仕事がアイデンティティじゃない生き方が羨ましいなと思った話
仕事人間という言葉があるぐらい、日本人は日々の生活を仕事中心に考えている人が多いですよね。
出世することに躍起になったり、起業して大成功することや、好きなことで独立することを人生の目標に掲げている人もいます。どれもみな、仕事をアイデンティティにしていると言っていいでしょう。
かくいう私もそうで、思い起こせば10代でファミレスのアルバイトを始めた頃からすでに、仕事=自分の感覚がありました。
学校なんてそっちのけでアルバイトにのめり込み、新しい仕事を覚えるたびに自分が成長していくのが感じられたときには強い満足感がありました。
いい加減な人が多い水商売の世界に身を置いたときも、生真面目に週6日間きっちり働いては、店と交渉して取り決めた1日につき7割の日払いをきっちりもらってしっかり貯め込み、のちの独立資金にしています。
いっとき無職で家に引きこもっていたときを除いて、独身時代は休みなんてほぼ取ったことがありません。引きこもっていたその時だって、頭から毛布をかぶって朝から株のデイトレードをしていました。
なんでこんな生活をしてきたのかとあとになって冷静に考えてみたら、仕事をして結果を出したり、仕事で人の役に立つことでしか自分の価値を見出せなかったからなんですよね。同じような人も多いはずです。
しかし、世の中にはそうじゃない人もいる、ということを知ったのは今の夫(53)と結婚してからのことでした。
彼は飲食店を経営する一刻の城主にもかかわらず、全くと言っていいほど仕事を人生の中心においていません。そしてそれがまたすごく楽しそうで、幸せそうで、こんな生き方もちょっと羨ましいかもなって思ったのです。
遊ぶことばかり考えている夫
仕事を人生の中心に置かない夫だ、と書きましたが、実は初めのころの印象は「とてもよく働く人」でした。知り合った当時は、朝は9時ごろから、夜は日付が変わるまで仕事をしていました。それも週に一度の定休日以外、毎日です。
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