見出し画像

映画「わたしはダフネ」先行試写会・主演女優オンライントークショー感想レポート

NPO法人アクセプションズ様presents 映画『わたしはダフネ』特別先行試写会に参加させていただきました。
貴重な機会を誠にありがとうございました。

映画の感想を綴っていきます。

映画『わたしはダフネ』イントロダクション

ダフネが教えてくれる。
大事なのは、
自分を好きになること。
人を信じること。

ダフネは快活で社交的なダウン症の女性。スーパーで働きながら、アンティーク店を営む父ルイジ、母マリアと平穏に暮らしていた。しかしバカンスの最後の日、マリアに突然の死が訪れ、生活が一変。年老いたルイジは自分が死んだら娘が独り残されてしまう、と不安に苛まれてふさぎ込んでしまう。そんな姿を見て、ダフネは父にある提案をする…。

公式WEBサイトより)

===

ダフネという1人の女性の物語として魅了される映画

この映画は、明るく日々を慈しんで生きるダウン症の女性ダフネと、悲観主義者の父ルイジとが、最愛のマリアを亡くした悲しみを共に乗り越えていく物語です。

まず印象的だったのが、ダフネ役のカロリーナ・ラスパンティさんの演技です。

母が亡くなり、悲しみ取り乱すダフネに「涙を止める薬だよ」と薬を勧める父親に、ダフネはこう言います。

「薬なんていらない。私は泣きたいの」

ダフネは、悲しいときは大いに泣き、嬉しいときは全身で喜びを表現し、ユーモアを効かせて、お洒落をしてダンスを楽しみ、イキイキと生きている様子がスクリーンに映し出されます。

ダフネはスーパーでの仕事をとても誇りに思っています。仕事に対して「全部愛している」と同僚に語ります。同僚たちがパーティーをして、母を亡くしたダフネを励まそうとするシーンは、ダフネもまた同僚たちに愛されているんだと感じました。

わたしは「ダフネと友だちになりたい」と思いました。

きっとダフネと友だちになったら、素のままの自分で楽しく過ごせるだろうな、と感じました。俳優の方々の演技まで、とてもリラックスしているような気がしました。

ダフネは彼女自身の人生の主人公として、とても人間らしく魅力的で、魅了されました。

ストーリーも最後には父娘がとても良い雰囲気に終わりますし、ラストシーンは、ダフネならではのエピソードに、こみ上げるものがありました。

この映画は、ダフネという1人の女性の物語として、とても魅力的でした。


なぜ映画になっているのか?


主人公がとても素敵な、どこにでもある映画ではないのかな?とふと、思いました。

これは、観る私に偏見があることで、映画になっているのでは、と思いました。

ダウン症の人は働けない
ダウン症の人は恋をしない
ダウン症の人は人生を楽しんでいない
ダウン症の人は誰かを思いやることはない


観る私の心の奥底に、そんな偏見があるから、ダフネの在り方はことごとく目新しく、新鮮で印象的に映るのではないだろうか・・・

’ダフネは快活で社交的な「ダウン症の」女性’

「ダウン症の」と表記されなくても、ダフネ自身の魅力が溢れていることが作品の魅力として、観る人の心を動かす映画だと、私は思いました。

心温まり、爽やかな映画でありながらも、一方で、私自身に立ち返った時には、自分自身に偏見があるのではないかと、すごく考えさせられました。


オンラインでの主演女優のカロリーナさん、お母様のトークショー


特別先行試写会の後半は、オンラインで主演女優のカロリーナさんと、お母様による、同時通訳を付けてのトークショーがありました。

画像1

驚いたのが、監督はカロリーナさんに台本を渡していないこと。
カロリーナさんがセットに行くと、監督から今日は何が起こるか説明を受けて、カロリーナさんが自然に振る舞えるように撮影が進んだそうです。

カロリーナさんは実際にスーパーで働いているそうです。食品部門の消費期限管理の責任者で正規雇用され、給与はカロリーナさんの口座に入り、自身で管理されています。

映画出演の経緯もユニークでした。

カロリーナさんは自身の経験を元に3冊の本を出版されています。
本のプレゼンを撮ったYouTubeを監督が見て、Facebookで友達申請が来て連絡を取り合い、主演に抜擢。カロリーナさんは最初は監督を知らない人だと思い、友達申請を却下したとのことで、会場からは笑いが起こっていました。

画像2


お母様はカロリーナさんを特別と思ったことはない、お母様から見てもカロリーナさんは幸福な人生を送っています、とインタビューに答えていました。お母様から、カロリーナさんは自分でアパートを購入して、私たち両親がカロリーナさんのアパートにお世話になっているんですよと話していて、とても嬉しそうな印象でした。

メッセージは「自分らしくあることが大事」

カロリーナさんは「自分らしくあることが大事」をメッセージとして届けたい、と仰っていて、まさにこの映画のダフネのメッセージと重なりました。

私自身も「自分の人生を生きたい」と日々小さなチャレンジを重ねています。カロリーナさんの自分らしく意欲的に生きる姿に、とても励まされました。


大切な家族がいる全ての方に、この映画と対話をオススメしたい

この映画はいろんな立場の方に観ていただき、感想を語り合うことで、私自身も理解を深めたいなと思いました。

私自身が関わらせて頂いている、きょうだい映画製作委員会・映画「ふたり〜あなたという光〜」における、シネマローグ(映画(シネマ)+対話(ダイアローグ))をしてみたい映画だと感じました。


東京では岩波ホールにて2021年7月3日から上映開始、順次全国で上映されます。

障がいに関わりがあっても、なくても、大切な家族がいる全ての方にオススメしたい映画です。ぜひご鑑賞くださいませ。




いいなと思ったら応援しよう!

東洋美(ひがしひろみ)
お気持ちをありがとうございます!あなたの健康に寄与できるように、書籍、講座、メニュー試作に投資して、還元に努めます。