保育園給食を作る前に知っておきたいポイント
こんにちは!こどもSHOKUデザイン(@kodomo_shoku)です。
保育園給食を提供する中で欠かせない工程の1つに「調理」があります。
提供する人数が多いと「大量調理」ということもあり、家庭で料理する場合とは異なる観点で進めていく必要があります。
今回は、調理をする前に知っておきたいポイントをお伝えします。
大量調理(給食)と少量調理(家庭料理)の違い
大量調理と少量調理(家庭料理)には違いがあります。
家庭で作っている料理と同じ手順で進めることで、不都合が出る場合が多いからです。
場面に応じてそれぞれに適した調理方法や手順を選択できるよう違いをおさえておきましょう。
大量調理と少量調理では、下記のような違いがあると考えています。
大量調理
少量調理
他にも挙げられる違いはあると思いますが、大量調理では特定多数の人に対して継続的に食事を提供することになります。
衛生管理はもちろん、調理技術など、注意すべき点が異なるのが特徴です。
食事提供の留意事項
給食はただ美味しい食事を提供すればよいというものではありません。
「安心で安全な食事」「栄養管理されていること」など、保育園給食を提供する上で留意する点が4点あります。
詳しくは今後の記事の中でお伝えしていきますが、まずは全体像を掴むためにも「保育所における食事の提供ガイドライン」に記載されている内容に沿ってお伝えしていきます。
1.栄養面について
保育園に通う子どもたちは、発育・発達状況、栄養状況、家庭での生活状況などについて、年齢差や個人差が大きい時期でもあります。
子どもたちの状況を把握し、一日の生活の中で保育所の食事を捉え、各保育所における食事計画を立てる。
そして、それに基づいて作成された献立に沿って食事を提供することにより、子どもの栄養管理を行うことも必要です。
2.衛生面について
保育所における食事は安全、安心な食事であることが基本です。
安全性の高い品質管理に努めた食事を提供するため
・食材や調理食品の衛生管理
・保管時や調理後の温度管理の徹底
・施設・設備の衛生面への留意と保守点検、検査、保存食の管理
を行い、衛生管理体制を確立させることも大切なことです。
3.1人1人に応じた対応について
年齢差や個人差が大きい時期のため、ひとりひとりの状況に合わせて対応する場面も多くあります。
「離乳食」「食物アレルギー」「延長保育・一時保育」など、園全体の園児ではなく、ひとりひとりに合致した食事を提供する必要があります。
4.保育との連携について
保育の一環として食育を推進する上で、その軸となる食事の提供も、保育と連動して取り組むことが必要です。
そのため「保育所保育指針」は、その解説書において、食育を推進する上で、保育士、調理員、栄養士、看護師等の全職員が協力することが必要であることを強調しています。
食事の提供を担う調理員や栄養士は、常に子どもの保育に関わる全ての職員と連携し、子どもの成長を支えていくことも大切な仕事の1つです。
参考文献:厚生労働省,保育所における食事の提供ガイドライン
保育園給食での栄養士・調理員の役割
子どもの成長を支えるためには、保育との連携も必要不可欠です。
保育士とコミュニケーションを取りながら、食育や食事提供を進めていく必要があります。
ここでは、その役割についてお伝えしていきます。
すべてを実践することは、最初は難しい部分もありますが、できることから少しずつ始められるように全体像を掴んでおきましょう。
1.保育と連動した栄養士の役割
2.保育と連動した調理員の役割
給食室の1日の流れ 〜 保育園ver 〜
大量調理では、1日の給食室の流れを追いながら作業をしていきます。
給食の提供時間は決められているので、提供時間に間に合わせるように作業をしていくことも大切です。
1日の流れを掴んだ上で各内容を読むとより理解が深まると思いますので、ここでは1日の全体の流れについてお伝えします。
以前にもお伝えしたことがありますが、給食を提供する場合の1日の流れは下記の通りです。
「朝おやつ」「お散歩の準備」「昼食」「昼おやつ」(夕食も提供している場合には、「夕食(夕おやつ)」)のタイミングで食事を提供する必要があります。
その間で、「各食事の準備」「後片付け」「当日や翌日の調理工程の確認」などの作業を行っていきます。
終わりが決められているからこそ、それぞれの工程でどれだけ効率化しながら、安全で美味しい給食が提供できるのかが大切になってきます。
この工程については、20人に食事を提供しているのか200人に食事を提供しているのか、施設の規模感によって変わる部分もありますが、根底にあるものは変わりません。
大量調理を行っていく上で、一番最初におさえておきたいポイント・基本となるのが「衛生管理」です。
今回は全体像についてお伝えしてきましたが、次回は大量調理において、「衛生管理」が大切な理由についてお伝えしていきます。