過敏性腸症候群との付き合い
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この記事では、話題の性質上、汚いものが登場します。
あらかじめご理解いただいた上でお読みいただければと思います。
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僕は過敏性腸症候群を患っている。
ざっくり言うと、緊張すると大を催す人である。
お医者さんいわく、消化器系の病気というよりは精神的な問題らしい。
これは罹患してみないとわからないのだが、本当にキツい。
"緊張" とだけ聞くと、みんなの前で発表、テストの前とかだと思われがちだが、ほとんどはそれと別である。
広く言えば、「すぐにトイレに行けない状況」が一番マズい。
高校時代はこの症状に最も悩まされた。
毎朝、地下鉄に乗って高校まで通っていた。
一度電車のドアが閉まると、次の駅までトイレに行けない。
もし耐えきれずに下車しても、すぐそこにトイレはない。
このような状況であれば、いつでも症状が出る。
耐えきれない便意と共に鳥肌が立ってくる。
吐き気もしてくる。
ひどい時は本当に吐いてしまう。
どんどん肌から血色が抜けていく。
そして、ひとたびトイレに駆け込んで出してしまえば、すべて解決してしまうのである。
この症状は朝に出やすい。
なぜなら、遅刻できないからだ。
朝はそんなに余裕をもって行動できない。
特に毎日部活でヘトヘトになっていたから、早起きなんて余計に無理である。
朝食を摂ってしばらくすると便意を催す。
それが地下鉄に乗っている時間と重なりやすい。
自分の体はそういうリズムなんだと思っていた。
鳥肌が立つのも、無理に我慢するからだと思っていた。
授業やゼミの時も出やすい。
出るタイミングが難しいし、席を立つことで悪目立ちするから。
あと10分で授業が終わるタイミングだと、バツが悪いので余計に難しい。
そういった、他愛もないストレスが僕の腸には重くのしかかる。
特に、中学の時は授業中にトイレに立つのを言い出しづらい。
先生に「休憩時間中にトイレは済ましておけよ」と言われる。
口調は優しいし、特段怒ってもいないけど、内申点に響きかねない。
これが病気だとわかったのは、浪人時代である。
まだ浪人生活が始まって間もない4月か5月。
その日も症状が出た。
しかし、その日は運悪く車内で戻してしまった。
周りの方に迷惑をかけてしまったことが本当に申し訳なかった。
ようやく、普通じゃないのかもと思った。
ネットで調べたら、過敏性腸症候群がヒットした。
ドンピシャすぎる症状が並んでいた。
そして薬があることも知った。
その日のうちに内科へ駆け込み、その薬を処方してもらった。
それからというもの、症状が出る頻度は格段に下がったし、出ても軽かった。
薬が効いているからなのか、「薬を飲んだから大丈夫!」と思えているからなのかはわからない。
ただ、改善したのは確かだった。
もちろん、たまにどうしても耐えかねて途中の駅でトイレに行くことはあった。
しかし、一度トイレで下車しても間に合うよう、20~30分早く着くように家を出ていたので、安心してトイレに行っていた。
まずまずいい付き合い方ができていたと思う。
しかし、第一志望校の受験日の前日の夜中、不快感と共に目を覚ますと、吐いてしまった。
センターでも平気だったし、その日の日中も特に緊張もしていなかった。
これまで死に物狂いで勉強してきたから、あとはなるようにしかならないと思っていたから。
しかし、こうなってしまった。
結果的に第一志望校には落ちたが、これで落ちたとは思っていない。
要するに "縁がなかった" のだ。
大学・大学院時代はかなり発症頻度が下がった。
講義中にトイレに行こうと、内申点は関係ないし、誰も咎めないから。
部活も開始時間は決まっていたが、ゼミや実験に配慮して、途中参加もOKな雰囲気だった。
サンプリングや釣りの時は少々危惧していた。
すぐにトイレに行けないことが多いから。
しかし、そんなに発症頻度は高くなかった。
たぶん、過敏性腸症候群なんだと自覚して、周囲の人はもし迷惑をかけても理解してくれると思えているから。
症状が出た時はまだ辛い。
でも、なってしまったものはしょうがない。
躊躇せず周りに打ち明けられたのが、一番よかった。
こう思うと、ざっくばらんに振る舞ってるし、自分でもそうだと思っているけど、意外と神経質だったのかなと思う。
休学するほど落ち込むのも、もともとそういう気質なんだよね。
自分で自分を乗りこなせるようになりたいですね。