太宰治のキレッキレ文体
6月19日は桜桃忌。小説家、太宰治が死体で発見された日だそうだ。不思議な事にこの日は彼の誕生日でもある。いろいろドラマな人だなぁ。
実は、太宰治をそんなに読んだ記憶がなかった。ステイホーム期間中に何気なく青空文庫で読むものを探していたら、太宰の「斜陽」に出会った。読み始めたら止まらなくなった。
文体がキレッキレじゃないか!ひきこまれた。今、読むと戦後の混乱が少し想像できる気がした。ブックオフで短編集を1冊買ってきた。「桜桃忌」という日の名前の由来になっている「桜桃」がその中に入っている。
斜陽もスゴいけど、桜桃もまたまたグルーブがスゴい!小説はストーリーも大事だけど、私にとっては文体が大事。太宰の文体は「好き」とか言うレベルじゃない。間違いなく名文だ。最初の数行で分かる。なんで今までちゃんと読んでこなかったんだろう。
趣味で朗読を7年続けている私は声に出して読んでみた。楽しい。ステイホーム期間にしなびかけていた生きるチカラが蘇った。しかし、名文に自分の朗読が負ける。何度も何度も練習してみた。少し納得できるようになったし、せっかくの桜桃忌だ。録音してTwitterに投稿した。冒頭3分と少しだけ。ぜひ太宰の文体のうねるグルーブを味わってみてほしい!
ちなみに、朗読と一口に言っても、俳優さんが舞台でやる朗読から、図書館の本を音声化したモノまで、様々なタイプがあります。
この録音では、初めて耳で聞いた人にも分かりやすいように少しゆっくり目に読んでいます。この小説の主人公がどんな人物なのか、どんな風景か、ぜひ想像して思い描きながら聞いてみてください。
この文体のどこがキレッキレなのか、は、また機会を改めて書きたいと思います。
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