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1週間の振り返り(2024/1/15〜1/20)

この記事は3,790文字あります。個人差はありますが、6分〜9分でお読みいただけます。

今日はnoteの連続更新106日目です。

noteのほかに、Voicy(音声配信)もしておりますので、併せてご活用いただけると理解しやすいと思います。また、noteの通知をオンにしていただけると記事が更新するたびに通知がいきますので、フォロー、スキ、シェアと合わせて通知オンもしていただけると嬉しいです。

毎週日曜日は1週間の情報発信の振り返りです。どうぞお付き合いください。


未来に種を蒔く「今」

ぼくが今できることは限られているし、たかが知れているとも思います。いつ引退する時期がくるかもわかりません。

別に、ぼくがいなくなったところで、何かが大きく変わることはありません。そういうものです。
   
でも、ぼくが居なくなっても、当事者やご家族の未来に向けてできることはないだろうか、そんなことを考えたりします。もちろん、「今」も大切ですから、今に自分の持てる力を全て注ぐのは当たり前です。その積み重ねが未来につながるのだと思います。でも、未来に向けての種を蒔くこともできるかもしれないと思って、今は活動しています。

ぼくは自分にそんな力がないことも理解しているつもりだし、むしろ「とにかく発達障害に関することが一歩でも前に進むならなんでも良いので、力のある方々や偉い方々、頑張ってください!ぼくはぼくのできることを頑張ります!」みたいな人間です(自分が力をつけない努力をしないというわけではないけど)。

TEACCHプログラム研究会東北支部を設立したのも、その一つです。
     
ぼくがこれまで多くの方々にしてきてもらったことを未来に繋ぐこと、それが、ぼくにとっての恩返しの一つです。

自閉症スペクトラムとカモフラージュ 

発達障害領域で「カモフラージュ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?海外だと「マスキング」と呼ばれたりします。これは、自分の特性を隠して、特性がないかのように振る舞っていることがあり、こうした補正をしながら生活していることを指しています。

まぁこれに関しては、「それができているなら少数派(ASD)ではなくて、多数派では?」などまだまだ議論があるのですが。

同時に、「やれている、できているけれども、(多数派の人よりも)疲れが大きいんじゃないか」という見方もあったりします。

50の力でできているのか、100の力でできているのかは全然意味合いは違います。例えば、年末年始やクリスマスみたいなイベントでは頑張って準備するけど、毎日やれと言われたら疲れるかもしれません。できるけれども、疲弊しちゃうわけです。

極端かもしれないけど、自閉症スペクトラム特性があると、そうしたことがそういうことが日常的にある場合もあります。

「特性があるようにも見えないし、そこまで困っているようにも見えないから、あなたはそこまで大変じゃないよね」

これは、その方々がしてきている努力を否定することにもなります。

「そこまで頑張らなくていいよ」とも、ぼくらは言いますが、それも「努力を否定する」という意味では同じかもしれません。

まずは、こうしたことがあるんだと知ってもらうこと、その上で「頑張れ」「頑張らなくていい」と極端に考えるのではなくて、それぞれの方にとって「疲れすぎない暮らし方」のバランスを考えていくことが大切ではないでしょうか。

知識と理解は違う

発達障害について発信する人が増え(ぼくもその一人)、メディアの影響もある「発達障害ってなんとなく〇〇という特徴がある」みたいなこともイメージがつく人も増えているかもしれません。

ぼくはこれは「知識」だと思うんですね。ぼくが考える理解というのは「知識を使う」というイメージです。

「発達障害って〇〇」ではなくて、「だから、〇〇と調整しよう」とその方の助けになるように考えていくこと(=そのために知識を使うこと)。これがぼくの考える「理解」です。

なんらかの困りごとがあって、それに対して、励ましたり、我慢を促したりなど、個人の努力、気合、根性だけでなんとかすることを求めるのではなくて、具体的に困りごとが減るような働きかけをすること、一緒に考えることが大切ではないでしょうか。

