インナーチャイルドカード#3
このカードは私がひいたものではなく、グループセッションしていた時の他の方の物です。
ちょうど先生を入れて4人でやってましたが、一緒にやっていた方も何かしらお互いにご縁があるそうです。同じグループになったということも不思議なご縁があるそうです。
このカードで簡単にキーワードを出したりはしましたが、後になってもとても気になるので、何かとつながってるかもしれないので書いてみることにしました。
さあさあ、どんな私が顔を出すのやら。
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この国の王様は数年前から自分のほしいものばかりを買って、王様だけが楽しい時間を過ごしていました。
お姫様もお妃様も王様ともっとお話がしたかったけれど、王様は自分だけで遊ぶほうが楽しかったようで自分の部屋からあまり出てきませんでした。
王様は自分のお気に入りの物があれば家来に自慢しました。
自慢するためにパーティーもひらいて盛大に王様の宝物と王様の暮らしを自慢しました。
しかし、自慢するのは買った物ばかりで、お姫様やお妃様が熱心に手入れをして美しい花を咲かせている庭などには全く興味がありませんでした。
隣の国の王様は庭が素敵だとほめてくれたのに、お妃様やお姫様のお花好きをパーティーに来てくださった方の前で王様はバカにしました。
お妃様が大切にしている馬も興味がなく、むしろお金もかかるのでいなくなってほしいなあ、とみんなの前で言いました。
お姫様はみんなの前でバカにされてあまりにも悔しくて悲しくて泣きながら自分の部屋に戻っていきました。
お姫様にこんなひどいしうちをするなんて、お妃様はもう王様を許すことができなくなりました。
王様にお姫様をバカにしたことを謝ってほしい、とお願いしました。
しかし、王様は悪びれることもなく、自分の買ってきた高い物だけが価値があるのだ、と言い切り前からいなくなって欲しかった馬や山羊などをみんな処分するように家来に命じたのでした。
そしてあまりにもショックを受けたお姫様とお妃様はお城の池に飛び込み、探しても見つからなくなりました。
お城中の家来や使用人がお姫様とお妃様がいないことに悲しみ、暇さえあればさがしていましたが、王様は口うるさく言う二人がいなくなったので、ホッとしていました。
それからしばらくたっても池の水は汚れたままで、毎年咲くお花もつぼみすらつけなくなりました。
池に沈んだままのお姫様とお妃様のせいだろうか、家来は心配していました。
ある朝王様が庭を散歩していたら、バラの花が咲いているところに金色に光る銅像を見つけました。
王様は
「前からこんな銅像あったかのう。お妃がわざわざ無駄な銅像を作っていたのかのう?」
不思議に思いながら近づいて見ると、周りのバラ園の柵もバラのツルや花までが金色に光っています。
王様はこれはいい物を見つけた、この銅像を売ってそのお金でもっと高貴な物を買おうと思ったのです。
骨董屋や美術屋を城に来させてこの銅像と金色光るバラを見せて無理やり買わせようとしました。
骨董屋も美術屋もビックリしました。
今の状態では光ってはいるが本物の金なのか、バラの花やツルはどうすればいいのだろうか、初めての品物のため骨董屋も美術屋も金額も出すこともできませんでした。
王様に怒られるのも嫌なので、骨董屋は思いつきで言ってみました。
「なかなか価値がありそうだが、ここから移動させても良さがわかる者は少ないのではないでしようか?そして、バラの花やツルはまだまだ成長して増えていきますよ。こちらで大切に育てて増やした方が良いのではないでしょうか?」
王様はすぐにでも売ってお金が欲しかったけれど、金色のバラをもっと大きくしてもっとお金が入る方がいいなあと納得しました。
そしてその日から王様にとって一番大切な物は金色に光る銅像とバラになりました。
毎日眺めては、これを売ったら何を買おうか考えてニヤニヤしていました。
そして近くで良く見てみようと銅像に近づき顔を覗きこむと、なんだかお姫様に似ているような気がしました。
まさか、と思いもっと近づいて手を握ってみると
「お父様が手をつないでくれるなんてうれしい」
と声が聞こえて、見ると銅像が涙を流していました。
涙が流れ落ちた目やほほの部分は金色がはがれて土色が見えました。
すると雨が降り始めて金色がどんどんはがれていきます。
王様は怖くなってお城に戻ろうとしましたが、銅像から手が離れません。
大声で家来を呼んでも雨音に消されて誰も来てくれないようです。
夜になっても王様は戻って来ていないことは家来達は知っていました。
しかし、王様を探さなければならない、と思う家来はどこにもいませんでした。
お姫様とお妃様を探したりもせず、自分の部屋でこもっていた王様に、今さら誰が心配するでしょうか。
その日は銅像の少女が泣き続けたかのように土砂降りで、お城の池の水はバラ園まで溢れて大きな池になっていました。
雨が何日も降り続いたせいで、バラ園の土も流れてバラの花も枯れてしまいました。
銅像と手を繋いだままの王様も水が溢れて大きくなった池に沈んで見つかることはありませんでした。
家来達は毎日池の傍でお姫様とお妃様を思い出します。
王様のことを考える人は誰もいません。
お姫様とお妃様が大切に育てたバラはもう二度と姿を現すこともありませんでした。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。