終活で一番はじめにしてほしいことは、事務手続きじゃなく〇〇〇〇探し
やっほ〜、答えのない沼へようこそ。
今日は、「終活の目的って、そもそも何?」の沼だよ。
手続きから始めると、終活はエンドレス
エンディングノートができたら遺言。遺言ができたら、葬儀の生前予約がまだだった→通夜葬儀を菩提寺に頼むなら、お布施を前納しておきたい→がん保険にはいまからでも入ったほうがいいのかしら?→相続税対策もしておかなければ→誰かにエンディングノートのありかを伝えておけばいいけれど、自宅で独居で、救急で運ばれてそのままだったら、このノートのありかは誰が発見してくれるのかしら…… でも財産のことも書いてあるし、生前に見つけられるのはイヤだし……
と、ひとたび考え出すと、心配ごとが雪だるまのように増えていく、終活。
終活というと、こんな具合に「自分に万が一の事があったとき、周囲に迷惑をかけないための事務手続きのこと」と考える人が大半だと思います。
でもその終活とやら。
終わる日は来るんでしょうか?
おそらく、来ません。
だって、諸行無常。
人の状況は死の直前までコロコロ変わってしまうものだから。
墓も予約した。
葬儀の生前予約も済ませた。
エンディングノートにいろいろな暗証番号だの通帳のありかなども書いた。
葬儀と納骨をどこでどんなふうにしてほしいかも書いた。
でも、認知症になって法定後見をつけるハメになったら?
家庭裁判所から後見制度支援信託にするよう指示されて、預金の大半は別の金融機関へ移されてしまいます。
あなたが認知症になっている間に、菩提寺の住職が代替わりして、菩提寺との関係があまりよろしくなくなってしまい、息子たちが墓じまいしてしまった。
そうなると、あとでエンディングノートが発見されたものの、葬儀も納骨も、希望の場所ではできなくなっている、なんてことだってありえます。
エンディングノートを書いたものの存外長生きしてしまい、内容のほとんどが実現できなかった事例もありました。
「私の葬式では1985年に〇〇ホールで演奏された〇〇の曲を流してほしい。箪笥の引き出しの何段目にその曲を録音したカセットテープが入れてあります(カセットデッキはもう誰も持っていない)。棺に入るときはクローゼットの一番右端にかけてあるスーツを着せてください(残念ながら虫食い被害にあっていました)。棺には菊は入れず、たくさんのカトレアの花で満たしてください(カトレアは四季咲きですが、亡くなった時期には入手困難でした)。」等々。
あまりにも詳しく書かれたエンディングノートは、実現できないことを増やしてしまい、「思い通りにできなかった」という後悔の念を遺族に残してしまいかねません。
知りたいのは「生きざま」
それよりも、遺された親族や世話をすべき知人や縁者が知りたいのは、あなたの生きかたであり、生きざまなのです。
こんなとき、どうしたかったのだろう?
二者択一なら、よりどんな考えで選ぶのか。
座右の銘は?
あとしまつをしてくれる人の手がかりとなるのは、手続きそのものではなく、「指針」のほう。
さきほどのエンディングノートなら、
「こういうジャンルのこんな感じの曲を」
「白装束ではなく、スーツのジャケットをはおらせるだけでもいいので棺に入れてほしい」
「菊は入れないで、洋風の季節の花で送ってほしい」
と、方針だけ伝えておいてくれたならば、希望をほとんど実現することができていたはず。
生きざまを語るには、ふりかえりが不可欠
ただ、多くの人は「これが好き。これは好きになれない」ということはわかっても、その根拠を説明することはなかなかできないものです。
ふりかえりを習慣づけたり、ふだんから思索をめぐらせ周囲と自己とをみくらべて、「自分はこういう場合に、よりどういった方向でモノゴトを選んでいる」ということを、能動的に分析したりしていないと、なにかを取捨選択している理由を説明することは困難なものなのです。
終活で事務手続きのことをあれやこれや考える前に、まずしたほうがいいのは、生きざま探し。
コエテコカレッジ「縁空塾」では、生きざま探しのお手伝いをしています。
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