理解するためには、知識が必要です。だからこそ、まずは知ってもらうこと、そのためにこれからも活動を続けていきたいと思います。

いつも通りの過ごし方に価値がある

緊急時の後には中長期的な対応が必要で、これから多くのボランティアの方々がサポートしてくださります。その時に知っておいてほしいことは、一人で過ごすことが悲しいことなわけでもないし、一人で過ごせることにも価値があるということです。一人でレゴや図鑑を見ている時間も尊重してほしいし、誰かと遊びたい時にはそうしたらいいと思うんです。

もう一つ大事な視点があります。

発達障害の方々は刺激に鈍感な場合もあれば、敏感な場合もあります。それらが「感覚の偏り」と言われるものです。特に、敏感な場合には、緊急時のように、人が大勢いたり、落ち着かないような場所では刺激が多すぎることがあります。

なので、狭い空間、人の少ない場所の方が落ち着く人がいます(全員じゃないですが)。一人で過ごしていたり、一般的には「本当にここがいいの?」と思うような場所でも(例えば、倉庫とか)、実はそこが刺激が少なくて助かるということもあったりします。

刺激という意味では、これからもさまざまな報道が続きます。それらがトリガー(引き金)になって不安定になることもあります。そうしたときに、そうしたニュースを見ないで、「いつも通り」YouTubeを見る、ゲームをするなどの活動を不謹慎だと思わず見守ってほしいなと思います。

自閉症eサービスとコラボ!?

ぼくのLINEに突然「ラジオやりませんか?」というグループが作られました。一体なんなんだろう?と思ったのですが、自閉症eサービスの中山先生と真船くんからの連絡でした。

そして、色々と相談した結果「佐々木のVoicyで自閉症eサービスチャンネルみたいな日を作ろう」という話になり、これからは原則第2・第4火曜日のVoicyの放送は自閉症eサービスさんにジャックされることになります(笑)。

ちなみに、すんごく生意気なことを言うと、ぼくは人の肩書きとか、発信内容だけでその人を信頼したり、妄信的になることはありません。発信内容と対応が全然違う人をこれまでも見てきているためです。

そんなぼくが、中山先生にはちょっと妄信的です(笑)。発信内容、活動、何より実際の対応、本当に遠い遠い背中です。さらに生意気なことを言うと、一体どれだけの人がその価値を本当に理解しているんだろうか?とも思ったりします。

中山先生って、本当に簡単そうに対応するんですが、実際にはものすごく考えながら対応しているので、「あ、じゃあぼくも」みたいに関わろうとすると大抵うまくいきません。

そんな中山先生と定期的なトークができること自体、ぼくにとっては得られるものが多過ぎて、めちゃめちゃ楽しみにしています。とはいえ、真面目な話だけでなく、雑談やゆるいトークもしていきたいと思っていますので、宜しくお願いします!

ネットやゲームと子どもの発達

インターネットやゲームは「悪」のようにみなされることがあって、「少しならいいけど、長い時間はだめ」みたいな感じですが、皆さんはどうでしょうか?

制限を加える方向の意見については、意地悪というよりも、マイナスな影響を心配してだと思うのですが、背景には「(自分には)わからないから」とか、なんとなくのイメージを持っている方もおられるのかもしれません。

ぼくらは、「よくわからないから」という理由で「怪しい」と判断してしまうことがあるのではないでしょうか。

記事では論文を紹介したので、詳しくは記事を見ていただければと思いますが、概要は下記です。

  • 一週間の平均利用時間は26.5時間(つまり、1日あたり約4時間)

  • メンタルヘルスや認知発達に対してのマイナスの影響は支持しない

  • 神経認知の発達を保護するためにスクリーンタイムを制限することを中心とした政策を支持していません

  • 「スーパーマリオ オデッセイ」をプレイすると重度のうつ病が半減することがドイツの研究で判明、専用プログラムや標準治療より高い効果!?

もちろん、今回紹介した論文が100%正しいと主張するつもりはありませんが、こうした報告も知ってほしいなと思って書きました。

ただ、ネットやゲームにハマってメンタルヘルスが悪化した場合には、ネットやゲームが原因にされがちですが、それ自体が問題というよりも、そこまでのめりこなければならなくなっていること(例えば、そこでしか充足感がない、切り替えができなくなっているとか)が本質的な問題だと思います。

その時には、ゲームやネットだけが唯一の原因ではなくて、一体何が生活の中でうまくいっていないのかを考えてみることが大切です。

そして、ぼくらも子どもたちがインターネットやゲームの世界で、何を見て、何を楽しんでいるのかを知ろうとすることが大切ではないでしょうか。

補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!

