いただきたいです。 とあるスーパーで私が撮影したものです。 なんだ、ただの鯛好きか。 いや、まあ鯛は好きなんですが(迷った挙句買いませんでした)、見ていただきたいのはPOPの上部です。 「更にお買徳」とありますよね。 それがどうした? お買徳は、通常「お買得」や「お買い得」などと書かれますよね。 ああ、そういうことか

【校閲ダヨリ】 vol.65 僕の夏休みの自由研究④(計量言語学の手法Ⅲ)※難

みなさまおつかれさまです。 最終回に来て予想外の確認事項が発生し元の文献を取り寄せることになり、作成に時間がかかってしまいました。 計量言語学ではじめたときには、まさかこんなに長いものになるとは想像だにしていなかったのですが、ようやく今回で終幕です。 前回は、3つある計量語彙論の本質に迫る法則のうちひとつを紹介しました(Zipf(ジップ)の法則)。 ここでは、残りふたつを取り扱いたいと思います。 2.【樺島の法則】 I=a×(eの-bN乗)M=c-dNV=100-I-M

【校閲ダヨリ】 vol.64 僕の夏休みの自由研究③(計量言語学の手法Ⅱ)※難

みなさまおつかれさまです。 前回は、「コーパス」という単語調査ツールがちらっと登場したところでお話を終えたかと思います。 コーパスとは、英語では「corpus」と書き、「(文書・法典などの)集成、収集」という意味がある単語です。ちなみに次に立つ意味が、「体(body)、(特に犯罪の客観的な証拠としての)死体」だったりする少々不気味な単語であることは、辞書で調べるまで知りませんでした。(これだから言葉の研究はやめられないのです) さて、こと日本において「コーパス」という単語

【校閲ダヨリ】 vol.63 僕の夏休みの自由研究②(計量言語学の手法)※やや難

みなさまおつかれさまです。 夏休みの自由研究としておきながら、すっかり新学期、涼しい季節になってしまいました。 とはいえ私は自分に課した課題を終えなければなりません。 今回から、いよいよ計量語彙論の具体的な手法に関してまとめていきます。 さて、前回お話しした通り、計量言語学は「データを集めるところからスタート」する学問であります。 ……しかし、ある程度ターゲットを絞る必要はあります。 たとえば、「近代文学の文体的特徴」を調べたいと思えば対象は近代文学のみでよいですし、「

【校閲ダヨリ】 vol.62 僕の夏休みの自由研究①(計量言語学への招待)

みなさまおつかれさまです。 世間では夏休みの期間ですね。 私もささやかな休日を取得することができましたので、久しぶりに気の赴くままに調べたいことを調べてみました。 今回は、個人的な自由研究の発表です。 テーマは、「計量言語学」。 言語学のいち研究分野なのですが、実をいう私もほとんど馴染みがない世界で、ゼロからのスタートです。 みなさんがイメージする言語学は、多くの場合「表現に関する考察」など、扱いたい事象を取り立てて、先行研究などとの比較から論を構成するものなのではない

【校閲ダヨリ】 vol.61 補助動詞を閉じるか開くか(後編 —ワールドワイド—)

みなさまおつかれさまです。 前回は「形式用言」の「用言」部分の解説で終わってしまいましたが、 本論はこれからです。 「ちょっとコンビニに行ってくる」「もう少し静かにしてほしい」の「くる」「ほしい」はそれぞれ補助動詞、補助形容詞と呼ばれるものですが、今回は合わせて取り扱いたいので、まとめて言い表せる「形式用言」という言葉を以降使っていきたいと思います。 さて、時代を義務教育期間、漢字を習いはじめた頃までさかのぼると 「習った漢字は使いましょう」という教えが思い出される方もい

【校閲ダヨリ】 vol.60 補助動詞を閉じるか開くか(前編 —体言・用言—)

みなさまおつかれさまです。 私の少年時代は「夕立」といって30分くらいで収まる激しめの雷雨があり、風流な季節イベントのひとつでしたが、 近年は乱暴としか言いようのない豪雨が各地を襲っています。 被災地のみなさまのご心情をお察しするとともに、お亡くなりになられた方々へ心から哀悼の意を表します。 一日も早い復旧を願ってやみません。 ここで少し、「夕立」について解説をしておきましょう。 言わずもがな、夏の季語である「夕立」ですが、古くは『万葉集』に と記載があり、約1300年