こどものおたふくかぜについて
おたふくかぜはみなさんよく聞かれる病気かと思います。
流行性耳下腺炎といわれる病気で耳下腺が腫れる病気です。
2015~2016年に384人がおたふくかぜによる難聴になり、300人近くに後遺症が残ったと報告されています。
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240513_yobo_kansensho.pdf 日本小児科学会より
今日はおたふくかぜについてお伝えします。
ムンプスウイルスの感染症で、幼児・学童に多いです。
大人が罹患した場合、精巣炎や卵巣炎の合併が起こることがあり、妊娠早期の感染は自然流産を増加させると言われています。
★潜伏期間
感染してから症状が出現するまで16~18日くらいです。
また、耳下腺の腫れがみられる1.2日前から感染力があり、腫れて5日ごろまで感染力が続きます。
★症状
全身のウイルス感染ですが、主に耳下腺の腫れがみられます。
腫れのピークは2,3日で、長くても10日程度で消えます。
腫れだけでなく、痛みを伴います。
耳下腺は唾液が出る腺です。唾液が出るときに痛みが強いことが多いので、酸っぱい飲み物(果汁など)や固い食べ物など唾液が出やすいものを避けるなどの工夫が必要です。
発熱を伴う場合もあります。
★★合併症
10~100人にひとりが無菌性髄膜炎を伴う場合があります。
(無菌性髄膜炎の原因となるウイルスは手足口病やヘルパンギーナの原因ウイルスのエンテロウイルスが8割を言われていますが、ムンプスウイルスによっても起こる場合があります)
乳児だと発熱や不機嫌、年長児は発熱や頭痛、嘔吐などの症状が出現し、ときにけいれんや意識障害、脳炎になることもあります。
一般的にが1週間程度で回復していきますが、後遺症を残す例もあります。
500~1000人にひとりが回復不能な難聴になると言われています。
3000~5000人にひとりが急性脳症を併発することがあります。
★治療
対症療法です。
★予防
日本はおたふくかぜのワクチンは任意接種です。
2回の接種が推奨されており、1回接種だけでは予防効果が十分ではないといわれています。
1回目は1歳になってから、2回目は小学校に入る前までには接種しましょう。
自治体によってワクチン助成制度が設けられていることがあります。(一部または全額負担)
また、飛沫や接触により感染するため、一般的な手洗いなどの予防が必要となります。
★登園基準
耳下腺、顎下腺、舌下線の腫脹が発現したあと5日を経過し、全身状態が良好になるまで
上記基準が設けられていますが、症状が個々に違ってくるので、かかりつけ医に相談しましょう。
身近に名前を知っているような病気であっても重篤な合併症を起こす場合があります。
おこさんを病気から守るためにワクチン接種は有効な予防のひとつとしてご検討いただければと思います🌞
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