ルヴァン種とサワー種の違いと特徴とは?どちらも天然酵母の発酵種?パネトーネ種も仲間?
パンを膨らませる発酵種はいろいろある
今回は「ルヴァン種」と「サワー種」の違い、そしていろいろ調べているうちに、よく見かけるようになった「パネトーネ種」ってなんだ?という疑問を自分で解決しようと思います^^
ご興味のある方は、ぜひご一緒くださいませ!(^v^)ノ
【ルヴァン種とは何か】
ルヴァンとはそもそもフランス語。
どういう意味かと言えば「発酵種」!笑
そのものずばり「ルヴァン=発酵種」だったんですね!
そして、フランスではその「ルヴァン」の定義が
『ライ麦粉や全粒粉などの小麦粉+水を混ぜて放置し、野生の酵母菌を酢酸菌や乳酸菌と共に育てたもの』
だそうです。
つまり、ルヴァンとは野生の酵母菌を捕まえて育てる発酵種だけど、中でも「穀物の粉+水」で育成する発酵種、ってことですね。
自家製酵母のうちの「ライ麦ルヴァン種」や「全粒粉ルヴァン種」などが、やっぱりルヴァン種って言っているだけあって、これに属しますね。(よく知らずに今まで「ライ麦ルヴァン種」って使ってましたが、こういう定義があったんですね)
などの利点があります。
果物などで作る自家製酵母よりも、安定感のある種に育てるようですね。
時間はかかりそうですが、長く継いでいくいい発酵種になりそうです。
【サワー種とは何か】
サワー種とは、特に「ライ麦(入りの)パン」を焼くときに使われる「ライ麦パンをちゃんとパンとして成り立たせるために必要な種」と言えるでしょう。
と言うのも、ライ麦粉には小麦粉のようなグルテンが含まれておらず、そのままこねてもべっとべとで、グルテン膜を形成してくれません。
それをちゃんとパンとして美味しく(どうにか)膨らませてくれるのが、サワー種の力なのです。
サワー種は一般的にはライ麦粉+水(全粒粉や小麦粉の場合もある)で作られ、菌としては酵母菌のほかに、酸の度合いの高い「酢酸菌」が多く含まれ、「乳酸菌」もいます。
この「酸っぱい菌」たちをうまく生かしながら共存させて(何度も掛け継いで)育てたサワー種は、その酸のおかげで
と言った利点が出ます。
ライ麦パンを美味しく焼くために絶対必要なもの、それが「サワー種」です。
ですが、ルヴァン種の説明を読んでお分かりの通り、ルヴァン種とサワー種、同じものですよね?
でもなぜ呼び名が違うかと言えば、おそらく「ライサワー」と言うのはドイツ語が語源のようで、
ドイツではライ麦パンが伝統的なパンで、ライ麦パンを美味しく焼くための「ルヴァン種」はドイツで発展したということでしょう。
もちろんどんな天然酵母も、土地や風土、気候や作る職人によって、菌の種類や混ざる菌の割合、育つ菌の強さなど、まったく別のものになります。
本場フランスで「ルヴァン種」を習っても、教えるシェフごとにまったく違った作り方・育て方をするそうです。
酵母は生き物なので、まったく同じ発酵種が出来上がるなんてことは、この世にはないのではないでしょうか。
そう考えると、なんてロマンチックな営みでしょうね。パン作りって。
そもそもはパン生地、つまり発酵種の発祥は6000年も前の古代エジプトで、それ以後フランスやドイツ、イタリアや中国などにそれぞれ時間をかけて伝播していった模様です。
【パネトーネ種とは何か】
パネトーネという菓子パンをご存知でしょうか?
これはイタリアの伝統的なクリスマス菓子で、最近では日本でも結構よく見かけますね^^
フリー画像でパネトーネを探せなかったので、アマゾンで売っているパネトーネから写真をイメージとしてお借りします。
(もちろん、気になる方はクリックされると商品ページへも行けます。パネトーネ、こうやって売っているんですね笑。びっくりしました。そしてパネトーネ酵母種も売ってました。)
「パネトーネ種」とは、イタリアの発酵種です。
フランスでは「ルヴァン種」、ドイツでは「ライサワー(サワー種)」そしてイタリアでは「パネトーネ種」と呼んでいますが、いろいろ菌の正体は違えど、「粉+菌」で作っているというベースの部分は同じです。
つまり僕が気になったこの3つのワードはすべて材料的には同じもので、作られた場所や気候、菌の種類などが違ったり、酢酸菌や乳酸菌のバランスが違ったり、その特徴によって使用するパンの種類が違ったりするみたいですね。
ちなみにパネトーネ種は乳酸菌の力が強いようです。
この種はなんと「生まれたての子牛がお母さんのお乳を飲み始めたばかりの腸を昔は発酵種入れとしていて、そこに小麦粉を入れておいたところ、残っていた菌と粉が混ざり合い発酵したのが起源」とする説があるとか・・・。馬糞の中の菌からとったという説もあったり・・・。ひぃ。
パネトーネ種はイタリアの家庭では「門外不出」的な秘密のレシピの扱いで、なかなかパネトーネ種の真実は明らかにならないようです。いろんな説が渦巻いている模様(苦笑)面白いですね。
現在はパネトーネ種は購入可能で、そちらは各家庭の伝統的な母種とは違い、現代科学で培養されたパネトーネ種のようですが、このパネトーネ種の特徴は
というものが挙げられます。
こういった特徴から、まるでケーキのような発酵菓子パン、パネトーネが作られるわけです。
パネトーネはレーズンや、砂糖漬けにしたオレンジピールやそのほかのシトラス系のピールをたっぷり配合した焼き菓子パンで、卵もたっぷり入ったリッチな生地です。
パネトーネ種は、このリッチさを、おいしく口どけよくまとめてくれる、発酵焼き菓子パンのための最高の酵母種!と言えますね^^
ルヴァン種(発酵種)は皆天然酵母!
いかがでしたか?
ルヴァン種、サワー種、パネトーネ種、解決しましたか??
どれも全部「野生の酵母菌」で作るということで、天然酵母であり、自分で作るなら自家製酵母であると言って間違いないでしょう。
また一つ賢くなったこびとでした^^ノ
でもまだまだ知りたいこと、知らないことは山ほどあります。
パン日記更新しつつ、勉強も続けます!!
こびと