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お釈迦様の誕生日、花祭りの甘茶には当りはずれがある。
甘茶をもらっておきながら、このようなことを申し上げるのは、本当に罰当たりなことですが・・・。
「おぉ・・これは、おいしい」と思う甘茶と
「こ、こりは、茶葉の渋みが勝っとる・・・。」と思う甘茶があります。
といっても、日本全国津々浦々の寺院を周り、甘茶をいただいた甘茶研究第一人者でも何でもないので、私の数少ない甘茶経験から個人的趣向に基づき、述べさせていただいた次第です。
まず、花祭りとは、お釈迦様の生誕を祝う祭りです。
4月8日は、お釈迦様の誕生日。4月7日が鉄腕アトムの誕生日。
仏教界で、祝い事という行事はあまりありません。が、このお釈迦様の生誕日だけは、『花祭り』とよばれております。別名、降誕会(こうたんえ)や灌仏会(かんぶつえ)と呼ばれていたりもします。
といっても、大々的に行う行事ではなく、各地の寺院が行っていたり、行われていなかったり、近隣の寺院が集まって行っていたり、行われてなかったりする行事です。
日本仏教界には、それぞれの高僧を主とする宗、そこから枝分かれする宗派がありますが、お釈迦様は、各宗共通のお方。
宗旨問わず、お祝い申し上げあるのが『花祭り』です。
あ、ちなみにこの『花祭り』では、白い象を引きます。(本物じゃないよ)お釈迦様のお母様が夢の中で白い象がお腹の中に入り、身籠ったと伝えられているからです。
花祭りが行われている寺院に、白い象の像の上に花で彩られた小さなお堂を乗せ、小さなお釈迦様を安置しているのを見かけます。
この像の下に台車があって、象に紐がつけられ、その紐を引っ張るみたいなことをしていたり、していなかったり。
そして、そして、参詣者の方には、『天上天下唯我独尊』のポーズをとられているお釈迦様の像に甘茶をかけるという参加型イベントがあったりします。
私が通っていた仏教系の幼稚園では、この『花祭り』に園児一人一人が順番にお釈迦様の像に甘茶をかけていいことになっており、私は、この行事が好きでした。
なぜなら、甘茶がおいしかったから。
どや~と小さなお釈迦様の像に甘茶をかけるのも、楽しいけれど、その後に先生からもらえる、紙コップに入ったあま~いお茶!
もう、虫歯なんて関係ないもんねって程の甘味が口の中に広がります。といっても、ただただ、甘いだけではありません。
甘味の後にくる茶葉の渋み。園児に「この渋みがたまらんばい!」なんてこたぁ言えませんでしたが、甘すぎず、苦すぎずの塩梅がいい感じになっていたのを覚えています。
このおいしいイベント『花祭り』。卒園してから、とんと出会う機会を失いましたが、京都で暮らしていたある日、ふらふらと寺院仏閣をうろついていたら、出会ってしまいました。
なんかもう、身体が勝手にお釈迦様に甘茶をかけていました。
そして、いただけた甘茶。「やったぁ~」と思い、園児だった記憶をハイライトのように思いだしながら、一口。
「あれ、苦いな・・・。というか、渋いのか・・。」
記憶ほど甘くはありませんでした。
甘茶ってこんなんだっけ。紙コップ片手に考えました。
私が過去に飲んだのは、園児用に作られた甘茶なのか?確か、金のやかんに入っていた。あれは、糖分2割増しぐらいに作られていて、本来は、こんなに苦いものだったりするのか。
そもそも、甘茶ってお釈迦様が誕生された時に、産湯に甘露を注いでお祝いしたことが由来なのだから、”茶”の部分なんて要るのか。
もう何なら、”甘”+”水”でただの甘水でどうだろうか。
なんて、思ってたら最近甘茶について知りました。
この甘茶は、ユキシタ科のアマチャを煎じたものであるということを。
あぁ、そうか。この甘いやら苦いやら渋いやらの違いは、煎じ方の違いなんだろうなぁ。
幼稚園の先生は、園児用に薄~くしてくれてたんだろう。
いや、もしかしたら、甘味が足りないなんて、ガムシロップをちょい足ししてくれてたのかもしれない。
そんな甘~い花祭りの思い出を4月になったらふと思い出します。
"甘茶”は、無病息災を願うもの。機会があったら飲んでみてください。