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ハンナアーレント 人間の条件 活動的生活と人間の条件 考察

第1章の前の序論では、ドイツ語版には詩が挿入されている。
これは訳注によると 天空の下、大地の上に、人間が生を亨け、好き放題やり散らかし、あげくに滅びようとも、天空は何も変わらず、彼らが仰ぎ見た通りに、いつまでも美しい、ということを暗示しているらしいとある。
どうしても訳された詩というものは分かりにくいのか、センスがないのか文学的あるいは藝術的な素養がないのかと思ってしまう。
ただ、藤村や中也の詩は感動をするのでやはり母国語の関係なのであろうか。

また、第1章のタイトルもドイツ語版では変えているらしい。
英語版では、そのまま人間の条件であった。
それを制約されている条件として本書を進めている生命それ自身 世界性 複数性を条件付けのあり方として労働 制作 行為毎に展開されるとのことを強調されているかのようである。

「人間の条件」での活動的生活は人間存在のわたしたちの行なっていること、つまり活動力に注視し思考については対象とせず人間が地上に生命を得た際の根本条件である労働、仕事、活動を基本としており人間の条件からそのものから生まれた人間の永続的な一般的能力の分析である。
人間の条件そのものから生まれた人間の永続的な一般的能力の分析であると考えると労働、仕事、活動は理解しやすい。
例えば労働は、生きるための生命そのものであり、生命過程の中で生み出されたものは、消費として、これらに拘束されてしまう。労働とはこのようなものである。

仕事について言えば、非自然的であり人工的な世界を作り出し生命を超えて永続的である。
人間的条件では世界性である。活動は人間対人間で行われ多様性つまり、誰ひとりとして同じ人間はいないということで営まれる。

活動力を出生と可死性で考察すると労働は個体生存と種の保存、仕事は生み出す工作物により永続性と耐久力を与える。
活動は政治との関連で歴史の条件を作り出す。
特に活動における出生は、新しいことを始める能力を持っていることである。

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