「新長田を彩るプレイヤー 〜社員と共に追求する、靴の美学〜」 -Part5-
株式会社 ロンタム
取締役社長 神農 英道さま
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自分の人生であり、社員の人生
-記者-
社員環境を整えるってところで一番の難しさはなんでしたか?
-神農さん-
1番は完全にあれですね、計画生産というか
完全週休二日制、完全残業なしで働けるようにしたいけど、ファッション業界ゆえにそれができない
店頭に出す、世の中に打ち出すタイミングを物事に合わせないといけないし、
一つでも多く作って相手の要望に合わせないといけないから
やっぱり計画生産がなかなかできない
これが一番難しいんですよ
-記者-
整えたいっていう気持ちもあるけど、どうしてもやはり業界の特殊性があって
その両立が難しいわけですね
-神農さん-
そうそう、ほんとにそうです
卸値を上げることはできない、納期も合わせないといけないってなったらやっぱり大変ですね
それでも出来るだけ一日でも一人でも多く休みを取れる仕組みはつくっていると思うんですけど、
それでもやっぱりまだ僕の中では納得してないですし
この先一番重要なことかなって思ってます
世の中からすると当たり前のことでも、業界が特殊すぎてほんと難しいです
-記者-
神農さんの社員の働く環境の整備について社員さんからの反応はいかかですか?
-神農さん-
各部署の責任者を通してですが、みんな喜んでますといったことを聞きます
その言葉を聞くだけでやってよかったなって
-記者-
やりがいにつながりますよね
-神農さん-
社員の働く環境を整備をしない場合、スタッフの気持ち、行動が80%やったのが
整備をすることで100%になるんですよ
やる気が変わったんだっていうのが、1番実感する
それは生産数で分かるんですよ
今までこの人数やったらこんだけしかできんかった、あんだけ残業をしてたところが、
やる気が高まることによって同じ人数でも残業が減って、より一層生産数が多くなる
それはもう実感というか数字に見えます
-記者-
社長になってからは、現場に立って生産することはなくなりましたか?
-神農さん-
減りましたけど、全然現場に立ってます
お客さんとの商談、窓口は全部僕です
出張でのやり取りもしますし、設計の部分でも第1歩目は全部僕がします
-記者-
すごいハードワークですね
-神農さん-
そうですね
それでも今は、ものづくりの最初の工程とかは任せるようになった
まだ交代して一年なんでね、
そこをちょっとずつ教えていきながら
ただファッション業界ですと、営業の仕方って非常に重要で
靴を分かってないと営業出来ないですし、お話もできないんですよ
一旦持ち帰って検討という形が取れないので
-記者-
その場でやはりある程度の交渉ができないと
じゃあ、もうええわってなりますもんね
-神農さん-
そういうことです
営業はそこが1番重要で、そこだけはまだ任せることもできない
お客様もプロフェッショナルなんで
-記者-
田中ミシンさんと前回お話しさせていただいた時、向上心を持って仕事に向かっていて、生産業を盛り上げたいという思いが伝わってきました
-神農さん-
そうですね
彼はこの業界で特殊やと思います
ミシンを販売している会社はミシンの機械を売るという概念しか僕にはなかったんですけど、彼はその概念にとらわれず、挑戦している
SNSを駆使してて、なかなか面白いというか今までこの業界にいなかったタイプですね
彼もこれから商売を引き継いでいく中で、いろいろな夢持ってますよね
まずはプロフェッショナルになる、それで情熱大陸に出てこの産業を見てもらって活性化させたいと思っている
自分で自分の将来を作ろうとしていてすごいなと思います
こういう若手が増えると、この産業も変わってくるのかな
ものづくりも昔と今とで全然違う
かつてバリバリやってた人は昔の感覚があると思うけど
昔の考えだけだと良くないんかなって
当然経験があるのは助かることなんですけど、作り方の流れっていうのを僕らは大きく変えたんで、その新しい靴づくりに取り組んでくれるスタッフに入ってもらってね
ベテランの経験と若手の発想でうちのやり方を進化させて一緒に歩んで行って欲しいなって思うので、
新しい子たち、若い子たちに来て欲しいですね
-記者-
最後に、神農さんにとって靴づくりとはなんですか?
-神農さん-
人生です、僕の人生
僕は他で働いたこともないし、これでしか自分の人生描けない
だから自分の人生であり、社員の人生にしたい
-記者-
すごい熱い思いで語っていただいて、ありがとうございます
-神農さん-
いやほんとに、この想いがないと
それがみんなにね、社員やお客さんにも伝わってると思ってるんで
そんな感じですかね
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