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日常の中で、"定型"と"非定型"を見極める
この連載の目的
皆さん、こんにちは!
この連載は、地方で働く事務員だった私が、実際に経験したストーリーを通して、「自分もできる!」と思っていただける内容をお届けします。特に地方や女性の働き方の変革に興味のある方、あるいは現状に悩んでいる事務職の方に向けて、役立つ情報を提供したいと思います。なぜこのテーマを選んだのか。それは、私のような普通の事務員が、ノーコードを使うことで新しいキャリアの道を切り開けることを知ってほしいからです。これからの連載を通じて、少しでも皆さんのヒントになれれば幸いです。
前回のnoteはこちら
「定型」と「非定型」の違いの発見
第1話では、日常業務に潜む「改善のヒント」を探る視点についてお話ししました。この視点を活用することで、業務のムダや非効率に気づき、それを改善するための手がかりが見つかります。
今回はさらに一歩進み、「定型」と「非定型」を深掘りをして、思考訓練を発展させていきたいと思います!
繰り返し作業と変化する作業をどう捉えるか
業務には、大きく分けて「繰り返し作業」と「変化する作業」が存在します。それぞれの特徴を理解することで、どの部分を効率化し、どこに柔軟性を持たせるべきかを判断しやすくなります。
固定的な作業(繰り返し作業)
特徴:毎回同じ手順やフォーマットで行われ、一定のルールのもとで進められる。
例:週次レポート作成、在庫確認、経費精算、定型データ入力。
課題:手作業で行うと時間がかかり、ミスが発生しやすい。
変化する作業(柔軟対応が求められる作業)
特徴:対応方法が状況によって異なり、一定のルールでは処理しきれない作業。
例:顧客ごとの特別対応、新規プロジェクトの計画、クレーム対応。
課題:ケースごとに判断が求められ、属人的になりやすい。
前回ご紹介した「ムダを疑う視点」に加え、こうした分類の視点を持つことで、業務のどの部分を効率化すべきか、またどの部分に柔軟な対応が求められるのかが明確になります。こうした視点は、プログラミング思考にもつながります。業務の仕組みを整理し、どの作業を定型化できるか、どの作業に柔軟性が必要かを見極め業務を整理することは、システム設計の基本です。プログラミング言語がわからなくても、こうして業務を整理し、構造的に考えることができれば、システムの仕組みを理解することは十分に可能です。これは、ノーコードツールを活用する際にも役立つ考え方です。
もちろん言語を学ぶことで、自分でシステムを構築できるようになりますが、それには時間や専門知識が必要になります。しかし、ノーコードツールを活用することで、エンジニアと同じ視点でシステムを設計し、自ら業務を最適化することが可能になるのであれば、確実にリスキリングとなりスキルアップにつながります。
繰り返し作業をコードで表現したものをみてみよう
このような業務の構造をコードとして表現すると、定型的な作業と変化する作業がどのようにプログラム上で処理されるのかが明確になります。
ここで頭の中で理解した業務の構造を、ードで表現するとどうなるか、雰囲気だけ感じてみましょう!(エンジニアになった気持ちになれます)
以下は、プログラミングの視点で業務を定型と非定型に分けた例です。
# 固定的な作業
fixed_task = "月次レポート作成"
# 変化する作業
variable_task = input("特別対応内容を入力してください: ")
print(f"対応内容: {variable_task}")
# 繰り返し作業をループで表現
for day in range(1, 6):
print(f"{day}日目のレポート作成完了!")
