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横浜地方裁判所管内暴行被疑事件及び大阪市北区堂山町傷害被疑事件第2回公判 1

おことわり

 第1回公判の記事で未公開のものが残っていますが、第2回公判と並行して公開していきます。

弁護人と被告人の入廷

 傍聴人の入廷時、検察官二人と神原元弁護士が所長を務める武蔵小杉合同法律事務所所属の永田亮弁護士のみが在廷し、裁判官、神原元弁護士、上瀧浩子弁護士、伊藤大介被告人、北島直樹被告人が入廷しました。その後、一人目の尋問が終わって、途中休憩が入って、被告人、弁護人が退廷し、休憩終了後に再度入廷することになるが、そこでも北島直樹被告人より伊藤大介被告人が先に入廷するという順序は変わりありませんでした。これから考えると、伊藤大介被告人と北島直樹被告人との間の上下関係ははっきりしているようです。ひょっとしたら北島直樹被告人の弁護士費用を伊藤大介被告人が負担しているのかもしれません。

尋問 証人 映画「沈黙 立ち上がる慰安婦」プロデューサー弁護人尋問その1

 証人尋問にあたり、法廷に遮蔽措置がなされており、証人は傍聴人の入廷時にはすでに遮蔽された証人席に座っていました。

 証人の宣誓及び裁判長による知っていることを隠したり記憶と異なることを証言すると偽証罪に問われるおそれがあることの注意がなされました。

永田亮弁護士「証人は、映画『沈黙』のプロデューサーで、監督の娘さんということでよろしいですか。」
プロデューサー「はい。」
永田亮弁護士「今回の茅ヶ崎市での映画上映にあたって、手続きややりとりは茅ヶ崎市と行っていたわけですね。」
プロデューサー「はい。」
永田亮弁護士「これまで映画が上映されたのはどこですか。」
プロデューサー「2017年に渋谷のアップリンクで上映が行われ、その後福井県おおい町でも上映が行われました。」
永田亮弁護士「それらの上映で抗議がなされたことはありましたか。」
プロデューサー「福井県おおい町での上映で、桜井誠が映画が上映されることをアップロードし、上映の会場に中止しろという苦情が殺到したことがありました。」
永田亮弁護士「そのようなことがあってどうなりましたか。」
プロデューサー「館長が不安になってポスターを剥がしたり、告知ができなかったりしました。」
永田亮弁護士「当日はどうでしたか。」
プロデューサー「日本第一党の2名がビラを撒いたり怒鳴り散らしたりしました。」
永田亮弁護士「それはどのような内容でしたか。」
プロデューサー「慰安婦は売春婦であるとか日韓合意違反であるとか捏造であるとかです。」
永田亮弁護士「映画は上映することができましたか。」
プロデューサー「はい。」
永田亮弁護士「渋谷での上映で妨害行為はありましたか。」
プロデューサー「在特会の江川まりがネットで触れました。渋谷のアップリンクの地図や行き方をアップしたため、支配人が警戒していましたが結局抗議に来る人はいませんでした。」
永田亮弁護士「抗議については予想していましたか。」
プロデューサー「母は35年間映画制作に携わってきて今回の映画が4作目ですが、抗議を受けるということはこれまでありませんでした。」
永田亮弁護士「展示に関しての抗議はありましたか。」
プロデューサー「はい。名古屋の写真展で抗議がありました。中止しろという抗議が来て新聞報道されたことがありました。」
永田亮弁護士「渋谷以外ではどこで上映されていたのですか。」
プロデューサー「ミニシアター10館と自主上映6か所です。」
永田亮弁護士「福井以外で抗議がなされたことはありましたか。」
プロデューサー「いいえ。」
永田亮弁護士「なぜ茅ヶ崎市で上映しようと思ったのですか。」
プロデューサー「茅ヶ崎市は生まれ育った場所でもあるので、新作は是非茅ヶ崎でやりたいと思っていました。」
永田亮弁護士「茅ヶ崎市で上映したいと考えた理由は他にもありますか。」
プロデューサー「横浜の上映を観た人から是非茅ヶ崎市でもやってほしいという依頼もありました。」
永田亮弁護士「10月16日の上映はいつから準備されましたか。」
プロデューサー「4月頃からです。」
永田亮弁護士「茅ヶ崎市の後援名義はありましたか。」
プロデューサー「はい。」
永田亮弁護士「茅ヶ崎市の後援名義があるとどのようなメリットがあるのですか。」
プロデューサー「市民文化会館の使用料の減免があったり、映画の上映が掲示板で宣伝できたり、チラシを置くことができたりなどのメリットがあります。」
永田亮弁護士「どのようにして準備を進めましたか。」
プロデューサー「4月にチラシを作成し、8月に告知を始めました。」
永田亮弁護士「抗議はいつ頃から行われましたか。」
プロデューサー「9月20日過ぎです。捏造慰安婦映画の後援を茅ヶ崎市が行ったことに抗議すると電凸(※筆者注 本当に「電凸」と言っていました。)があり、後援名義を取り消せと茅ヶ崎市と市民文化会館に抗議がありました。」
永田亮弁護士「抗議の件数はどれぐらいでしたか。」
プロデューサー「800件ぐらいです。」
永田亮弁護士「身の危険を感じましたか。」
プロデューサー「はい。」
永田亮弁護士「映画監督の娘が赤い自転車に乗っているなどという書き込みがネットであり、迷惑だとかゴミだとかデタラメの映画を宣伝しているなどという書き込みもありました。自分や母の外出の時には2人ぐらいの人と一緒にしていたぐらいです。」
永田亮弁護士「ネットの書き込みはどれぐらいありました。」
プロデューサー「20から30件ぐらいです。」
永田亮弁護士「ブログでの抗議はどうでしたか。」
プロデューサー「茅ヶ崎市の後援名義反対という抗議の意思を示したものがありました。映画の一部を切り取って誹謗中傷した悪意のあるものが100ぐらいありました。」
永田亮弁護士「抗議に対して茅ケ崎市はどのような対応を行ったのですか。」
プロデューサー「抗議が拡大しているということで実行委員会と茅ケ崎市で9月に話し合いを行いました。」
永田亮弁護士「それはどのようなものでしたか。」
プロデューサー「後援名義の取り消しの話が出るかと思っていたのですが、茅ケ崎市からは後援名義に関する話はありませんでした。茅ケ崎市からは抗議が拡大しているので来場者などに危害が加えられるようなことがないように検討してほしいという話がありました。」
永田亮弁護士「それに対してどのような説明を行ったのですか。」
プロデューサー「実行委員会が広く呼びかけて協力者を募り、福井県での妨害の経験も踏まえて万全の対策を行うと説明しました。」
永田亮弁護士「それに対して茅ケ崎市は何をするという話はありました。」
プロデューサー「特になかったと思います。」
永田亮弁護士「映画上映についてメディアではどのように報じられましたか。」
プロデューサー「10月11日の産経ウェブに慰安婦映画が上映されるということで報じられました。この記事を高須クリニックの高須克弥さんがリツイートして拡散し、インターネットで批判が拡大し、朝から抗議の電話が鳴りっぱなしになりました。」

