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実践に役に立つ脳科学マーケティング

どうも、Keiです。

今日は脳科学マーケティングについて。

「今、買わなければ損」

「申し込みは月に一度だけ」

「損得感情」をアピールして購買意欲をかき立てるLPや広告よくありますよね。

最近は広告価値が下がり、広告っぽくない広告が増えてきてますが...

これは、各種SNS、メディア、動画媒体、ライブコマースなどによって、
視聴者の情報取得レベルが上がったことが原因です。

「うわ、広告かよ。」

視聴者が広告と認識した瞬間に、脳内ブロックされてしまうのが現実。

そして、欧州の個人情報規制であるGDPRやITPなどによって、個人情報の二次利用がどんどん規制されて、リタゲーティング広告などが禁止される可能性もあります。消費者の日常に馴染めないものは排除されていく感じですね。

そんな広告戦術の中でも良く使われる「損」の訴求は、みなさんご存じの通り、ドーパミンというホルモン物質を刺激して報酬神経を刺激する脳科学マーケティングです。(プロスペクト理論)

と言うことで、本日は、何となく聞いたことのある脳科学マーケティングについて。

買いたがる脳


欲しかった商品を値引き価格で購入できるときの興奮状態は、コカインの吸引状態と近くなるほど交換神経が反応します。

交換神経が反応する時の脳の状態は怒りなどの感情が多いですが、欲しかった商品を値引き価格で購入できることは、最大の興奮状態をもたらすと言われています。

そんな消費者購買行動の際の脳内には、画像の様な分別をしています。

消費者の頭の中にある、WantsとNeedsを考える

多くの消費者は買い物に「行く」ことは楽しいが、「買う」のが面倒と感じると思います。

このときに、行くことを楽しむときは、要望(Wants)をみたすもの、買うことが目的の場合は、必要(Needs)を満たすものになります。

消費者がモノを買う際は、このWantsとNeedsを画像のようにグルーピングをしていると、「買いたがる脳」の中で紹介されています。

右軸にWants、左軸にNeedsを置いて考えます。

脳科学マーケティング

消費者の頭のなかでこれに分類されれば買われる商品になるもの
当面は購入する可能性が低い商品だが、消費者の価値観や状況によって変化する。美術品や今まで価値と感じなかったものが価値になる商品が多い。絵とか。
必要性を全く感じないが、欲しいと思わせる商品
通常欲しいと思わないが、緊急的に必要性を感じる商品。病院や歯医者幼稚園などもそれにあたる。薬品や治療(直す)商品はこれに多い。


②から①に変化させために、各企業がマーケティング、PR、ブランディングなどあらゆる施策を活用しますが、最もシンプルで効果が高い施策が脳科学的に次の5つが有効だそうです。

①消費者に「作業」を与える(=体験)
→ホットケーキの通販会社がホットケーキではなくホットケーキを作れるセットも一緒に送る、カフェで豆の匂いをかがせるなど、体験に該当します。
②希少性や限定性を出す
→申し込み期間が限定されていたり、クーポンセールが24時間で失効したりなど。
③楽しさを演出する
→ディズニーなどでは楽しいから何かを勝っておかないと損する感情が働ている
④必要なものにする
→ショッピングモールの来客者は時間つぶしで気晴らしにきてるので、接客体験を向上させ、その瞬間だけ買わなければならないものと錯覚させる。アメリカの空港の化粧品売り場で暇つぶしの顧客にイケメンを接客担当にして雑談させたら化粧品がバカ売れした話などこれに該当する。
⑤コンプレックス訴求
→問題を感じさせて購買させる。しかしこれは飽和状態であり広告も飽和しているので消費者の身近にいる人からの口コミを(クローズドな井戸端会議の様なコミュニティできく情報を指す)信じるようになりSNSがそれを爆速化させる
→今後はやる気やモチベーションを向上させて潜在的な能力を生み出すための言葉や情報に価値が集まり安くなり、そこから商品が売れるケース増えてくるのではないか。これは現代のコーチング市場や瞑想市場などなりたい自分が見つからなかったり、自分の根底の欲求を満たせる商品が流行るがこの商材は一歩間違うと情報商材や悪質な宗教信仰に騙されるので注意が必要。オウム真理教もこの類。歴史は繰り返されるんですね。

これらの方法が最もシンプルで効果が出やすいと言われていますが、そもそも消費者が購買をするときは、消費者の問題解決できれば、必然的にWantsでありNeedsである商品と化します。

消費者の問題は、ジョブ理論に近いです。

消費者が解決したい問題(=ジョブ)が明確なのであれば購買されます。

ジョブ理論を脳科学的に言うと、スイスアーミーナイフ理論に近い気がします。スイスアーミーナイフ理論とは...

