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言葉に命を吹き込む「格」
単語に格変化があるロシア語は、格変化まで記憶していないと、単語そのものを口にすることすらできず、めんどくさい言語だ。
でも実は、格変化の「格」とは、「動作の対象」「行き先」「手段」とか、名詞にいろんな役割を与えるもので、どんな言語にも必要なものである。
格の表現の仕方は、ロシア語のように単語の語尾変化で表現するものもあれば、言語によって様々だ。
ドイツ語のように冠詞変化で表現
日本語のように格助詞で表現
英語、フランス語のように、前置詞や語順(動詞の後だったら目的語みたいな)で表現 などなど
そもそも、名詞は単独ではほぼ意味をなさない。
「くるま」といっても無味乾燥で、「だから何?」となる。
「くるまが」、「くるまで」、「くるままで」と格を表現して初めて、名詞に動きがでて、生き生きしてくるのだ。
言葉における「格」は、人体における腎臓のように、目に見えない部分で根幹を支えている。
そう考えると、めんどくさいとだけ感じていたロシア語単語の格変化が、少し美しく思えてこないだろうか?
ということで、最近ロシア語の勉強にハマっている。