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足から捉える-足底腱膜炎-

今回は「足底腱膜炎」についてまとめていきます。


足部疾患として臨床で対応することも多い足底腱膜炎ですが、
足からみた静的・動的アライメントを中心に患部に対する動作との関係性について掘り下げた内容をまとめています。

「踵の痛みが改善しない」
「運動負荷を上げると痛みが増悪する」

足底腱膜炎のリハビリテーションを行っていると、
このようなことってよくあるのではないでしょうか。

患部のストレス要因の特定が捉えにくく、
評価の解釈に難渋することも少なくありません。


そのため、歩行などの繰り返しの踵へのストレスの緩和ができず、
圧痛の残存し復帰に時間のかかるケースが生まれやすくなります。


踵へのストレスを捉える上で、

静的アライメント
動的アライメント
可動性


の要素については詳細に捉えておく必要があると私は考えています。


今回のnoteでは
私が足底腱膜炎を捉える上で重要視している、
・足部機能
・動作分析(動作のエラー)
を挙げ、
足からみた足底腱膜炎の解釈をお伝えしたいと思います。

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■足底の痛みを整理する

まずはじめに、足底の痛み・病態を簡単におさらいしていきましょう。

足底(踵付近)の痛みを捉える上で以下の2つの疾患について解説していきます。

足底腱膜炎
踵骨下脂肪体炎

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|足底腱膜炎

足底腱膜炎とは
踵骨の内側底面に付着する足底腱膜に繰り返し牽引力が加わり、その起始部に腱膜炎や骨膜炎が引き起こされるものである。

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足底腱膜は足部アーチを構成する主要な部位です。

内側縦アーチが低下すると、足底腱膜は牽引されて
足部における衝撃吸収作用は低下します。

このような状態での荷重動作は足底腱膜への負荷を増大させてしまい、
足底腱膜付着部への症状をきたしやすくなっていきます。

着地した瞬間や蹴りだしの際に痛みを呈し、
歩行時痛・ランニング時痛などの症状となります。

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足底腱膜炎の危険因子として、上記の項目以外にも、
加齢
足底腱膜の柔軟性低下
不適切な靴
長時間の運動
などの要因も報告されています。


治療方針・目的

足底腱膜炎の治療方針として、足底腱膜の伸張性を改善させるためにウインドラスを再生し、慢性的な炎症を抑制することが求められます。

患部への負荷を抑制する目的で
アーチパッドを利用したインソールで対応することで患部のストレスを軽減させる方法があります。

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|踵骨下脂肪体炎

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踵骨下に存在する脂肪体に炎症をきたす「脂肪体炎」

踵への圧縮刺激(ストレス)の繰り返しにより症状をきたすため、
ジャンプ・着地動作を繰り返すスポーツ選手などにもみられます。

歩行時の立脚初期において踵接地をするため、
患部へのストレスが抑えにくく症状が長く続くこともあります。

足底腱膜炎の付着部の局所的な疼痛と比較し、
踵骨底側脂肪体の全体に疼痛をきたすことが特徴です。


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■足底の機能運動学

|足底腱膜とは

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足底腱膜は、踵骨を中心に介し、
アキレス腱-下腿三頭筋の筋腱複合体と連結した動きをしていきます。

筋腱複合体の張力は、
踵骨の底屈を伴いながら足底腱膜を伸張させていきます。
同様に足底腱膜の張力は
踵骨を背屈させることで筋腱複合体を伸張させる連結した動きをします。

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上記のような解剖学的な特徴より、
足底腱膜は立脚初期における衝撃を吸収することで、
立脚相における足部の安定化と推進力に大きく関与しています。

そのため、歩行・ランニング・ジャンプ動作などにおいて、
足底腱膜の踵骨付着部には牽引力とともに、
荷重における圧迫力が繰り返し加わっていくことが考えられます。

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|ウインドラス機構

つぎに「ウインドラス機構」についてまとめています。

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歩行やランニング動作において、
踵離地から足趾離地にかけてMTP関節は背屈位となります。
足底腱膜は趾骨に付着しているため、MTP関節の背屈運動により
足底腱膜の緊張は増加していきます。

※MTP関節:中足趾節間関節

MTP関節が背屈位となった時にこの足底腱膜の緊張の増加により、
中足骨と踵骨は引き寄せられることで、足部アーチは高くなっていきます。

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