このコードの意味
・固定的な作業を表すfixed_taskは、毎回変わらない業務を示しています。
・variable_taskは、都度内容が異なる特別対応の作業を示しています。
・ループ構文では、繰り返し行われるレポート作成を自動化する仕組みを示しています。
このように、「プログラミング」と聞くと、専門知識が必要な難しいものだと感じるかもしれませんが、業務を整理してその構造を理解することができれば、コードを見て何となく意味がわかるようになるはずです。
「プログラミングコードって、こういうことを表しているのか!」と、少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。
日常生活で身につける「定型」と「非定型」の視点
私たちは毎日、何気なく同じことを繰り返したり、その場の状況に応じて違う行動をとったりしています。例えば、朝起きて顔を洗うのは毎日変わらない習慣ですが、出かけるときの服装は天候や予定に応じて変わります。これらは、業務改善にも応用できる「定型」と「非定型」の視点とよく似ています。日常の中でこの考え方を意識し、整理する習慣をつけることで、仕事においてもよりスムーズにタスク管理ができるようになります。
「そんなことが仕事に役立つ?」と思うかもしれませんが、これは思考の癖づけみたいなものなので、ぜひやってみてください!
1. 日常生活パターンを仕分けてみる
まず、自分の日常生活の中で「繰り返し行っていること」と「その都度違う対応が必要なこと」を整理してみます。
定型(繰り返し発生する作業)
毎朝の準備(顔を洗う、歯を磨く、朝食を作る)
ゴミ出し(決まった曜日に行う)
洗濯(週に何回か必ず発生する)
非定型(毎回異なる対応が必要な作業)
その日の気温や天候に合わせた服選び
仕事のスケジュールによる移動手段の選択
家族や友人との予定調整
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このように分類すると、日常の中にもルール化できることと、都度変化することがあると気づきますよね。
2. 「定型」を最適化する
このように分類したあとは、日々の生活の中で繰り返される作業(定型)を最適化することで、時間と労力を削減できます。これらは「断捨離」の仕組みと似てそうです。業務も日常も「断捨離」は整理の第一基本です。
朝の準備をルーチン化する
前日の夜に翌日の服を決めておく。
朝食のメニューをいくつか固定しておき、悩む時間を減らす。
買い物を定期的にまとめる
毎週決まった曜日にまとめ買いをすることで、無駄な買い物を減らす
曜日によって「魚料理」「肉料理」「残り物料理」など決める
これは普段の生活ですぐに取り入れられるもので、いわば日常の無駄をなくす改善ですね。
こうした工夫を構造理解して思いつくようになると、余計な判断や作業に時間を取られることが減り、日々忙しい中でもやらなければいけないことを後回しにせず取り掛かることができます。
3. 「非定型」への対応力を高める
一方で、状況によって変化する作業(非定型)には、柔軟な対応が求められます。これに対応するための考え方を身につけると、様々な変化に素早く対応できるようになり、ストレス耐性も上がります。
服装選びを天候ベースにする
「雨の日は裾が汚れるのが心配だからこのパンツ」など、その日の気温や天気に応じて服装の選び方を決めておくと、急な変化でもある程度対応できる
外食や予定変更への対応
人数の変更などが発生しそうな場合は、あらかじめキャンセルポリシーを確認し、変更の締切日とキャンセル料金の有無などを確認し、参加者へ事前周知をしておく
変化に対応する場合でも、起こりうる変更などを予測し柔軟なルールを作ることで、ストレスを減らし、スムーズな判断ができるようになります。
日常で行う思考訓練がスキルアップに
このように、日常生活で「定型」「非定型」を意識し、こうした視点を持つことで、プライベートと仕事の両面で効率的な習慣を築くことができるようになり、「自分で考え行動する」といったことが自然とできるようになってきます。これは自分なりの「型」を作るのとも似ていると思いますので、ぜひ意識してやってみてください。これら日常の思考訓練は、わざわざ何かを勉強するのではなく、日々の積み重ねで仕事のスキルアップにつながります。
繰り返しの作業(定型)は、仕組み化・ルーチン化する。
変化する作業(非定型)は、柔軟に判断できるフレームワークを作る。
日々の習慣として取り入れることで、業務改善の基礎スキルを身につける。
「なぜなに?」思考や「楽するには」思考ともに、「定型・非定型」思考も追加してみてくださいね!
次回予告:事務員だった私が苦労したデータベースの話
事務職からエンジニアへの第一歩として、「プログラミング思考」の訓練方法をお話ししていますが、次回は私もかなり苦戦をした、「データ」を意識するお話をしたいと思います!
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