もしかして、あなたもわたしも「生きるのヘタ?」。なんか生きづらい…モヤモヤする…、みんなで語り合いませんか?
何かと「生きづらい」世の中です。「ふぅぅ…」と、思わずため息をついたあなた。電子版「神戸新聞NEXT」にある特設コーナー「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」をのぞきに来ませんか?ベストセラー「ツレがうつになりまして。」の漫画家、細川貂々さん(兵庫県宝塚市在住)とのコラボ企画で、読者のみなさんから寄せられた「なーんか、しんどいなぁ」の声や、インタビューなどを随時アップしています。コーナーを担当する「まあちゃん」が紹介します。
■「生きるのヘタ会?」って何?
こちらが、細川貂々さんが「生きるのヘタ会?」用に、描き下ろしたイラストです。
悩みやしんどさをみんなで話すことで、ホンワカできたらいいな、という願いが込められています。
神戸新聞の「生きるのヘタ会?」は2020年11月にスタートしました。「てんてんさん」はもともと、19年から月1回、宝塚市の市立中央図書館で当事者研究の会「生きるのヘタ会?」を開いています。
「当事者研究」って何でしょう?
当事者とは、困りごとを抱えている「わたし」のことで、てんてんさんいわく、弱さや苦労を誰かと語り合うことで、「自分自身を研究する(考える)=生きづらさとうまく付き合えるようになるかも?」というものだそうです。
宝塚での集まりでは、てんてんさんを囲み、参加した人それぞれが「しんどいです…」「生きるのヘタかも」と打ち明けています。
「職場の人間関係がつらい」とか、「子育てがうまくいかない」とか。ほかの人はそれを聞いて、「私も」「自分の場合は…」などと返します。
相手の考えを否定したり、強いアドバイスをしたりはしません。
なんだかあったかい空気の中で、会が進み、それぞれに「気づき」があったりします。宝塚の集まりを取材した記者の「まあちゃん」は思いました。
「この世界を、もっと多くの人と共有できないかなぁ?」
だって、最近、ピリピリ、ギスギス、生きづらいです。コロナ禍でますます。
てんてんさんに持ちかけ、ネットや紙面を舞台にした「神戸新聞版 当事者研究の会」が実現することになりました。
「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」では、皆さんから「生きヘタ」の投稿を募っています。サイトから直接投稿できるほか、メールや手紙、ファクスでも声が寄せられます。
約1年で800を超える投稿が届きました。その中から、共感を集めている3人の投稿を紹介します。
ほかの投稿はこちらで読めます。
サイトにはコメント欄を設けており、登録なしで相談やアドバイスを書き込むことができます。
てんてんさんから毎月1回、エッセー漫画が届き、「ネガティブ思考クイーン」だったというてんてんさんのロングインタビューや、宝塚の「生きるのヘタ会?」のリポートもあります。
■生きるの「下手」、なの?
「生きるのヘタ会?に参加しませんか?」と誘ったら、もしかしたら「私は、生きるの下手じゃない!」と言う人がいるかもしれません。
でも、ふと思うのです。
「生きるのが上手い人っているんだろうか?」「悩みがない人っているんかな」と。
悩みの大きい小さいや違いはあっても、みんないろんなしんどさを抱えながら生きていると思います。
悩みの渦中にいる時、こんなにつらいのは自分だけ…、と孤独を感じるけれど、そんな時に生きるのヘタ会のサイトを見て、「あ、一人じゃない」「仲間がいたんだ」と思ってもらえたら―。
「生きヘタさん」というキャラクターもデビューしました。皆さんからの投稿を紙面などで呼び掛けます。
キャラクターを手がけたてんてんさんが、キャラクターやコーナーへの思いを寄せてくれました。
■当事者インタビューには南野陽子さんも登場
投稿の紹介に加え、月1回、生きづらさのテーマを決めて、当事者をインタビューし、専門家にアドバイスを尋ね、記事を掲載しています。
これまでに、不安症や摂食障害、発達障害、吃音、孤独な子育て、場面緘黙…などの当事者に話を聞いてきました。
今年1月には、「ナンノ」の愛称で親しまれている兵庫県伊丹市出身の女優、歌手の南野陽子さん(54)が登場しました。
「更年期障害」のしんどさに直面する今、年齢を重ねることへの受け止め、仕事との両立、読者へのメッセージなどを、飾らない言葉で語ってくれました。
南野さんは、取材の中で「週に3日は、寝込みたいぐらいしんどい」と言い、さらには、もともと生理不順など婦人科系の悩みが多く、アイドル時代はそのイライラがうまく表現できなくて、生意気と言われたこともあった、などと話してくれました。
そして、取材を受けた理由についてこう説明しました。「ナンノもそうなの?」「私だけじゃないんだ」と思う人がいるなら―、と。
担当記者は40代前半。私自身、インタビューしながらとても勇気づけられました。
更年期について語った南野さんの「生きヘタ」インタビューはこちら
プロ野球オリックス・バファローズの野手総合兼打撃コーチで、現役時代は打点王に輝いた小谷野栄一さん(41)もインタビューに応じてくれました。
約15年間、心の病の一つ「不安症」と付き合い続けてきたといい、バッターボックスで吐き気に襲われ、寮の自室から出られなくなった苦しい時を経て、「症状が出たら勝ち」と思えるようになるまでの歩みを、恩師であるオリックスゼネラルマネジャー福良淳一さんとのエピソードを交え、語ってくれました。
小谷野さんが「吐き気の症状が出た、ってことは、それだけ真剣に考えているということ」「症状がでてもいいや、出たら勝った、と思えば、恐れるものはありません」と言っていました。
なるほど。いろいろ不安になったり、しんどくなったりするけれど、「それだけ真剣に考えている」と思えば、なんだか前向きな力に転換できる気がします。
不安症との付き合い方を語った小谷野栄一さんのインタビューはこちら
吃音と向き合ってきた落語家、桂文福さんのインタビューでは、吃音を含め文福さんの個性と認め、温かく見守った師匠との関係にほのぼのとなりました。
「生きるのヘタ会?」のサイトでは、これまでに掲載してきた全インタビューを無料で読むことができます。
「生きづらいなぁ」「しんどいな」というあなたの声も、お待ちしています。
生きるのヘタ会?で、心の荷物をちょっと下ろしませんか。
〈まあちゃん〉
2001年入社。滋賀県甲賀市出身ですが、大学時代から兵庫に移り住み、神戸新聞で働いて20年。いまでは、ふるさと滋賀よりも、兵庫で暮らす年月の方が長くなりました。6歳と8歳の子どもがいますが、子育てでも、仕事でも、「生きヘタだなあ」と悩むことばかりです。
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