横浜地方裁判所管内暴行被疑事件及び大阪市北区堂山町傷害被疑事件第2回公判 4
尋問 証人茅ヶ崎市文化スポーツ振興財団事務局長 検察官尋問
裁判長「次の尋問に入る前に休憩を取ります。次の尋問は午後2時55分から始めます。」
ここで退廷する北島直樹被告人の頬に痣があることに気がつきました。
裁判長「尋問を再開します。」
証人の宣誓、知っていることを隠したり、記憶と異なることを述べると偽証罪に問われるおそれがあることの注意がなされました。
検察官A「検察官のシゲヤからお聞きします。証人は茅ヶ崎市文化スポーツ振興財団の事務局長ですね。」
事務局長「はい。」
検察官A「平成29年4月からどのような職務を担当していましたか。」
事務局長「元々は茅ヶ崎市の職員でしたが、退職後に茅ヶ崎市文化スポーツ振興財団に籍を置き、指定管理者として職員を統括する立場にありました。」
検察官A「茅ヶ崎市市民文化会館の指定管理者であったわけですね。」
事務局長「はい。」
検察官A「財団は茅ヶ崎市市民文化会館の管理と運営を行っていたわけですね。」
事務局長「はい。」
検察官A「平成30年10月16日のことについてお聞きします。この日に『沈黙 立ち上がる慰安婦』が上映されましたね。」
事務局長「はい。」
検察官A「その経緯について教えてください。」
事務局長「平成29年4月に事務所に小ホールの利用の申し込みがありました。」
検察官A「その申し込みに対してどのような検討がなされたのですか。」
事務局長「映画の内容について中身を確認しましたが、特段問題はないと考えました。」
検察官A「その後の経過はどうなりましたか。」
事務局長「申し込みについて、市民文化会館がそれを承認します。この時点で施設利用料のいくらかの金銭をいただくことになります。」
検察官A「その後の状況について教えてください。」
事務局長「9月21日に主催者と打ち合わせを行いましたが、この時点あたりから苦情が増えてきました。」
検察官A「それはどのようなものですか。」
事務局長「大勢の人から電話で苦情があり、『なんで貸すんだ』と追及するようなものが多かったと思います。」
検察官A「それに対して相談はしましたか。」
事務局長「茅ヶ崎市が後援していたものですから、茅ヶ崎市の生涯学習課に相談しました。」
検察官A「他に相談したところはありますか。」
事務局長「茅ヶ崎市の会計年度任用職員として警察のOBを採用していましたので、その方に相談しました。」
検察官A「その相談を始めたのはいつ頃ですか。」
事務局長「9月21日以降です。」
検察官A「その相談は映画の上映日である10月まで続けていたわけですね。」
事務局長「はい。」
検察官A「どのような相談をしていましたか。」
事務局長「問い合わせに対する対応をどのようにすればいいのかとか、街宣車などがきた場合の対応などを相談していました。」
検察官A「建物内で想定されるトラブルについてはどうですか。」
事務局長「建物内で騒ぐ方には退館を求めることとし、そのためのペーパーも準備していました。」
検察官A「証人は当日ホールの付近にいらっしゃったのですか。」
事務局長「はい。」
検察官A「詳しい状況は。」
事務局長「当日、午前中は小ホールの利用の予定は入っていませんでしたので、午後を中心に対応しました。11時に機動隊が到着して、市民文化会館の外には2名を配置していました。」
検察官A「市民文化会館内部ではどのような状況でしたか。」
事務局長「主催者の方がエントランスロビーでチラシを配布しておりまして、ご遠慮願うようお伝えしました。」
検察官A「主催者は素直に応じましたか。」
事務局長「はい。」
検察官A「関係者はどれぐらいいらっしゃいましたか。」
事務局長「市民文化会館の中に10数名、外部に7,8名いらっしゃいました。」
検察官A「警備について主催者と話をしましたか。」
事務局長「いいえ。」
検察官A「その後はどのような状況だったのですか。」
事務局長「街宣車が午後来るということで機動隊が道路を封鎖しました。」
検察官A「その後何があったのですか。」
事務局長「映画上映の前に2階で大きな声が聞こえましたので階段を上りました。」
検察官A「そこで何があったのですか。」
事務局長「3、4人がもみ合いになっていました。」
検察官A「どのような状況でしたか。」
事務局長「一人コンビニのレジ袋を持っている人がいましたが、その人が階段から落ちました。」
検察官A「その現場からの距離はどれぐらいありましたか。」
事務局長「25メートルぐらいです。」
検察官A「甲第4号証を示します。ここに場所を書き込んでください。証人がいた場所に『私1』と記入してください。」
事務局長(書き込む)
検察官A「次にもみ合いの末に落下したのを目撃した場所に『私2』と記入してください。」
事務局長(書き込む)
検察官A「具体的にはどのような状況だったのですか。」
事務局長「もみ合いで誰がどのようなことを言っているのか声ではわからない状況でした。落ちた人は最初私に対して正面の向きにいたわけですが、その後後ろ向きになったようで背中が見えました。落ちた人の後ろに3人の姿を見ました。」
検察官A「もう少し具体的に説明してください。」
事務局長「私が現場に駆け寄るまで1分あるかないかでした。落ちた人の右斜め後ろにスマホで撮影する人もいました。」
検察官A「茅ヶ崎市の市民文化会館については条例で誰かの入館を拒むことはできるように定められているのでしょうか。」
事務局長「公序良俗に反する方や泥酔した方以外は拒むことはできない規定となっています。」
検察官A「危険がなければ誰でも入館できるということですか。」
事務局長「はい。」
検察官A「終わります。」