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百物語 第十一夜~第二十夜

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百物語 第十一夜から第二十夜までをまとめたマガジンです。
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2016年8月の記事一覧

百物語 第十九夜

母の友人のご婦人の話である。

数十年前、旦那さんの転勤で山あいの村に引っ越した次の日の朝、玄関先にちょこんと、見慣れぬ碁石のようなものが置かれていたらしい。

拾い上げてみると、外側は碁石のようだが、内部のほうに輝きが見えた。その時は特別何とも思わなかったそうで、不思議な石だなあと思いながらも、庭先に放っておいたそうだ。

だが、そのあくる日も…ふたつ、横に並べるようにして、また石が置かれていた

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百物語 第二十夜

小学生の頃、クラスメイトの女子に霊感があると自称する子がいた。

休み時間にそれぞれのグループで遊んでいると、ふと混ざってきては、「昨日の夜こんなお化けが出たんだよ」と一方的に怖い話をしてきた。
ある時には授業中にも関わらず急に席を立ち、「ほら、あそこ見て!血だらけの女の子がいる!」と校庭を指差した。

そんな具合なので彼女には友達がひとりもいなかった。

いま考えてみれば、クラスで話題の中心にな

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