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【読書】世界はひとつにならなくていい

読書のアウトプット、8冊目。

Kindle Unlimitedにあり一気読みしてしまいました。

原田マハさんの小説です。

湧き上がる感動を抑えながら、エイミーは静かに言った。

「私たちはひとつじゃない。だからこそ、共存しなければならないんですね」  

博士はまた、トトン、と指でテーブルを弾いた。   

Y- E- S.

「民族の違い、国家の違い、個人の違いはどうしたってある。それを認めて、受け入れること。それが共存共栄への第一歩だと、私は思うんだが」  

エイミーの顔に光が射した。

博士はちょっとまぶしそうに、エイミーを見る目を細めた。

「私は、あんたではない。あんたは、私ではない。でもこうして一緒に『ランバーズ』でチョコレートブラウニーを食べてる。どうだい、すばらしいことじゃないかな?」 

エイミーはゆっくりとうなずいた。胸のずっと奥のほうが、じんと熱くなった。
上巻p99
アインシュタイン博士と主人公が語り合う場面

世界初の世界一周をテーマに、史実とフィクションが入り混じった作品です。

上下巻ともするすると読んでしまいました。

主人公はアメリカ人のパイロット。

気高く、聡明な女性。

肩を落とすこともあるけれど、決して下を向くことはしませんでした。

そんな主人公を支える日米の仲間たち。

それぞれの心情を考えると、胸が熱くなりました。

決して平和とは言えない今の世界。

one world.

世界はひとつ。

そうはなれないことを人間はわずかな歴史の中でもよく分かってきたはず。

お互いの違いを受けとめて尊重し「共存する」

それは愚かな人間にとって、遥かなる挑戦なのかもしれません。

大事に思ってる人に対しても傲慢になってしまうこともあるし、自分の地位や名誉お金のために騙したり隠したりするし、武力によって脅かすこともあります。

どうしたって共存とは正反対な現実がここにあります。

でも、愚かながらにも挑戦はし続けたいです。

まずは自分の周りの人と共存できるように、視野と心を広くもつことを心がけます。

自分も相手も大事に。

そして、その人間に愚かさにも目を逸らさずに自分にできることをやりたいと感じました。

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