見出し画像

【当事者体験談】落ち着けない!ADHDの脳内多動

こんにちは!子ども未来プランニングのH.Tです。
不登校や発達障害、グレーゾーンのお子さんとご家族への支援やサポートを行っている子ども未来プランニングでは、活動を通して当事者の体験談をご紹介しています。
今回は、スタッフでありADHD当事者の私の、とある症状についてお話します。


脳内多動とは?どんな感覚?

頭の中が忙しい、うるさい、ザワザワする、集中できない…。

ADHD(注意・欠如多動症)はドーパミンと呼ばれる物質の、前頭葉や線条体での機能障がいが原因だと考えられおり、前頭葉での行動抑制機能が弱いため、目につく物や思いうかんだ事柄に衝動的に反応し、行動しがちです。

これが実際に行動として出るケースもあれば、脳内で起こっていることもあるのです。
体は動いているように見えなくとも、頭の中に次々と浮かぶことに意識を取られ、脳内は常にフル回転している状態です。

仕事中や勉強中も、なにか気になることがあれば、すぐに意識が引っ張られ、別のことを考えたり、他の行動に次々と移ってしまいます。
これらの状態が、周囲から「飽きっぽい」「集中力がない」「やるべきことを最後までやり遂げられない」という言われる原因になったり、本人も「疲れやすい」「気が散る」といった困りごとが絶えません。

脳内多動を例えるなら

私なりの言葉で脳内多動を表現するなら、
・インターネットのタブが何十個も開きっぱなし
・永遠に続くマジカルバナナ
(例:バナナ→黄色、黄色→レモン、レモン→酢っぱい、、、
「あれ、そういえば冷蔵庫にお酢あったよね?」
冷蔵庫を開いて、「あ、これ食べよう!」
というように、どんどん思考が展開されていく。)
・常に頭の中でBGMが鳴り、雑音や会話のように聞こえる。

この脳内の忙しさを自分で止めたくても、入ってきた情報を処理しようと過剰に思考を巡らすため、余計に思考を増やしてしまうこともしばしば。
ADHDの人の脳内はいつもフル回転状態で、普通に生活しているだけで必要以上に脳疲労を起こします。

個人的な例

私の場合、視覚情報を強くキャッチする傾向があります。
ADHDの診断をした医師からは、
「通常、人が周りを見ている時、必要な情報が取捨選択されて脳内に入り、処理されるのが普通だが、
あなたの場合は目に見える情報全てが無秩序に入ってきてしまっていて、処理できず無意識で混乱状態に陥っている。」
と説明を受けたことあります。

そのため、大きなショッピングモールやドラッグストアでは、
目立つポップや色の付いた値札、パッケージの絵柄といった視覚情報がずらりと並んでいるため、脳内多動になりやすく、長時間居ると疲労感や体調不良を引き起こしやすくなります。
(特にドン・○ホーテには長時間滞在できません…。)

解決策の例

投薬治療

ADHDにはコンサータ、ストラテラ、インチュニブなど治療に使われる薬が存在します。どれもADHDを根本的に治す薬ではないため、困り事を具体的に医師に相談し、自分に合った投薬治療を受けましょう。

空間づくり

視覚優位であることから、引っ越しをきっかけに部屋づくりを工夫しました。
視覚的な刺激を少なくするため、壁面収納を活用して、ゴチャゴチャが直接視界に入ってこないようにしたり、
カラーボックスや本棚の中身が丸見えにならないよう、目隠し布やカーテンを設置するだけでかなりスッキリと見えます。柄物や模様が派手だと逆効果になりかねないので、目隠しにはシンプルなデザインの布や素材を選ぶのもコツです。

ちなみに、子どもの頃(診断前)は、片付けの概念など存在しない、とんでもなく物に溢れたゴチャゴチャな家で育ちました。
そのためか、学生時代はなかなか家では勉強が捗らず、図書館や空き教室、静かなカフェに立ち寄って勉強することも多かったことを覚えています。
今はこのような空間づくりを行い、かなり家で集中して作業ができるようになりました。

メモの活用

物事を記憶し留めておくには限界があります。
○○を忘れないようにしなければ、と考えるほど、また脳内の容量を使ってしまいます。
ポイントは紙のメモ・デジタルのメモの両方を使うことです。私は常に紙のメモ帳とスマホのメモ、二刀流で使用しています。

紙のメモ用紙には、ペンを括りつけ、リビングや自分の部屋など、目立つところに置いていつでも使用し見直せるようにします。思いついたこと、見聞きしたことを何でも書いておけるようにします。
ペンは置き忘れや紛失防止のために、紙に括りつけて一体化しておくのがベストです。
また書き方は日付ごとにし、1日1ページ以内に収めるようにし、「どこに書いたっけ?」を予防するようにしています。
付箋や小型のホワイトボートも、同様に使用できます。

スマホのメモは、紙に書いたことを清書し視覚的に見やすくしたり、今後も見直したい内容リストアップしておくことができます。(例:旅行や外出の持ち物リスト、Todoリスト、チェックリストなど)
また共有アプリを使用して家族やパートナーと内容をシェアしておくことも有効です。病院の診察で伝えること、医師から診察で言われたことをメモに残してシェアすれば、伝え漏れを減らすことができますし、予定表やカレンダーアプリで一緒に管理すれば、予定を忘れてしまうことの防止もできます。


*****

いかがでしたでしょうか?
これらは当事者である私自身がこれまでの経験の中で培ってきた解決策ですので、あくまで一例として参考にしていただければと思います。
ただこういった、当事者の情報や具体的な困りごとに対する解決策を求めて、日々情報収入に苦労されている親御様もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

「子ども未来プランニング」とは?

私たちの運営するサービス「子ども未来プランニング」は、発達障害やグレーゾーンなど、特性のあるお子様とご家族のための『オンライン教育支援1on1サービス』です。

発達障害に関して専門知識のあるスタッフが、お子様やご家族の悩みに寄り添いながら、そのご家庭にとってその時に必要な情報の提供や、学校など周辺環境への相談・調整の仕方、学校以外の居場所づくりについて、などをアドバイスさせていただきます。
また「今」から「未来」へ目を向けて、お子様の今後の進路や将来についても一緒に計画を作成し、実現に導くまでの教育支援を行っていきます。

現在、サービス利用前の無料オンライン相談も実施しております。
まずは気軽にご相談ください。

▼子ども未来プランニング:サービス紹介

また、定期的に不登校をテーマにしたセミナーも実施しております。
こちらも参加無料となっておりますのでご参加ください。

▼子ども未来プランニング:セミナー案内

参考

こどもプラスホールディングス株式会社