普通のナイフでは果物しか切れないが、スイスアーミーナイフは紙や普通のモノもきれる万能型ナイフ。
→普通のナイフよりスイスアーミーナイフの方が、顧客の問題解決の選択肢を多くもてるという理論。

顧客の問題(=ジョブ)を解決するためのモノとしてはニュアンスは一緒でしょう。

WantsとNeedsを満たすためには、顧客の問題解決を満たせる商品が重要であると話してきましたが、顧客の購買意思決定の背景をもう少し深ぼっていきます。

購買行動の背景は3つに分類できる

購買行動の原因となる思考背景は大きく3つに分類できます。

①無意識的な思考
②カテゴリー化
③経験則で判断

①無意識的な思考
無意識的な思考には、瞬間的な思考と内省的な思考に分類されます。
・瞬時な思考:システムI
→暗示的な記憶:瞬間で忘れそうな記憶、文字ですぐに表現できる(感知的な記憶
・内省的な思考:システムR
→明示的な記憶:日常でしみついていて行動でしか表現できない記憶(習慣的な記憶)

②カテゴリー化する
例:健康食品と聞けば、脳が勝手に身体に良いものと認識をするのでどれだけハイカロリーでも身体に良いと多くの人は錯覚してしまう。例えばカロリーメイトやレッドブルなどその類であり、前者はカロリーをメイトするからダイエットに良いのだろう、後者は身体を起こしてくれるエナジードリンクだからこれを飲め元気が出るのだろうと言った感じになる。

③経験則で判断する
・経験則を決める人間の生活習慣は次の5つがあります。経験則的判断をするのは、情報の取捨選択をするのが面倒であり、自分の経験に基づいておけば失敗しないだろうという認知バイアスがかかってしまっています。

暖かさは安全
・人間は元々母親の元で育児をされて母親に暖かく育てられ、暖かい=母親の優しさ、優しさ=暖かさなどの基準がしみついています。それを基準に判断に物事を判断するので、デートの際の店内の気温は暖かい場所など、初対面の人とはホットドリンクを飲むなど、暖かさを意識すると、人と仲良くなる確率が高くなると言われています。

習慣
・スーパーで何を買うかなどは日常的習慣行動と脳が認識しているので、それ以上に面倒なことを選択しません。通学路などやスーパー内のルートなどもそう。非日常を求めると物事の選択のスイッチングコストが発生します。人間には恒常機能を維持する働きがあるので、非日常体験を自ら毎回好みません。

猿まね能力
・他社から認められたく、他社のマネ(集団行動や社会への同調)をすることは誰もが経験をしてきたために、消費者間で同質者が多ければ多いほど安心機能がはたらきます。ハイブランドのマネージャー達は常に消費者間同士の認識が同じであるかを確認し、違うターゲットに商品が届きブランド毀損に繋がらないかを常に意識しているそうです。

アンカリング効果
・アンカリング効果は、何かを基準として物事を判断する事。店内の商品で日常的に購買している商品価格が安ければ、他の商品価格も安い店と錯覚することになります。小売り店舗はLTVが長い商品(飲み物、野菜など)を破格の値段で安く設定して、他のスーパーにスイッチされないようにすることが大切です。

利用可能性
・すぐに利用できるかどうかが重要。日常にすぐに取り入れることができるのかどうかが大切です。新しい商品やサービスの財を購入する時は基本的に日常行動に新しい習慣を取り入れることであり、そのコストは高いです。例えばこれまで運動を習慣にしてこなかった人に運動グッズを購入させることは難しいですよね。

無意識的な購買行動の背景の中でも経験則的な行動背景には、

①暖かさを基準に判断する
②習慣
③猿真似能力
④アンカリング効果
⑤利用可能性

これらが重要でした。ではこれらの購買背景を刺激するにはどうしたらいいのでしょうか。

経験のきっかけを販売する

一言でいうと体験ですが「体験」といってもどのような体験であるかが重要です。ただ商品を触る体験だけでは意味がありません。

この体験については物語性が大切だったり、感動が大切だったり、色々な捉え方がありますが、考え方によって打つべき施策も大きく変わってくると思います。

なので、「顧客体験をするべき」と一言で済む話ではなく、なぜ、どのような、そしてどうやって設計するのかが重要です。その最適解を見つけるためには、様々な視点(ブランディング観点、脳科学も学問的観点など)から情報を取得しておくのが良いでしょう。

