水たまりに闇しか映らぬ時分の散歩は厭ではない。目立ちたがり屋の陽ざしも居留守をしておるし、街の喧騒も自粛しはじめる。なにより中空を横断する天使の羽根が黑ずんでゆく夜景がよい。惡魔なき天使なんぞにいつまで現を抜かしているおつもりか。漆黑の日輪を愛で、堕天する。これぞ夜の散歩である。
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KODO
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