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効果的に図書館システムを更新するための4つのコツ
今日は「効果的に図書館システムを更新するための4つのコツ」についてお伝えします。
シンプルでライトに書いてありますので、5分くらいで読めます。
「図書館システムの費用って高いなーとは思うけど、でもどこもそうだし仕方ないよね。」と思っているあなた。
はっきり言います。
「ぼられてます。」
図書館員ってホントちょろいって思われてます。
CPUだってcorei3で十分なのにcorei5の高スペックなものを積まれたり、処理内容は同じなのに高い機械を買わされたり。
なぜ、そのような商習慣となっているのか。
「職員が不勉強だからです」
※全ての図書館員がそうではありません。
資料や利用者について勉強している図書館員が多いと思いますが、いまや図書システムは無くてはならないもなのに、不勉強な方が多すぎです。
システムは良くわからないからプロポーザルの仕様書もベンダーに丸投げで、ほぼベンダーロックが掛かっています。
プロポーザルで複数の業者から提案を受けましたって対外的に言えるけど、ほぼ一社随契っすね。
では、勉強の仕方についてお伝えします。
1.ITパスポートの勉強をする
これを勉強しておけば、データベースの構造や、ネットワーク体系のことも理解できるます。
図書システムのある程度の構造も理解でき、業務改善のための要望も伝えやすいでしょう。
この資格の良いところはシステマチックなことだけでなく、経営戦略、課題解決能力、コミュニケーション能力も鍛えられます。
少し頑張れば独学でも取れます。
今はネットでも便利なサイトがありますしね。
2.図書館総合展に行く
自分の使っているシステムで安心していませんか。
そんな気持ちはベンダーさんに見透かされて、更新費用にもみ手で上乗せされちゃいます。
常に向上心を持って、
・「もっと作業効率がよくなるシステムはないか!?」
といった視点を持ち続けることが重要です。
一番効率が良い方法は、「図書館総合展」に行くことです。
図書館総合展はパシフィコ横浜で10月に行われるベックイベント。
図書館関係者のお祭りみたいなものです。
今年はコロナの影響でオンライン開催だそうです。
あのお祭りみたいな雰囲気が大好きだったのにー残念💦
システム更新の3年前から毎年必ず行ってます。
ここで必ず聞くことは、
・「おたくのシステムで他社にはない3つの機能、あるいは、負けないウリはありますか」
・今のシステムの不満点をリストアップしていって「この不満点は御社のシステムで解決されますか?」
です。
聞くベンダーは、今、使っているところと同じ規模のところが良いでしょう。
プロポーザル時の現実的な対抗馬となるからです。
聞くのと同時に画面遷移も目に焼き付けます。
「うちのパートさんはこのシステムを使いこなせそうか」とか考えます。
営業担当に詳しく聞いて、現状のベンダーの不満を言って、移り気があることに軽く含みを持たせましょう。
本当に良さげだったら、日を改めてアポを取って詳しく説明を聞きましょう。
現行ベンダーには、
図書館総合展に行ってきた旨を伝えましょう。
で、別のベンダーさんのシステムの良かった点、上位3つを具体的に伝えましょう。
こいつ少し勉強し始めたなと思われることが重要です。
3.他市町村のシステムをヒアリングする
同規模館よりちょっと人口が上の方が参考になると思います。
県立図書館で出している県内市町村要覧に、
・どの市町村が
・どのベンダーの
・どのシステム使ってて
・更新時期がいつなのか
とか載っていると思います。
それを見ながら電話しちゃいましょう。
相手も忙しいので、事前に質問をまとめるとかしましょう。
見るポイント
・自館と同じシステムを使っている
かつ
・更新時期を迎えた翌年、システムが別ベンダーに変わっている館
をピックアップしましょう。
で、どうして変えたのか聞きましょう。
金額、アフターフォロー、システムの機能要件などですね。
ただし、金額は端末の台数、自動貸出機の有無で決まってきますので、一番いいのは見積書を見せてもらうことですね。
聞くときは、取り扱いには注意することを伝えないといけません。
場合によっては断られることもあります。
特に自動貸出機は闇っすね。
↓こんな感じの見栄えが良くて一体型の筐体のやつは値段が跳ね上がりますね。
ベンダーさんも儲けたいからごっついやつ紹介してきます。
↓こんな感じのやつならハード・ソフト込み込みで100万円台で済みます。
出典:広島市立図書館
うちは400万から180万円まで落とせました。
前回がボラれてたんですよね。💦
4.更新の2年前からはベンダーさんと心理戦です
水面下の駆け引きが重要です。
「どうせ仕様書を作るのを面倒くさがって、オイラに丸投げしてくるに決まってる」
と思わせないことが重要です。
本気で乗り換えも考えて、勉強していることを小出しに伝えていきましょう。
例えば、データ移行費の話を振ってみましょう。
「未定だけど、別ベンダーに移行した場合データ移行費はどれぐらい費用が掛かるのか」を聞きましょう。
大体のベンダーさんはギクリとしますね。
データ移行費はベンダーさんにとって人質みたいなもんですからね。
館によって違いがありますが、数百万から数千万ぐらいかかります。
ただし、「やれるもんならやってみろ」と思われないように、これ以降、勉強したことを思い出して、営業さんとコミュニケーションをたくさんとりましょう。
ちょっと焦ると思います。
データ移行費も払ってまで、現行システムから出たいのか?
何が不満だったのかヒアリングされるかもしれません。
金額、サポート体制、技術力などなど。
ある程度は伝えましょう。
で、出してきた参考見積について無駄がないか精査しましょう。
本庁のシステム担当にお伺いするものいいかもしれません。
最終的にプロポでこちらの思うような提案がされていたらゴールですね。
※日図協も問題意識があるようで、データ移行問題検討委員会となるものが設置されているようです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
大事なのは、「システムのことは良くわからない」と考えてしまう固定観念を捨てることです。
5年に1回のシステム更新。
「めんどーな時に当たっちゃったな。」
と思うか、
「自分のスキルを身につけるチャンス!やったるでー」
と思うかで大きな差が生まれます。
ITパスポートを取得しておけば、システムはどの部署に行っても使うものですし、事務効率が上がります。
システム更新は必ず自己の成長に繋がる5年に一度の大イベントです。
正面からぶつかっていきましょう。