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🇬🇧#11 ダックスフォード帝国戦争博物館(後編)

前回はこちら。


ケンブリッジ近くにあるダックスフォード帝国戦争博物館。後編ということで、アメリカの航空機を中心に紹介していきます。

ダックスフォード帝国戦争博物館おさらい

博物館の展示棟をもう一度おさらいしましょう。

博物館の地図再び

ダックスフォード帝国戦争博物館の主要な展示棟は以下になります。

① AirSpace (イギリスの航空機)
② Flying Aircraft (動体保存されてる航空機)
③ Air and Sea (海軍機)
⑤ Conservation in Action (レストア棟)
⑦ American Air Museum (アメリカの航空機)
⑧ Land Warfare (陸戦館)
⚪︎ Battle of Britain
※④と⑥はなぜか欠番。

また、屋外展示として
・B-17爆撃機
・スピットファイア
・V-1飛行爆弾
・ジェット旅客機
などがあります。

前回はイギリス館を紹介して力尽きました。今回はアメリカ館を中心に、その他の展示を紹介していきます。


アメリカの航空機たち (⑦ American Air Museum)

アメリカ館は博物館の入口からかなりの距離があり、歩くと10分くらいかかりました。滑走路や旅客機の展示を眺めながら歩いていると、前方に巨大な建物が見えてきます。これがアメリカ館です。

ドーム球場かな?というくらいの大きさ

中にはアメリカの有名な航空機が所狭しと押し込まれています。

B-52がデカすぎ
配置図。真ん中の一番大きいやつがB-52

特に好きな3つの機体だけ紹介します。


North American P-51 Mustang

ノースアメリカン社が開発した戦闘機。スピットファイアと同じマーリンエンジンを搭載したD型は第二次世界大戦中の最優秀機とも言われています。

横から見ると角張ってて面白い


Lockheed U-2

ロッキード社で開発された偵察機。1957年に運用開始され、なんと現役だそう。

2万メートルを超える高高度を飛ぶため、アスペクト比が大きい(細長い)主翼となっています。

高高度を飛ぶのは迎撃機が上がってこれない高度から安全に偵察するためでしたが、後に地対空ミサイルが発達し、しばしば撃墜されています。

細長い胴体に細長い主翼


Lockheed SR-71 Blackbird

U-2の後継機としてロッキード社が開発した、超音速・高高度偵察機。地対空ミサイル追いつけない速度で飛べば良いじゃん、という思想で設計され、巡航速度はマッハ3という恐ろしい機体です。

1966年に運用が開始されますが、コストがかかり過ぎることや偵察衛星の性能向上のため、1998年に退役しています。

機体の特徴としては、ステルス性を持たせるためのブレンデッドウイングボディや側面の張り出し、巨大なエンジン、内側に傾いた垂直尾翼といったところでしょうか。

とにかく奇抜な形をしており、アメリカ館の目玉になっています。どうやってこんな形を設計したのか不思議でなりません。

エイのような機首。この張り出しがステルス性を生み出します。
滑らかな機体表面
エンジンのインテーク。円錐で衝撃波を発生させ、衝撃波背後の高圧空気を取り込む。


屋外展示

Boeing B-17 Flying Fortress

ボーイングが開発した大型戦略爆撃機。ランカスターとともに、主にドイツへの空爆で活躍した機体です。

とにかく頑丈でエンジンが1つ2つ止まっても、機体が穴だらけになってもイギリスまで帰ってきたものも多いとか。

生産数は12,000機を超え、零戦以上の生産数になります。エンジン数が4倍もあるのに…。アメリカ恐るべし。

滑走路横に置いてあります
メンフィス・ベルの塗装でした
ドイツへの戦略爆撃で失われた航空機を示す展示。レーダーと対空砲によるドイツの防空網は恐ろしいものだったのです。


V-1 飛行爆弾

ドイツ空軍が開発したミサイル。パルスジェットエンジンで飛び、ジャイロスコープにより誘導されるミサイルの元祖というような兵器です。

ロンドン都市部への空爆などに使われました。

丘の裏の木陰に置かれていました。レプリカみたいですが、なんでこんなところに?


野ざらしSpifire

3翅プロペラなのでMk. Vくらいの初期型だと思いますが、特に説明もなくよくわかりません。

子供の遊び場になっていました


飛ぶSpitfire

動体保存されてるスピットファイアが飛んでいました。飛んでる姿も美しい。

着陸後に近づいて見たところではMk. IXだと思いますが、詳細はわからず。

音は凄まじく、この距離でもうるさかった


その他展示

最後に、その他の展示室にあった機体を何点か。

偵察型Spitfire

偵察型のPR MK. XIだそう。PRはPhoto Reconnaissanceのこと。確かに動体側面にカメラのレンズが見えます。

高速化するために主翼が滑らかになっています(レストアによるものかもしれないですが)。

色も良い。地上から発見しにくい色なのかな。


Fokker DR1

第一次世界大戦時、ドイツのフォッカー社が開発した三葉機のレプリカ。

レッドバロンと呼ばれた撃墜王、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンが乗っていた赤い塗装になっています。

ここから20年でスピットファイアが現れ、さらに30年くらいでSR-71まで進化します。航空機の開発スピード恐るべし。

赤い彗星の元ネタか。


三菱 A6M 零式艦上戦闘機

トリはこの方。我らが日本が誇る戦闘機、零戦(の残骸)です。中島製らしいですが、どうやって鹵獲されたかなど一切不明だそう。

レストアされずに当時の姿を残しているため、資料性が高いらしいです。

主翼の主桁に肉抜きがなされるなど、徹底的な軽量化の痕跡を見ることが出来ました。

これだけ見て零戦とわかる人はすごいです



というわけで、かけ足かつ途中から息切れしましたが、ダックスフォード帝国戦争博物館の紹介でした。
ではまた。

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