ほぅ。道端に落ちているパンを拾って食べる行為と結びつけたか。
ゴールデンウィーク
どこかに出かける人も多い中、我が家には両手を骨折した息子がいる。
ということは、家族みんなで公園に行くなんてことはできやしない。
でも、休みは楽しみたい!
ということで、ゲーム三昧。そんな日々である。
ケガ人は、お見舞金と称した祖父母からの臨時収入をゲットし
ほくほくとマリオを楽しみ、もうすぐクリアしそうだ。
そんな弟をしり目に、兄はとあるゲームに夢中だった。
しかも、このゴールデンウィークにはあるイベントがある。
そう、レアアイテムガチャ祭!
息子の願い
あの、レアキャラをゲットしてみたい!
ゲームをやっていると、この思いを誰もがもつ。
そうして、10連ガチャなどに挑む。
しかし、長男はショックを受けた。
「ぼくには、ガチャコインが足りない⁉なんてこった!」
こうして、息子は考えた。
どうにかして、
無料でコインをゲットできる方法はないだろうか?
そこまでは、いい。
こういう思考の働かせ方も、悪くはない。
しかし、山場は母の許可だった。
なぜなら、
このゲームは動画視聴でガチャコインをもらえないから。
アプリのインストールが必要だった。
どうしよう。
母の想い
アプリのインストールは、母の許可がいるように設定してある。
何でもかんでもゲームを増やされたら、端末の容量オーバーになるし、
ゲームによっては教育的によくないものも含まれているから。
息子から、ガチャを引きたいからアプリのインストールをしてみたいと話をされた時、正直、嫌だと思った。
①(許可)めんどい
②アプリのラインナップが微妙
③動画視聴より、アプリインストールはなんかヤバそう
④ガチャというものに依存してほしくないな
⑤それは息子にとってそこまで大切なことなのか?
・・・
いろいろな思いが頭をよぎり、お茶を濁していたが、
翌朝も何となーく、インストールしてみたいという思いを感じた。
息子は言った。
「いらないアプリはインストールして、すぐに消せばいいじゃん!」と。
そういう手もあるが、いやしかし……。
うまく、言葉にできない母。
これって、どう説明したら伝わるんだろう。
父のお話
そんなやりとりを横目で聞いていた父が立ち上がった。
息子とゆっくり話をする。
「お母さんはね、インストールの許可がめんどくさいんだよ。」
(⁉いきなり、母をディスってる)
「でもね、それには理由があるんだよ。
キミが、例えば誰かに何かをお願いする時にはコストがかかるの。
それは人によっては大変なことだったりするんだよ。
信用っていってね……。」
(おぉ、そこから話を始めるのか……これは長くなりそうだ)
「でね、動画視聴とアプリのインストールには違いがあるんだよ。
そうだな、例えていうなら動画視聴は見るだけ。ほら、こういう新聞広告を見ている感じね。でも、アプリのインストールは食べることなんだよ。」
(え?食べる?どういう例えにしたんだ?)
「インストールは、キミの体に一回通すことと一緒なんだよ。
端末にこのアプリを買ったよっていう情報を残すの。
もちろん入れて消せばいいっていうのは、
食べたら出すってことでそれはそれでいいんだけどね。
その食べ物に毒が入っているかもしれないんだ。
ほら、道端に落ちているパンを拾って食べたら、お腹がいたくなるでしょ?そういうものが含まれている可能性もある
って言うのを覚えておいて欲しい。
だから、お母さんは迷ってるんだよ。それを許可するかどうか」
(おぉ、そういう事か!なるほど、でも道端に落ちているパンより、スーパーの試食でもらえるウインナーと添加物の関係の方がしっくりくる例えじゃないかな、と思う母だった)
こんな、難しい話をされて
息子はふてくされて布団の中にくるまってしまった。
そして、父と母の家族会議が始まった。
で、どうしたらいい?
伝えておきたい事は、伝えた。
それでもアプリをインストールして
ガチャをやりたかったら、それでもいい。
ただ、小学生にこの判断は荷が重く
さらには「ガチャできなかった……」
というマイナスの思いだけが残るかも?
いやいや、それでもやりたいって思いを
きちんと言葉で私たちに伝えられる力を
育てるチャンスじゃない?
まぁ、ウィルス感染なんてないとは思うけどね。
学校では教えてもらえない事だから
こういう機会に伝えておくのはいいこと。
これが、マリオをやってる次男だったら
「じゃ、課金するわ!」っておこづかい出すんだろうね(笑)
タイプが違うからね~。
そもそも、道端のパンよりは試食のウィンナーの方がいいんじゃない?
いやいや、添加物は小学生にはピンっとこないでしょ!
などなど。
・無料より高いものはない
・自分の頭で考えてみてほしい
日常のやり取りの中で学んでほしかった。
何でもかんでもOKできない理由を。
そこには、ちゃんと愛があることを。
きっと今は、わかんないだろうな。
でも、大人になって教育の意味を知ったとき
わかってくれるといいな。
親もこうやって、悩んでいるんだよって。