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感覚をめぐる困りごとを抱えるASDの子どもを支える視点
この記事は1,828文字あります。個人差はありますが、3分〜4分でお読みいただけます。
このnoteではVoicy(音声配信)で配信した内容のテキスト版(要約版)です。詳しくはVoicyで聴いて頂ければと思います。
ちなみに、Voicyは下記チャンネルで毎日更新しています!
これまでも「感覚の偏り」については取り上げていますが、ちょうど「こころの科学2024年5月号通巻 235号 【特集】感覚をめぐる子どもの困りごと」に、執筆させて頂いたので、改めて取り上げてみたいと思います。
どうぞお付き合いください。
こころの科学2024年5月号
僕が勤務している「よこはま発達グループ」の代表である内山登紀夫先生が「感覚をめぐる子どもの困りごと」を特別企画として編集されました。
目次は以下の通り。
総論
学校での支援を考える
自閉スペクトラム症(ASD)と感覚
感覚のアセスメントと支援の手法
感覚研究の現在
内山先生が、それぞれの領域のスペシャリストにお声がけし、多様な切り口からまとめられた一冊です。そこに僕なんかも加えて頂き、とても恐縮しているのですが。
感覚をめぐる困りごとを抱えるASDの子どもを支える視点
僕が執筆したテーマです。
ちなみに、元々頂いていたタイトルは「感覚をめぐる困りごとを抱えるASDの子どもをどう支援するか」でした。
そのタイトルでも良かったのですが、最終的には「子どもを支える視点」に変更してもらいました。
というのも、
・支援=支えるということ
・「これさえすればOK」というのはないけれども、まずは知ること
という僕のスタンスがあって、それをテーマに込めました。
おおよその構成としては、
・ASDの人たちが感じている世界
・それを踏まえた上での支援の原則と具体例
です。
全部で8,000文字くらいでまとめたのですが、最後のまとめを紹介したいと思います。
本稿では、感覚の偏りの特徴とそれらを持つASDの人の支援の原則について概説した。感覚をめぐる困難については、現時点ではエビデンスが確立された支援方法はない。
むしろ、ASDの人は、その特性ゆえに日常生活における不安を感じやすく、感覚の問題は不安との関連で増減することが知られている。そのため、感覚の問題のみに焦点を当てるのではなく、ここまで整理してきた支援の原則をもとに、ASDの人を変えるのではなく、関わる人を含めた周囲の環境を整理していくことで、個々のASD特性が長所として発揮され、困難や不安として現れないよう支援することが、感覚をめぐる困りごとの軽減にも繋がるものと考えられる。
今後さらに様々な臨床的・科学的知見が集約され、感覚の偏りからくる困難や苦痛を軽減するようなアプローチとエビデンスが増えるだけでなく、感覚の偏りへの正しい理解が進み、ASDの人の抱える感覚の世界に、よりフレンドリーな社会になることを切に願う。
「感覚をめぐる困りごとを抱えるASDの子どもを支える視点」より
僕は自覚するような感覚の偏りはありません。あるのかもしれませんが、生活に支障や不都合が生じるようなものはありません。ですから、こうした感覚の偏りやそれがどのような不都合があるのかを、実感を伴っては理解していないのかもしれません。
それでも、感覚の偏りに限った話ではありませんが、ご苦労しておられる方々いるのは知っています。
そして、それがご本人の努力不足ではないことも、わがままではないことも、我慢の問題ではないことも知っているつもりです。
そして、そうしたことを前提に関わってもらえるだけで、ほんの少しの調整があるだけで、随分と生活上の負担が減る人がいることも知っているつもりです。
知らないことは怖かったり、理解もできなかったりするものでもあります。僕らだって、メニュー表や金額表示のない飲食店って怖いですよね。怖いとそもそも入ろうともしません。
でも、実際にはメニューはラーメンだけで、金額も一律500円かもしれません。わかることで、「お、1回覗いてみようかな」となるかもしれません。
僕自身が「知ったことでできることがある」と感じたように、まずは色々な人に知ってほしいと思っていて。
自分に大きなことはできません。それでも、こうした情報発信はできるかもしれないので、これからも続けていきたいと思っていますし、一緒に考えてくださる仲間をいつでも募集しています。
佐々木康栄
災害時に役立つさまざまな情報
これまでnoteにまとめていましたが、TEACCHプログラム研究会東北支部のホームページに集約しました。宜しければご活用ください。
その他お知らせ
オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」
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