永田亮弁護士「茅ヶ崎市の対応はどうでしたか。」
プロデューサー「茅ヶ崎市にも右翼から上映を中止せよなどという抗議が寄せられて、実行委員会に連絡がありました。茅ヶ崎市からは警備体制を万全にするようにという話がありました。」
永田亮弁護士「どのような話がありましたか。」
プロデューサー「茅ヶ崎市からは抗議が増えているということに危機感を感じているという話があり、危害を加えられるようなことがないようにということを強く要請されました。」
永田亮弁護士「それに対してどのように答えましたか。」
プロデューサー「40人ぐらいのスタッフが集まったので階段やホール入口、駐車場など要所要所に警備の人員を配置し、妨害目的の入場をお断りしますという貼り紙をすると答えました。」
永田亮弁護士「それに対して茅ケ崎市の感触はどうでしたか。」
プロデューサー「警備の体制について理解を示していただき、安心したような雰囲気がありました。茅ケ崎市からは警察とも連携をとるようにという話もありました。」
永田亮弁護士「チケットを購入した者が妨害目的で入場しようとするケースも考えられますがこれに対してはどのような対応をするおつもりでしたか。」
プロデューサー「丁寧に話して入場をお断りするつもりでした。まず、妨害目的の入場をお断りするという貼り紙をし、警備の担当の方と妨害目的で来場した者かどうかを見極めるということで安全第一で行うつもりで、それを茅ケ崎市に伝えました。」
永田亮弁護士「警察とスタッフの役割分担はどうなっていましたか。」
プロデューサー「実行委員会及びスタッフが外の警備を担当し、茅ケ崎市は何かあったら警察に連絡するということになっていました。」
永田亮弁護士「それに対して茅ケ崎市は納得したようでしたか。」
プロデューサー「はい。」