佐々木康栄

災害時に役立つさまざまな情報

被災地で、発達障害児・者に対応されるみなさんへ(国立障害者リハビリテーションセンター)

防災・支援ハンドブック(日本自閉症協会)

災害時、発達障害の子どもの支援についての医療関係者へのお願い(内山登紀夫先生)

災害時の発達障害児・者支援エッセンス

#障害者を消さない (ヘラルボニー)

寄付型セミナー(TEACCHプログラム研究会東北支部)

代表を務めているTEACCHプログラム研究会東北支部で、「寄付型セミナー」を立ち上げています。ぼくの衝動的な行動であることは自覚しています。それでも、今ぼくらにできることを考え、過去に配信したオンラインセミナーを再度配信させていただき、その売上(配信や販売に関わる手数料を差し引いた全額)を能登半島地震の支援・復興に向けた寄付することに決めました。宜しければ応援してもらえると嬉しいです。

#能登の障害者に届け

能登の障害者の方々に直接支援が届くように、一般社団法人障害攻略課さん
、NPO法人石川バリアフリーツアーセンターさん、一般社団法人Smart Supply Visionさんが「#能登の障害者に届け」というプロジェクトを立ち上げてくださっています。

この短期間でこれだけの状況を整えることは、どれだけ大変だったのだろうかと思います(きっとかなり睡眠時間や休みの時間を削って急ピッチで取り組んでくださったのだと思います)。本当に感謝です。    

一緒に応援しませんか?

その他お知らせ

オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」

クラウドファンディング

▼9月に大阪にて講演会をさせて頂いた「一般社団法人泉大津・発達支援勉強会Lien」さんが、「大阪府泉大津市、及び、泉州地域である近隣市町村一帯が、発達障がいや多様な子どもたちにとってより過ごしやすい地域に」を目指して、クラウドファンディングをされています。特に、4月2日の世界自閉症啓発デーでは、世界中がブルーライトアップされます。これは色々な人に目を向けてもらうための活動でもある一方で、それだけ予算がかかります。

そのため、どの地域でもできるわけではありません。今回、泉大津市内のブルーライトアップをしたい!という想いを叶えるためのクラウドファンディングです。目標金額は220万円です。ちなみに、これは行政と一緒に取り組んでいるものなので、「ふるさと納税」として寄付ができます。

ぼくも応援メッセージを出させて頂いています。どうか皆さんも応援していただけないでしょうか。

皆さんの応援が力になり、その力が地域を進める行動になり、その行動が当事者やご家族の未来になります。

一緒に地域の未来を変えるお手伝いをしてくれませんか?

セミナー情報

▼TEACCHプログラム研究会 第16回実践研究大会 in 東北・東京・熊本・鹿児島 「共に学び 成長する 熱い冬」

ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!

▼会員限定動画▼

これまで、会員の皆さんには限定のコラムや動画を配信してきました。現在下記のような動画を配信中です。閲覧にはパスコードが必要です。何度かメールでご案内しておりますが、もし会員の方で「パスコードがわからない!」という方はteacch.tohoku@gmail.comまでご連絡ください。

▼会員限定コンテンツ▼

現在、会員限定の質問フォームを設けています。匿名にしようかとも思ったのですが、会員の方からのご質問であることを確認するためにお名前のご記入をお願いしたいと思います。ご質問については、全てにお返事できるわけではなく、会員の皆さん全体にとって有益だろうと思うものを中心に取り上げて、限定コラムなどで書いていきたいと思います。

▼その他▼

ここに記載した以外にも、東北支部ではさまざまな取り組みを今後もしていきます。会員の皆さんには、「今こんなことを考えています」というのもお届けしますのでお楽しみに。公式LINEもあり、会員以外の方もぜひご登録ください!定期的に情報発信していく予定ですので、「TEACCHって何だろう?」「興味はあるんだけれども、どんな活動をしているんだろう?」という方はぜひご登録ください!

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