司書制度改革が必要な3つのポイント
今日は「司書制度改革が必要な3つのポイント」についてお伝えします。
シンプルでライトに書いてありますので、5分くらいで読めます。
最後までお付き合いしていただけると嬉しいです。🐇
司書資格者の現状
まず、司書資格者の現状ですが、飽和状態であり就職に結びつかずペーパー司書が多くなってしまってます。
制度によって毎年1万人も司書資格者が生まれているんですね。
指定管理館に求められる司書資格
そのような中、2018年までの実績として全国で約3300館の内、582館が指定管理館となっており、ここ数年鈍化傾向ではありますが毎年10~20館程度で移行を進めています。
出典:日本図書館協会 図書館における指定管理者制度の導入等の調査について2019
指定管理館のことは後で詳しく述べますが、自治体は指定管理館は司書率を高く求めています。ネットで公開されている仕様書をみると50%が多いです。
指定管理者は司書をかき集める必要が生じます。司書の有資格者と無資格者の差がこんな感じです。たった30円しかないんですよね。一例ですのでそうでないところもあります。まあ、でもこんな感じが多いですね。※令和2年9月26日時点
これの意味するところが、
・図書館で働きたい司書は多い。しかし安すぎるから他業種に流れているため人は集まりにくい。あとは図書館業務がハードワークなのを知っていて敬遠しているか。
・指定管理者は「安くてもいいから図書館で働きたい人」を求める。その方が会社の利益になるから。
・研修プログラムを確立させて、ツールの提供やある程度のスキルを身につけさせれば良しとしている。
・自治体も司書に対して過度な付加価値提供を求めていない。
これが進むと、そこそこ仕事してくれる可もなく不可もない司書が増え続けます。※そうでない人もいます💦
だから30円の差しかないんですよね。
司書の重要性を日本図書館協会を始め、いろんな組織で声高で叫んでいますよね。
でも、毎年これだけ多くの司書資格者を生み出し低賃であることは、需給のミスマッチが起きている、あるいは市場で評価されていないかです。
ではどうしたらいいのか。
司書制度改革の3つのポイント
①そう簡単には資格取得が出来ないようなカリキュラムを組む
弁護士や公認会計士並みの難関資格にする必要があることで価値が生まれます。
②取得した結果、人に対して付加価値を提供できるようにする。
付加価値は利用者にも同僚である図書館員にもです。
まず、図書館に対しては結局、図書館は「人」なので、いくら有能な司書が一人いたとしても、一人で孤高に突き進むタイプではダメだと思います。
従って、従来の単位の他に、コミュニケーションスキル、マーケティングスキル、マネジメントスキル等を身につけ、人を巻き込みながら的確に考え行動するスキルも必須です。
利用者に対しては、例えば、私の大好きな「(有)いわた書店」(北海道)さんのように、カルテを記入後、一万円でその人にあった本を提供する「一万円選書」ができるような価値提供が出来る司書が理想です。
また、図書館システムもほとんどの館で導入していますので、ITに関する内容もあった方がいいのではないでしょうか。
ベンダーさんにボラなくてすみます。参考までに。↓
③資格を更新制度にする。
苦労して取った資格を放置していたら刀が錆びるだけです。
緊張感を持って仕事をしてもらうためにも、刀を研ぎづづけるマインドを持ち続けるためにも、更新制度があった方がいいと思います。
※更新するための体制維持で費用は掛かると思いますが💦
日本図書館協会が「認定司書」を制度化してますが、資格要件も結構えげつないくらいハードル高いですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。名ばかり司書も多いですが、低賃金でも利用者のために、熱い志を持っている司書さんもたくさんいることを知っています。
そんな方たちにどうか陽があたりますように。
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