カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』感想
想像よりずっと昔に書かれた本で驚ました。
登場人物のマラカイ・コンスタントは遺産と運で手に入れた金でパーティにセックスにドラッグとやりたい放題のボンボンです。全てを失って火星に行き、水星へ行ってから地球に戻って最後は土星の衛星タイタンへ行きます。
SF的なネタも盛り沢山です。時空間変換されたおっさんと犬に宇宙戦争にロボトミーに未知の知性体との交流に惑星移住…。
アポロ11号が月へ行ったのが1969年、カート・ヴォネガットがこの小説が書いたのは10年前の1959年です。まだ人間が宇宙に出れていない時代にこの話を書いてしまうのが信じられません。改めてすごいです。
「おいおい、そんなに風呂敷広げて大丈夫か?」と言いたくなりますがちゃんと収束します。気がつくと全然好きじゃなかったマラカイを応援している自分がいます。
当時は先端を行き過ぎてただろうなあ。