ということで最後の章です。

経験のきっかけになるものは人的なものと、物的なものがあります。ハイエンド高級スーパーにはアトラクションのような設備とエンターテイメントを体験でき、それが経験のきっかけになります。

人的なきっかけ作り
代表的な人的なきっかけ作りは販売サービス人員マニュアル作成であり、ディズニーやアップルは販売員の顧客体験が圧倒的です。

アップルでは販売員の接客マニュアルに、「Feel(共感) Felt(同館) Found(実感)」を意図を言葉に込めて必ず対応するようにしているそうです。「わかります、感じます、感じていました」など。

物的なきっけけ作り
一方で、物的なきっかけは店内設計の内装などを体験型施設のようにこだわる事。この物的背景には、オーストラリアの建築家であるグルーエンが設計したモールが大きく関わっています。

このモールでは、モール内に緑や滝などの自然的な開放的空間を設計して、香りやBGMなどにもこだわり、消費者の緊張的なロジック思考を緩和することで、売上が爆発的に伸びました。

余談ですが、これによって、物的なきっかけによって「安心」を与えている事を「グルーエン効果」と言われるようになりました。

・物的なきっかけ
・人的なきっかけ

この二つを念頭に、サービス設計をする必要があります。

最後に

長い内容になりましたが、人間の購買行動の背景についてピックアップして、脳と心理的状況が購買にどのように関係しているのかを脳科学という視点から総合的にアウトプットできました。

マーケティングは総合格闘技のようなもので、学問的な内容を知っているか知っていないかで売り上げをすぐに改善できたりもします。

今回のアウトプットのためにインプットした著書は以下の3冊です。

心脳マーケティング
買いたがる脳
脳科学マーケティング100のテクニック

「買いたがる脳」の内容は目から鱗で、バイブル書になりました。
「心脳マーケティング」は実験や事例が多めなので上記内容の辞書代わりに読むと理解が深まります。
「脳科学マーケティング」はテクニック論を浅く広く書いていますが使えそうな内容は少ないのでお勧めしません。

なのでテクニック論の中でも実践ですぐに使えそうな内容をまとめているので参考にしてみてください。

▼脳科学マーケティング 100の心理技術大全から20種類を抜粋
・キリのよい数字を使用しない
・アンカリング効果を活用してつり商品を作成する
・二番手商品(プラン)を用意する
→比較させてお得感(お値打ち感)を出す
→web価格200円/紙価格100円/web・紙200円
・パーミッションマーケティング
→顧客に帰属意識を持たせて、トライブ(部族)の一員であると思わせることが重要
→自社商品のファン同士が関われて、人と人との接点になれる場所を提供することがコミュニティとなり一つの経済圏を生み出していく。
・紙媒体とデジタル媒体で作用する広告効果は待った違う
→紙では触るという五感に触れることができ、記憶に残りやすい
・紙媒体は重く、分厚く印刷する(重いの類義語として真剣などがある)
・ゴールに近づくと頑張れるようになる
・信頼を得るためにはオキシトシンが必要である
→顧客への信頼を開示すれば顧客は信頼を返したくなる
→信頼を与える方法として無料キャンペーンなどの実施
・オフラインでのスキンシップはオキシトシンが分泌される(信頼分泌ホルモン)
→接客、握手など
・顧客には右から話しかける
・事前に小さなお願いをする
→メインのお願いで相手に不快な思いをさせないために小さなお願いをする
→時間をきく、アンケートの依頼を最初に行うなど
・暖かい飲み物をだす、硬い椅子に座らせない
・新商品、無料などの言葉を多用する
・%表示ではなく実数を活用する
・顧客の考える手間を省く
→意思決定においてじっくり考えることには単純な意思決定、瞬間的に考えるのは複雑な意思決定
・ケチな人にお得感をアピールする
→世の中の人の財布の価値観構成(ケチ層:24%、理想と現実間で消費行動の葛藤がない人層:60%、浪費家層:15%))
→倹約家の傷みは少なく、節約を楽しんでいる人が多数
・報酬ホルモンを刺激する
→報酬に対する期待は大きいが、報酬をもらえる確率に対しては鈍感な人がほとんど
・カスタマイズした商品を作成する
→パーソナライズ(MEDULA)、名前入り(スタバ)
・ものを触らせて所有者になった気分を味わさせる
・黄金比を活用してサービスサイトを設計する(1:1.618の空間法則))













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