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本を通して《自分を伝える》

関東/四年制大学文系/編集(文芸・ライトノベル)志望


「好きな本は?」「好きな作家は?」

出版社の選考では定番の質問。

ただ正解がない。激ムズの質問。
面接官によって反応が変わる。

私は中高時代の部活でビブリオバトルというものをしてきた。参加者がオススメの本を5分で紹介し、一番読みたいと思われた本《チャンプ本》を観客の投票で決める競技。本と紹介者が一組になって戦う競技は、なかなか奥深い。
大会に出たり、様々な人とビブリオバトルをしていると、次第に伝えやすい特徴があったり観客に刺さりやすい「強い本」があることに気づく。

「ビブリオバトルで勝つ秘訣は?」

最終面接での質問。

――本が魅力的なのはもちろん、それを話している発表者が魅力的に見えることだと思います。

緊張しすぎて詳しくは覚えていないが、そんな主旨のことを喋ったと思う。
長年取り組んできた中で絞りだしてきた、本音。
たとえ「強い本」を持ち出したとしてもその本について話すその人自身が魅力的に見えなければ、聞き手には刺さらないのだ。

話を冒頭に戻すと、出版社の就活も同じことが言えると思う。
1つ違うのは、観客の面接官が見ているのは本ではなく、就活生の私だということだ。そして好きなものはきっと私自身よりも雄弁に私という人間のことを伝えてくれる。私の場合、ビブリオバトルで一緒に戦った本たちに、今度は私を伝えるために戦ってもらうことになった。
はたしてそれに一貫性があったかはわからない。ただ、愛する作品たちを読んでいなかったら今の自分にはたどり着いてないと思うし、就活中に自分を見失いそうになっても《この作品が好きな自分》だけは疑いようのない自分自身だと思えた。

ESや面接でどの作品を挙げようか。そう考えている就活生の君。大事なのは君自身がどう見えるか。どう見せるかだと私は思う。

ビブリオバトルのキャッチコピー。
人を通して本を知る。本を通して人を知る。

やることがビブリオバトルと変わらないなら、難しく考える必要はない。
そう思えた就職活動だった。

高校時代、ビブリオバトルの大会に出た本。一冊あげる時は名前を出していた。
ES提出直後に観た宝塚公演。コナン・ドイルが主人公の物語で、劇中の編集者に自己投影して自分を奮い立たせた。
2月末には出雲大社に。神頼みも大事。しめ縄ってあんまり下から見ることないですよね。

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