1週間の振り返り(2024/1/8〜1/13)
この記事は2,943文字あります。個人差はありますが、5分〜7分でお読みいただけます。
今日はnoteの連続更新99日目です。noteのほかに、Voicy(音声配信)もしておりますので、併せてご活用いただけると理解しやすいと思います。また、noteの通知をオンにしていただけると記事が更新するたびに通知がいきますので、フォロー、スキ、シェアと合わせて通知オンもしていただけると嬉しいです。
毎週日曜日は1週間の情報発信の振り返りです。どうぞお付き合いください。
「すでにある理解」になるために
この1週間の中では、個人的には結構大事なテーマかなと思っています。
ニューイングランド、アスペルガー協会名誉会長、全米自閉症協会役員のスティーブン・ショア博士は「災害時に必要な支援は、すでにある支援。必要な物は、すでにある物」といいます。
「発達障害の理解」だって同じです。大変な時だけ発信しても意味は薄いんです。実際に大変な状況になっている現場に、こうした情報は届かない、あるいは届きにくいからです。それは、全員に余裕がなくなるからでもあります。
有事の時の発信はもちろん大切です。だけれども、発達障害の理解が「すでにある理解」になるその時まで、発信を続けることは、もっともっと大切です。
能登半島地震災害支援へ、東北の仲間との取り組み。
1月1日に発生した、能登半島地震。自分には何もできなかったし、今もそうです。
それでも何かできることはないかと考えて、非常時の対策に関する情報発信を多めにしたり、TEACCHプログラム研究会東北支部の仲間と寄付型セミナーの配信を始めました(個人だけでなく、法人単位でもお申込み可能にしました。法人の場合には、法人内研修としてもご活用いただけます)。
でも、これらは無力感を感じている自分自身に対して、「何かしている」という証拠のようなものを積み重ねて、自分を楽にしているような自己満足なことかもしれません。
実際に、今は当時に比べれば情報発信の量は減ってしまっています。それは当時は休み期間で、今はそうでないというのがありますが、どれも言い訳に過ぎないかもしれません。それでも、普段こうして偉そうに、生意気に発信しているのに、こうした時に知らん顔はできませんでした。
何がお役に立てるかわかりません。それでも、寄付型セミナーは1週間で100名を超える方や法人さんからお申込をいただき、本当に、本当に、本当に感謝しています。皆さんの想いを、北陸の障害福祉関連の事業所に必ず届けたいと思います。
自分の価値観を疑うことも子育てや支援のあり方の一つ
自分の考えが100%正しいということはないのだから、「こうあるべき」という価値観を疑いましょうね、というお話です。どんなに意識しても、自分の価値観が全く入らないということはありません。
それが良いとか悪いとかそういうことではなくて、そういうものなんだと、まずは、そうした自覚が必要なんじゃないかと、ぼくは思っています。
その上で、いつも疑問を持ちながら子育てや発達障害支援について考えることが大切ではないでしょうか。それが、「柔軟に考える」ということです。「これ!」という正解はないし、いつだって試行錯誤の連続です。
そもそもTEACCHって?
今回は、ぼくの大好きで、信頼している先輩の今村先生、宇野先生と「TEACCHってなに?」について鼎談したので、文章でもちょっとまとめてみました。
そもそもTEACCHって何かの説明はあんまり聞いたことがない方もおられるかもしれません。
TEACCHというのは1972年に故エリック・ショプラー先生が、アメリカのノースカロライナ州で立ち上げた組織です。TEACCHでは診断や評価のためのツールの開発、生活や就労のサポート、学校等のコンサルテーション、支援者の育成や研究等に尽力してきました。
今もなお、国際的に高い評価を受けているのがTEACCHです。特に、自閉症の原因は親御さんにあり、親御さんが治療対象とされていた時代において、そうした事実も根拠もないことを明らかにし、むしろ一緒に考えていく仲間であること、自閉症は治すべき対象ではなくて、自閉症のまま地域で豊かに生活していけることを提唱してくれたのがTEACCHです。
それ以外にも、視覚支援が大切など、今ではあたりまえに言われていることの多くが、実はTEACCHがもたらしてくれたものでもあります。
自己満足な親切になってない?
