原告石川優実さん、被告青識亜論さん民事訴訟の補足事項 最終回
答弁書の中で文体が異なっていた箇所
本件民事訴訟の中で非常に興味深い点がありました。それは被告青識亜論さんの答弁書です。この答弁書は訴訟代理人である山口貴士弁護士が作成していましたが、途中で文体が異なっている箇所があったのです。答弁書の文体は「である」調で記載されていましたが、途中から「ですます」調に代わっていたのです。弁護士として多くの経験を重ねている山口弁護士が答弁書の文体を統一しないということはありませんから、この部分は被告である青識亜論さんの希望により答弁書に挿入された箇所であることが強く推察されるわけです。
文体が代わっていた箇所の内容とは?
この一連の「」内のやりとりのうち、
女性「萌えポスターけしからん」
原告「横槍失礼します、見なきゃよくない?笑」
については、原告が2019年10月10日に宇崎ちゃんという胸の大きなマンガのキャラクターを用いた献血ポスターについて「だってまず、なんでおっぱいがおっぱいの形しているのが洋服の上から分かるの?なんのためにそういう描写をしているのだろうで、問題なのはその描写自体ではなくそれを男女関係なくターゲットにしている公共の期間が取り扱うことだと思いますけども」というツイートをしつつも、公共性の高いテレビ番組における安倍政権批判に対する不快感を表明したツイートに対し、「横槍失礼します、見なきゃよくない?笑」(甲6)とを引用した批判のツイートをしていたので、原告のダブルスタンダードと思われる対応を皮肉的に風刺したものです。
次に
女性「性差別の解消を!」
原告「私たちにそんなことをする義理はありません。」
についても、「そんなことをする義理はありません。」の部分について原告はファイル(甲8)にもあるように、女性専用車両が女性優遇であり、差別解消のために男性専用車両を作れと訴える主張に対して、原告は、「男性専用車両を作ってあげる義理はない」と述べています。しかし、原告は、#Kutooなどの男女の不平等を女性の権利獲得を目指して積極的に是正措置とるよう働きかけている。そうでありながら男性が不利に置かれている状況に対してのみ「やってあげる義理がない」などと言って切り捨てててしまうのであれば、逆に、政府や企業、フェミニスト以外のすべての人々は女性差別の解消に協力する義理は無いとも言えるから、これは端的に言えば矛盾であり、被告は男女を反転させ「女性が差別是正のために声を上げた場合に、あなたが言っているのと同じ言葉をぶつけたらどうなるかということを当該ツイートで問うているに過ぎません。
また
「性被害を受けた#Metoo !」
「被害者ぶってんじゃねぇよ!」
について、「被害者ぶってんじゃねぇよ!」の部分は、画像ファイルに「本件ツイート2批判元スクショ3」にあるように、原告は、「多くのクリエイター達が携わり準備したラブライブのコラボ展示に難癖付けて叩き潰した加害者が・・・」の部分に対して、「被害者ぶってんじゃねぇよ!」と述べています。要するに、原告はグラビア時代の性加害を告発するなど#Metoo運動でも知られた運動家であり、被害者の悲しみに寄り添い、傷付けられたことを訴える人の声に耳を傾けるべきだとの主張をしているにもかかわらず、コラボ展示が潰されることにより悲しみ、傷付けられたことを訴える人に対して、「捏造」と断じて、「被害者ぶっている」と決めつけているわけですが、このダブルスタンダードな対応を批判、風刺するために、被告はあえて対象を「性加害者」に置きなおしたツイートをし、問いかけているのです。