「小さな親切、大きなお世話」という言葉があります。
これは、自分にとっては親切のつもりでやったことが、相手にとっては迷惑だったということです。
でも、相手は「嫌がらせをしよう」と思ってのことではなくて、本当に相手のことを考えての行動だったりします。
「人の親切を!」と思う人もいるかもしれませんが、親切というのは相手のために行うものであって、自己満足のために行うものではありませんよね。本当に相手のことを思うのであれば、「相手のためになる」という視点が必要ではないでしょか。
「こちらがいいと思うことではなくて、相手にとっていいと思うことを」
そのためには、相手の好みや性格、何が苦痛になるのかなどを知ろうとする必要があるだろうと思います。「一律にすること」が、優しさではないことを肝に銘じておきたいなと感じたのでした。
TEACCHの一つの哲学ーご家族とのコラボレーション
ぼくは日本で理解されているTEACCHは色々と誤解もあるのではないか?と感じています。そうした誤解を減らせればと思って、時々はTEACCHについても取り上げていきたいと思っています。
とはいえ、ぼくはTEACCHのスタッフじゃないし、どの口が言っているんだというのもあるかもしれませんし、そもそもぼくが大幅に誤解している可能性だってあります。なので、「佐々木はこんな考え方なのね」という感じで受け取ってもらえればと思います。
TEACCHの最も大きな功績の一つに「ご家族とのコラボレーションを重視した」というのがあります。
TEACCHではご家族と専門家の関係を以下の4つの軸から整理しています。
自閉症支援の専門家がご家族に対して助言や指導をする関係
お子さんに関してのご家族からの情報を大切にし、専門家がご家族から学ぶ関係
ご家族と専門家が共同して、お互いにサポートし合う関係
ご家族と専門家が地域社会や行政に対してお子さんの代弁者となり、活動する関係
つまり、立場は違うけれども、そこに上下や優劣があるわけではなく、一緒に考え、一緒に取り組んでいきましょうという考え方です。
「TEACCHの考え方をベースに〜」「TEACCHを取り入れて〜」等の文言が入っていながらも、こうしたコラボレーションを大切にしないサポートは、TEACCHの根本的な考え方を理解していないと言えるかもしれません。
まとめ
この1週間にnoteとVoicyで発信した内容をまとめました。少しでもお役に立てば幸いです。
補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!
佐々木康栄
災害時に役立つさまざまな情報
被災地で、発達障害児・者に対応されるみなさんへ(国立障害者リハビリテーションセンター)
防災・支援ハンドブック(日本自閉症協会)
災害時、発達障害の子どもの支援についての医療関係者へのお願い(内山登紀夫先生)
災害時の発達障害児・者支援エッセンス
#障害者を消さない (ヘラルボニー)
寄付型セミナー(TEACCHプログラム研究会東北支部)
代表を務めているTEACCHプログラム研究会東北支部で、「寄付型セミナー」を立ち上げています。ぼくの衝動的な行動であることは自覚しています。それでも、今ぼくらにできることを考え、過去に配信したオンラインセミナーを再度配信させていただき、その売上(配信や販売に関わる手数料を差し引いた全額)を能登半島地震の支援・復興に向けた寄付することに決めました。宜しければ応援してもらえると嬉しいです。
#能登の障害者に届け
能登の障害者の方々に直接支援が届くように、一般社団法人障害攻略課さん
、NPO法人石川バリアフリーツアーセンターさん、一般社団法人Smart Supply Visionさんが「#能登の障害者に届け」というプロジェクトを立ち上げてくださっています。
この短期間でこれだけの状況を整えることは、どれだけ大変だったのだろうかと思います(きっとかなり睡眠時間や休みの時間を削って急ピッチで取り組んでくださったのだと思います)。本当に感謝です。
一緒に応援しませんか?
その他お知らせ
オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」
クラウドファンディング
▼9月に大阪にて講演会をさせて頂いた「一般社団法人泉大津・発達支援勉強会Lien」さんが、「大阪府泉大津市、及び、泉州地域である近隣市町村一帯が、発達障がいや多様な子どもたちにとってより過ごしやすい地域に」を目指して、クラウドファンディングをされています。特に、4月2日の世界自閉症啓発デーでは、世界中がブルーライトアップされます。これは色々な人に目を向けてもらうための活動でもある一方で、それだけ予算がかかります。
そのため、どの地域でもできるわけではありません。今回、泉大津市内のブルーライトアップをしたい!という想いを叶えるためのクラウドファンディングです。目標金額は220万円です。ちなみに、これは行政と一緒に取り組んでいるものなので、「ふるさと納税」として寄付ができます。
ぼくも応援メッセージを出させて頂いています。どうか皆さんも応援していただけないでしょうか。
皆さんの応援が力になり、その力が地域を進める行動になり、その行動が当事者やご家族の未来になります。
一緒に地域の未来を変えるお手伝いをしてくれませんか?
セミナー情報
▼TEACCHプログラム研究会 第16回実践研究大会 in 東北・東京・熊本・鹿児島 「共に学び 成長する 熱い冬」
ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!
▼会員限定動画▼
これまで、会員の皆さんには限定のコラムや動画を配信してきました。現在下記のような動画を配信中です。閲覧にはパスコードが必要です。何度かメールでご案内しておりますが、もし会員の方で「パスコードがわからない!」という方はteacch.tohoku@gmail.comまでご連絡ください。
▼会員限定コンテンツ▼
現在、会員限定の質問フォームを設けています。匿名にしようかとも思ったのですが、会員の方からのご質問であることを確認するためにお名前のご記入をお願いしたいと思います。ご質問については、全てにお返事できるわけではなく、会員の皆さん全体にとって有益だろうと思うものを中心に取り上げて、限定コラムなどで書いていきたいと思います。
▼その他▼
ここに記載した以外にも、東北支部ではさまざまな取り組みを今後もしていきます。会員の皆さんには、「今こんなことを考えています」というのもお届けしますのでお楽しみに。公式LINEもあり、会員以外の方もぜひご登録ください!定期的に情報発信していく予定ですので、「TEACCHって何だろう?」「興味はあるんだけれども、どんな活動をしているんだろう?」という方はぜひご登録ください!
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